2022-01-13 @杉田劇場
辻彩奈:バイオリン*
神奈川フィルハーモニー管弦楽団メンバー(弦楽五重奏)
バイオリン:合田知子、村松伸枝
ビオラ:鈴木千夏
チェロ:迫本章子
コントラバス:松隈崇宏
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.136(弦楽五重奏版)
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64(弦楽五重奏伴奏版)*
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エルガー:愛のあいさつ*
かなっくホールやフィリアホールなどと同種の区民文化センターの一つだ。そしてこれらのホールとほぼ同規模だが、音響は疑問。残響が極めて短い。芝居向きだろう。
今日の独奏は辻彩奈。曲はメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲(いわゆる「メンコン」)。
彼女のメンコンは、最近、都響との協演が実に見事だった。
ところが、今日は、如上のようにホールがほぼ響かないので、彼女の独奏は見事だが、支える五重奏が乾いて、弱い。
欲を言えば、五重奏がもう少し野生的であればホールの難点を少しはカバーできたかもしれないが…。
独奏と本来はオケの部分の絡み合いが乏しく、単に伴奏に徹した感じは否めない。
とはいえ、かぶりつきで聴いた辻彩奈のバイオリンは、ホンに美しい。ドライな音響の中では、伸ばした小指が出す繊細なハーモニクスの最弱音や、普段ならなかなか聴き取れない旋律とテンポの速いアルペジオの二重音も明瞭に伝わって、滅多に得られない音楽体験ではあった。