2014年11月1日土曜日

ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団名曲全集 第102回

2014-11-01  @ミューザ川崎シンフォニーホール


高関健:指揮
マーティン・ヘルムヘン:ピアノ
東京交響楽団

モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K503
ラヴェル:優雅で感傷的なワルツ(管弦楽版) Op61b
ラヴェル:ラ・ヴァルス(管弦楽版) Op72
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」 第2組曲 Op57b


モーツァルトとラヴェルの組合せって何かしっくりこないのだけど、プログラムには何にも説明はなかった。
両者の作曲時期はおよそ130年もの隔たりがある。

後日、読んだものには、ラヴェルがモーツァルトから多くの影響を受けたと語っている…そうだが、モーツァルトより後世の作曲家で彼から影響を受けなかった人はまずいないだろうから、結局良く分からない。

モーツァルトの作品はもちろん好きだけど、この際、「ボレロ」とか「ピアノ協奏曲」とかでラヴェル尽くしの方が嬉しかったな。

とはいえ、モーツァルトのピアノ協奏曲は、どういう訳かコンサートではここ数年で思い出すのは23番が多く、ほかには最近26番「戴冠式」を聴いたくらいだったので、久しぶりの25番ももちろん楽しめた。


さて、ラヴェルだけど、今日の演奏曲は「ボレロ」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、「スペイン狂詩曲」などと並んでラヴェルの定番みたいなラインナップだった。

ラヴェルは管弦楽技法の天才と言われている。
ムソルグスキーのピアノ曲「展覧会の絵」は多くの人が種々の楽器編成に編曲しているけど、ダントツに有名なのはラヴェルの管弦楽編曲版だ。
事程左様にオーケストラを自在に操って色彩感のある音楽を繰り広げてくれる。
今日の「優雅~なワルツ」も元は自身のピアノ曲を管弦楽に編曲したものだ(ラ・ヴァルスは逆パターン)。

モーツァルトの後に、ラヴェルの大規模な管弦楽作品を聴くと、やはり、別世界が広がる。


「ピアノ協奏曲」や「バイオリン・ソナタ」などは「ボレロ」などを作った同じ人の作品とは思えないような現代感覚に溢れた作品だけど、是非とも生演奏で聴いてみたいと思った。


東響には、兼ねてから弦・管の響に安定感を感じている。
ミューザという極上のホールのせいもあるのかもしれないが、管弦楽の透明と重厚を、近代管弦楽技法を駆使したラヴェルで楽しんだ。

♪2014-92/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-12