2015-11-12 @みなとみらいホール
ダニエル・ハリトーノフ:ピアノ
ベートーベン:ピアノソナタ第23番「熱情」
リスト:愛の夢第3番
「ラ・カンパネラ」
超絶技巧練習曲第10番
ハンガリー狂詩曲第2番
ショパン:バラード第1番
ノクターン第2番
幻想即興曲
前奏曲第15番「雨だれ」
練習曲op.25より第11番「木枯らし」
練習曲op.25より第1番「エオリアンハープ」
英雄ポロネーズ
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チャイコフスキー:「くるみ割り人形」からグラン・パ・ド・ドゥ
岡野貞一:ふるさと
…いずれも編曲者不明
無印はデュオ
みなとみらいホールから随時送られてくるコンサートの案内の中にこの名前も知らない若者のピアノリサイタルのチラシが入っていて、今年のチャイコフスキー国際コンクールに3位入賞したロシアの超新星!弱冠16歳!などと書いてあった。
後述するように「弱冠」に「若干」問題はあるが、チャイコフスキー・コンクールの入賞ホヤホヤの実力如何という興味、それに多彩なプログラムのボリュームのお得感から聴きに行くことにした。
会場で配布されたプラグラムによるとその後誕生日を迎えて17歳になったようだ(1998年ロシア・サハリン生まれ)。
こういうクラスの演奏のできばえについてはよく分からない。とにかく、ものすごいテクニックだということは分かる。
アンコール入れて全14曲(2~3分の小品から30分近い大曲まで含んでいるので曲数は意味ないけど…)、正味2時間超の演奏の中で、ミスタッチかも?と思えたのは2回くらいかな。
とにかく、コンピュータミュージックのように正確なメカニック、それでいて自在な表情をつけるテクニックには大いに感心した。
17歳になったばかり?の若さで、技術だけではなく、当然のことだけど、自分の表現スタイルを確立しつつあるのだなと思った。
チャイコフスキー・コンクールなど、多くの音楽家のコンクールは、いわば新人の登竜門であり、プロデビューのきっかけ、あるいは箔付けではあるけど、プロの演奏家として大成できるかどうかは分からない。多くの優れた才能がいつの間にか埋もれてしまっているのだろう。
ダニエル・ハリトーノフの日本初デビュー(厳密には7日から既に地方公演が始まっていたが。)を聴いた、ということが後年ちょっと自慢できるような大物になってくれるといいのだけど。
余談:
チラシに書いてあった「弱冠16歳」という表現は本来は正しくないそうだ。
大辞林によれば、
「弱冠⇒ 〔「礼記曲礼上」による。20歳を「弱」といって元服して冠をかぶったことから〕男子20歳のこと。」
だそうだ。
しかし「弱冠」は本来の意味を超えて広く「若い」の意味で使われていることが多く、ウィズダム英和辞典には「彼女は弱冠25歳で推定70億ドルの資産を持っている」という用例さえある。これでは二重の意味でおかしいのだけど。
♪2015-110/♪みなとみらいホール-33