2019年12月3日火曜日

オペラ「椿姫」

2019-12-03 @新国立劇場


ジュゼッペ・ヴェルディ:「椿姫」全3幕〈イタリア語上演/字幕付〉
上演時間約2時間40分
 第Ⅰ幕・第Ⅱ幕1場75分
   休憩30分
 第Ⅱ幕第2場・第Ⅲ幕55分

指揮:イヴァン・レプシッチ
演出・衣裳:ヴァンサン・ブサール
美術:ヴァンサン・ルメール
照明グイド・レヴィ

東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団

ヴィオレッタ⇒ミルト・パパタナシュ
アルフレード⇒ドミニク・チェネス
ジェルモン⇒須藤慎吾
フローラ⇒小林由佳*
ガストン子爵⇒小原啓楼
ドゥフォール男爵⇒成田博之
ドビニー侯爵⇒北川辰彦*
医師グランヴィル⇒久保田真澄
アンニーナ⇒増田弥生
*2017年公演と同じキャスト(須藤はドゥ〜男爵で出演)

ちょうど2年前に同じ演出で観た。同じ演出でも主役が変わるとドラマまで変わることがある(目下上映中のMET Live Viewingの「マノン」が好例)。

今回のミルト・パパタナシュは痩身の美形で、椿姫にお似合いだし、歌唱も繊細で好感を持った。しかし、今回も変わらぬ演出が不満の種になった。

照明はほぼ間接照明で全篇薄暗く歌手たちの表情が読み取りにくい。これって、ストレス溜まる。
舞台装置は2幕迄は工夫されているが3幕が漫画チックだ。
額縁内に更に円窓が設定され、その狭い中で進行する。
おまけに椿姫とアルフレードたちの間は紗幕に遮られているというのが分からない。

椿姫は紗幕の客席側。他は舞台奥側。女中は紗幕に頭を突っ込んで歌う。滑稽だ。
せめて彼氏はそれを引きちぎって椿姫を抱きしめなくてはいかんが彼らの燃え上がる思いが視覚的に一つにならないので、観ている側は隔靴掻痒だ。
今年の1月の藤原歌劇団公演でも終幕は紗幕が張られていた。意味不明な演出だ。

今年は、「椿姫」をMET Live Viewingで2度、英国ロイヤルオペラシネマでも観たが、ロイヤル〜のエルモネラ・ヤオの椿姫こそ最高傑作だった。

冒頭にも書いたが、演出もさることながら、ヒロインの歌唱力や演技力がドラマを決定するなあ…とつくづく思う。

♪2019-192/♪新国立劇場-12