2022年7月30日土曜日

フェスタサマーミューザ2022 NHK交響楽団 ≪エキサイティング!渋谷から熱風が襲来!≫

2022-07-30 @ミューザ川崎シンフォニーホール


下野竜也:指揮
NHK交響楽団
三浦文彰:バイオリン*

J.S.バッハ(レーガー編):「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」BWV622
ブルッフ:バイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26*
ベートーべン:交響曲第7番イ長調 作品92
--------------------------
ヴュータン:アメリカの思い出 「ヤンキー・ドゥードゥル」Op. 17*
ベートーベン:歌劇「フィデリオ」から行進曲



僕が知る限り、フェスタサマーミューザ(FSM)でのN響の出番は毎年7月末〜8月初の土曜日16時と決まっている。N響人気で黄金日程が組まれているのだろう。

今日は、前方・側方を見る限り満員盛況で、普段はほどんど空席のオルガン際の最上層二段目まで、まるでえんどう豆のさやを開いたように鈴生りだった。

それがホールの鳴りに影響したかどうか知らないけど、N響にしては響きが良くない。アンサンブルも悪い。

冒頭の14型による弦楽合奏が響いてこず、この(僕の耳にとっての)意外な変調はブルッフでもベト7でも変わらなかった。

昨日の読響の方が音色、響き、熱量、圧力全てが優っていたように思う。

FSMではどのオケもエース級を揃えていると思う。
今日は篠崎・郷古の2人コンマス体制だったが…。

バイオリン協奏曲も、独奏バイオリンの音圧もオケとの協奏感も物足りない。
ベートーベン交響曲第7番にも気分が乗れず仕舞いだった。

独奏バイオリンのアンコール曲「ヤンキー〜」を聴くのはこれで4回目だが、いずれも三浦君で聴いた。曲弾きのようで面白いのだけど、またか!の感拭えず。アンコール・レパートリーを開拓してほしいね。

♪2022-112/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-026

2022年7月29日金曜日

フェスタサマーミューザ2022 読売日本交響楽団 ≪告別と絶筆。一期一会のシンフォニー≫

2022-07-29 @ミューザ川崎シンフォニーホール



井上道義:指揮
読売日本交響楽団

ハイドン:交響曲第45番「告別」
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 WAB109(ノヴァーク版)


コンマス(コンミス)はバイオリン界の百済観音・日下紗矢子(立ち姿も姿勢もボウイングも美しい。)。
チェロ首席は遠藤女史と華が揃った。
そして再度ブルックナー(前回は8番)を取り上げたのは井上道義御大。
3年前のフェスタサマーミューザ・読響とまるで同じ景色だ。
満を持して臨むという決意表明は面子にも現れているよ。

オルガン部分に大きなスクリーン。
何かやるな!今回は魚釣りではなさそう。
いつも”音楽外”パフォーマンスも楽しみな道義御大である。

前座はハイドン「告別」となれば、やることは決まっているが、今回は譜面台に蝋燭代わりのLEDランプ。
終楽章でひとりずつスイッチ切って出てゆくが、その際に、大スクリーンには団員の普段の姿が映写されて思わぬ余興を楽しんだ。そっちばかり気持ちが行って音楽どころじゃなかったけど。

「告別」の編成は弦24+管5という極小編成。尤もハイドンによる初演は12人だったそうだ。

後半のブルックナー第9番はなんと弦16型。
この極端な差も道義演出だろう。

ブル9は何度も聴いても好きにはなれないけど、派手な”管弦楽”としての楽しみはある。
特に、この季節、どこのホールも良く鳴る。ミューザは元々良く鳴る。道義御大もブルックナーやるなら最高のホールだと言っている。

今日の読響の出来がまた格別に良くて、管弦の交わりの美味なること!
至れり尽くせりの道義流サービスに大満足!

♪2022-111/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-025

2022年7月28日木曜日

フェスタサマーミューザ2022 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 ≪恩師バーンスタインの傑作とともに≫

2022-07-28 @ミューザ川崎シンフォニーホール



大植英次:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

バーンスタイン(C.ハーモン編):組曲「キャンディード」から
バーンスタイン:ディヴェルティメント
バーンスタイン:「ウエスト・サイド・ストーリー」から「シンフォニック・ダンス」
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」組曲(1919年版)


個人的には今日がフェスタサマーミューザの開幕。
大植英次という好漢にとても好感を持っている。

いつも、登場した時から、もう、テンションとエネルギーの塊だ。

そして、特にロマン派を演奏するときは、大抵どこかで癖のある大植印を刻む。それが楽しみでもある。

今日のミューザも良く鳴った。
弦も管打も明るくていい。

弦の編成は、多分、12-10-8-6-5だったと思う。
バーンスタインから3曲。そして「火の鳥」というプログラムでは、もう少し大きな編成でも良かったのでは思うが、演奏に不足を感じたからではない。
迫力があったし、乱れない。

4曲をすべて暗譜で振った。
恩師バーンスタインの作品はもう自家薬籠中のものとなっているのだろう。

全体が外連味いっぱいの作品群だから、今日は、格別、大植印を経験することはなかった。この上独自な味付けはできないだろう。

フェスタサマーミューザ2022は良い出だしだった!

♪2022-110/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-024

ランチタイムコンサート〜音楽史の旅②

2022-07-28 @かなっくホール


ビルマン聡平:バイオリン
司会・解説:飯田有抄(音楽ファシリテーター)

J.S.バッハ:無伴奏バイオリン・ソナタ第1番卜短調 BWV1001から第1楽章
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン・組曲第3番ホ長調 BWV1006
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン・組曲第2番短調 BWV1004から第5曲シャコンヌ



かなっくホールのランチタイムコンサート。音楽史の旅2回目もJ.S.バッハ。

今日は、渡辺美穂の急遽の代理で旅の途中下車でビルマン聡平氏が登場。終わったらその脚で浜松へ行くって。ご苦労様。
無伴奏作品から組曲3番とメインはシャコンヌ。

その第一声。
なんて、素晴らしい音だ。

ちょうど、20日に吉野町市民プラザで聴いた大江薫くんの抜き出たような響き方と同じだった。

かなっくホールは元々音の良いホールなのだけど、最近は気候のせいか一層よく鳴っている。

聡平氏は新日フィルの第2バイオリン首席であると同時にかなっくホール専属の弦楽四重奏団カシオペイア・クァルテットのメンバーでもあるので、このホールで聴くのは初めてではないが、無伴奏を聴くのは初めて。
それが、ホンに良く響く。手触り・肌触りが伝わってくる。

無伴奏ものは演奏家の個性が明確に出て、そこが面白い。
長い間、いろんな人の演奏を聴いて、なんとなく最大公約数的なイメージが出来上がっていて、そこに収まるなら良い演奏だという訳でもないけど落ち着く。
最近では石田組長で聴いたが、かなり個性的(尤も当然ながら毎回同じではない。)。その演奏に比べるとずっと安心して聴けたな。
まあ、とにかく、よく響くので、バイオリンが鳴っているというだけでも楽しかったよ。

♪2022-109/♪かなっくホール-07

2022年7月25日月曜日

東京都交響楽団 第956回 定期演奏会Bシリーズ

2022-07-25 @サントリーホール


アラン・ギルバート:指揮
東京都交響楽団

モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調K.543
モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551《ジュピター》


モーツァルト後期3大交響曲。
7月に入って35-38番と続き、今日は39-40-41番で上がりだ。

「運命」でも弦16型でやる都響の事だから、モーツァルトも大編成かと思いきや、今日は12型(12-12-8-6-4)と、常識的な編成。

この季節はどこのホールも比較的よく鳴っている。
サントリーホールも珍しくよく響いた。

管楽器が控えめなので、弦楽合奏のようにも聴こえたが、今日の都響は弦が美しい。
3曲通じてアレグロ楽章はテンポ速めで軽妙。
中間楽章は中低域弦が少ないのにしっかりと厚味のある響きを聴かせて心地良し。

41番の冒頭の節回しにAギルバートの独自色が出ていたが、個人的には違和感あり。

さて、全体として好ましい演奏だったけど、アレグロの小気味良いテンポが弦全体として揃っていなかったのではないか。Vn1がリードするリズムに比べてその他の弦の刻みが同期していないような…。

全員が完璧に合わせることは、やろうとすればできるのだろうが、そこに指揮者の興味がなく、ぼんやりとした響きを優先したのか?

41番を聴くとモーツァルト弦楽四重奏曲第14番K387を思い出す。
終楽章にジュピターの動機を使って、Vn2以下の3人が超速ユニゾンで駆け上がるところが魅力的で、昔、ジュリアード弦楽四重奏団で初めて聴いた時に、機械的なくらいピタッと合った演奏にゾクゾクした経験があり、ジュピターを聴く度に思い出す。そう言う演奏もできたと思うのだけど。そういう演奏を聴きたかった。

♪2022-108/♪サントリーホール-13

2022年7月20日水曜日

横浜18区コンサート 第Ⅱ期 大江薫(バイオリン)× 東京フィルハーモニー交響楽団メンバー(弦楽五重奏)

2022-07-20 @吉野町市民プラザ




東京フィルハーモニー交響楽団メンバー
(弦楽五重奏)
 バイオリン1:近藤薫[コンサートマスター]
 バイオリン2:戸上眞里[首席奏者]
 ビオラ:須田祥子[首席奏者]
 チェロ:黒川実咲[フォアシュピーラー]
 コントラバス:片岡夢児[首席奏者]

大江馨:バイオリン*

モーツァルト:ディヴェルティメント長調 K.136から第1楽章
ドボルザーク:弦楽五重奏曲第2番ト長調 Op.77から第1楽章
(以上弦楽五重奏)
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
(弦楽五重奏伴奏版)
----------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン・ソナタ第3番ラルゴ*



今回の会場は京急なら最寄駅から10分+徒歩数分という便利な場所だが初めて。
中に入ったパッと見はいかにも多目的小ホールという感じで、アコースティック音楽には不向きだろうと思った…がどっこい。

最初に弦楽五重奏でモーツァルトの喜遊曲K136が始まった途端その心配は杞憂だたと分かった。なんて素晴らしい音。

東フィルの面子も腕利きが揃っているけど、ホールの響きの良さも与って効果大。
この五重奏が値打ちものだったが、惜しいことに2曲とも断章。

それにしても、このメンバーに今日ほど近接して聴いたことがなかったが、いずれも生々しく美しく、アンサンブルの妙を実感!

大江馨君を初めて聴いたのは8年前の神奈川フィル・フレッシュコンサート。阪田知樹君と一緒だった。
脱線するが、この新人応援の機会から他にもいろんな演奏家が育っているのを知っているので楽しみな演奏会ではある。

さて、いよいよ大江君が登場してチャイコが始まった。

東フィル五重奏はいよいよ美しい。
たった5人でオケのパートを何の不自然さもなく(編曲がとても良い)、最初から、こういう音楽だったかのように大江君を支えた。

その大江君は、いつものように口跡明瞭。ソリストらしく音量も豊か。それでいて蚊の泣くような最弱音も丁寧で綺麗だ。
近くで聴いたので一層、彼らの呼吸に惹き込まれた。
あまり見事な演奏だったので、1楽章の後に大きな拍手が起こったのは、楽章間で拍手しない慣行を知らない人がいたからかも知れないが、あれを聴けば拍手でしょ!僕も拍手したかったし、6人が笑顔で客席に会釈したのはとても良かった。大満足!

♪2022-107/♪吉野町市民プラザ-01

2022年7月16日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第379回定期演奏会

2022-07-16 @県民ホール



沼尻竜典:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調 Op.65


「つぼ八」ならぬ「タコ8」か。
前回聴いたのが16年インバル+都響だから随分久しぶり。この間CDなどでも全く聴いていなかった。

ショスタコの作品には大好き!と言うものが少数あるけど、それ以外は積極的に聴こうともしないので、定期演奏会はお仕着せで聴く良い機会だ。

とはいえ、交響曲に限定すれば演奏されるのはその4割が5番なので、例えば8番など6年ぶりと言うことになる。

こと程左様に馴染みが薄いのに、そこここにショスタコの独特の旋律がひっきりなしに顔を出す。文字で言えば書き癖のようなものか。

帰宅後作業しながら…途中居眠りも…彼の弦楽四重奏曲全15曲を掛け流して気付いた。

SQ8番の第3楽章はチェロ協奏曲1番の第1楽章と一緒!
9番の第2楽章も酷似している。

…てな具合に、ショスタコの音楽ってJazz組曲のようなメロディックなものを別にすれば、調性の外れ具合が同じように聴こえる。

は、ともかく。
神奈川フィルの演奏は力強かった。
1週間前の音楽堂定期も素晴らしかったが、今回も力が入っていた。

4月に音楽監督に就任して以来、沼さんは短時間で神フィルの人心を収攬したようだ。隅々までコントロールして、団員の気持ちが一つになっているように見える。

惜しむらくは、個人的好みかもしれないが、高域管の出番が多いがこれが耳障りだった。ま、他のオケでも似たようなものだが。

♪2022-106/♪県民ホール-10