2021年10月2日土曜日

都響Xアプリコ:大友直人&辻彩奈with都響

2021-10-02 @アプリコホール



大友直人:指揮
東京都交響楽団

辻󠄀彩奈:バイオリン*

モーツァルト:交響曲第35番ニ長調 K.385《ハフナー》
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 op.64*
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551《ジュピター》
----アンコール--------------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第3番ホ長調BWV1003 からロンド風ガボット*
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジークから第1楽章


大田区民ホール:アプリコは、とにかくよく鳴るホールなので期待して出かけた。


モーツァルトの交響曲第35番ハフナーと同41番ジュピターに挟まれてメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲、ってちょっと気恥ずかしいようなプログラムだったが大いに楽しめた。


交響曲では、2曲ともオケが鳴り過ぎ?で、迫力があり過ぎで、つまり、ちょっと頑張り過ぎじゃなかったか(弦編成は全て12型)。


ところが、アンコールで演奏したアイネ・クライネ・ナハトムジーク1楽章(弦楽合奏)の美しいこと!

もう、全く文句の付けようがない澄んだアンサンブルで、こういう響ならずっと聴いていたい。


もっと素晴らしかったのは、辻彩奈を迎えたメンコンだ。

ここではオケもきれいだったが、彼女のバイオリンの音のよく響くこと!


楽器も、腕も立派というだけでなく、このホールによく合った響かせ方だったのか、最弱から最強まで実に美しい音色。

オケとのバランスもVn協とはかくあるべしみたいな心地良さ。


独奏者アンコールにオケ定期客演の定番、J.S.バッハの無伴奏を弾いたが、多くの場合、大ホールでは物足りなさを感ずるが、今日は滅多に聴けない美音が響いた。


調度は豪華とは言えないけど、本当に良い音楽体験をさせてくれるホールだ。


♪2021-105/♪アプリコホール-01

2021年9月27日月曜日

東京都交響楽団 第929回 定期演奏会Aシリーズ

2021-09-27 @東京文化会館




ローレンス・レネス:指揮
東京都交響楽団

松田華音:ピアノ*

ワーグナー:歌劇『さまよえるオランダ人』序曲
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調 op.26*
プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調 op.100
----アンコール--------------------
ラフマニノフ:楽興の時 第6番ハ長調*


プロコフィエフ2本の前座になぜかワーグナー「オランダ人序曲」。

その出来がイマイチで、16型って纏めるのが難しいのだろうな、と期待値が急速に萎んだがどっこい。

ややコンパクトになった14型でのプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番が、全てのモヤモヤを吹き飛ばす快演。


松田華音の指捌きが鮮烈な感動を呼び、プロコフィエフって本当はこんなに面白いのだと教えてくれた。


独奏ピアノは殆どぼんやりする暇もなく、ずっと超高速の妙技を続けるが、オケもピッタリ寄り添って、リズムの塊のような音楽を盛り上げる。


この3番はAガヴリリュク+N響、上原彩子+神奈川フィル、Aヴィニツカヤ+都響等過去に多くの名人でも聴いているが、今日の演奏が最高の感動であった。


最後に弦の編成は再び16型に戻ってプロコフィエフ交響曲5番。

ピアノ協奏曲ほどの緻密なアンサンブルは聴けなかったものの、大編成のオケの隅々に指揮者Rレネスの彫琢が行届き、生命力溢れる演奏だった。

打楽器のお姉さん達も大活躍でこれも嬉しい!


久々に重量級都響が、単にでかい音と言うだけでなく重厚なアンサンブルを聴かせてくれてホンに上出来だった。


♪2021-104/♪東京文化会館-06

2021年9月26日日曜日

東京交響楽団川崎定期演奏会 第82回

 2021-09-26 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ユベール・スダーン:指揮
東京交響楽団
メゾソプラノ:加納悦子

フランク:交響詩「プシュケ」より第4曲“プシュケとエロス”
ショーソン:愛と海の詩
ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14


前半の2曲はいずれも初聴きで、親しみやすい音楽とは言えなかったけど、思いのほか良い演奏だった。

代役を務めた加納悦子の歌唱にも好感。


問題は後半。

スダーンというと「爆音・轟音」のイメージが付き纏うが、今回もすダーン節が炸裂した。


これを好意的に取れる人には、極楽の1時間だったかも。

僕は、第1楽章始まって間もないホルンの旋律に違和感を感じた時点で、《疑問》のスイッチが入ってしまった。


結局、終始独自色が強すぎ、強弱も甚だしく、そもそもが断片の集積のような音楽が一層まとまりを欠いて「幻想」は「幻滅」に変わった。


♪2021-103/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-31

2021年9月25日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第370回横浜定期演奏会

 2021-09-25 @県民ホール



梅田俊明:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:小山実稚恵*

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30*
チャイコフスキー:幻想序曲《ロメオとジュリエット》
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 op.34
-----アンコール-----
チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48から第2曲「ワルツ」


全ロシアものプログラム。

といっても、ロシア臭はほぼ無い作品ばかり。


前半にラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番という重量級。

マチネが延びた為に開演時間にギリギリ到着したので呼吸を整えながら聴く。

実稚恵先生、もう随分前から「今が旬」を維持しているやに聴こえる。まったく驚嘆だ。


オケは12型だったが、双方とも力を出し合った横綱相撲の感。

約40分の大曲で、音楽を聴く、というより体験するという感覚。


後半は弦14型に拡大してチャイコフスキーのロメ・ジュリ、更に打楽器を4人加えてリムスキーコルサコフのスペイン奇想曲といずれも管弦楽技法の粋を集めたような絢爛豪華な重量級が続いた。


昨日の新日フィルも管弦楽の魅力を十分聴かせたが、今日の日フィルはこれを上回る(音楽が全然違うので)迫力を楽しんだ。


こういう重量級の音楽は、やはり、音が塊で突撃してくる(?)県民ホールのようなプロセニアム付きの大ホールが似合うなあ、と思いながら聴いていた。


これだけやればもう十分、なところ、アンコールでチャイコフスキー:弦楽セレナーデから「ワルツ」のサービス。


♪2021-102/♪県民ホール-09

第17回身体にいい音楽会<室内楽演奏会>

 2021-09-25 @リリスホール


泉真由:フルート
宮村和宏:オーボエ
小林美樹:バイオリン
須田祥子:ビオラ
門脇大樹:チェロ


モーツァルト:フルート四重奏曲第1番ニ長調 K.285
J.C.バッハ:五重奏曲ハ長調 Op.11-1

医療講演:小林修三<モーツァルトの音楽と病>

ハイドン:ロンドン・トリオ第1番ハ長調 Hob IV-1
モーツァルト:オーボエ四重奏曲ヘ長調 K.370
ジュースマイヤー:五重奏曲ニ長調 SmWV 602


こんな名前の音楽会シリーズがあるとは知らなかった。

本郷台駅前のリリスホールも初めて。よく鳴るホールだった。

途中に医師の講演が。

これがなかなか良い話で<モーツァルトの音楽と病について>。


話を聴いてモーツァルトの音楽に対する聴き方が変わったように思う。


弦が3人+フルート+オーボエで、トリオから五重奏曲まで全5曲。


冒頭のモーツァルト:フルート四重奏曲第1番は大好きな曲。

後半のモーツァルト:オーボエ四重奏曲は昨日の新日フィル定期でのオーボエ・アンコールでその第2楽章だけ聴いたのを今日、全曲を聴く事ができるたとは良い偶然。


モーツァルトの弟子で「レクイエム」を完成させた事で有名なジュスマイヤーの五重奏曲は初めてだが、その音楽はモーツァルト風というよりハイドン風だった。


やっぱりモーツァルトには哀愁がある。


僅か35年の人生は病との闘いでもあったようだ。

僕のような非力の凡人は、ちょっと体調が悪いともう何にもする気が起こらないが、モーツァルトはそれと闘い、生命を削って美しい音楽を書き上げたと思うと、前述の2つの四重奏曲の第2楽章に心洗われる思いがした。 


彼の「哀愁」は病の中から生まれた厭世観を反映しているのだろうか。


因みに、医学講演の先生はこの会の主催者でもあると同時に、ある有名な音楽家の父君でもある。

初めて謦咳に接し、この父ありてこの娘ありか、と納得した。


♪2021-101/♪リリスホール-01

2021年9月24日金曜日

新日本フィル:#40ルビー<アフタヌーン コンサート・シリーズ>

2021-09-24 @すみだトリフォニーホール



大植英次:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

吉井瑞穂:オーボエ*

モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』序曲
D.チマローザ:オーボエ協奏曲ハ短調*
マルチェッロ:オーボエ協奏曲ニ短調*
メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 op.90 「イタリア」
-------------------
モーツァルト:オーボエ四重奏曲から第2楽章*
メンデルスゾーン:真夏の夜の夢からスケルツォ


2019年の100回目は7月15日(年間217回)。
コロナ塗(まみ)れの2020年は1年間でジャスト100回。
そして今年は今日が100回目のコンサート。

だからと言って格別のことでもないのだけど、たまに残念に思う時がある新日フィル定期だが、今日の出来には大いに満足した。

熱血漢大植英次の指揮だからという訳でもないだろうが、弦のアンサンブルがいつになく綺麗なので驚いた。
それは、2、3曲目のオーボエ協奏曲で一段と発揮された。

というのもチマローザではオーボエ+弦5部、マルチェッロではオーボエ+チェンバロ+弦5部というシンプルな編成で、吉井瑞穂のオーボエの音色と共にひときわ弦の美しさを堪能できた。

オーボエのアンコールではバイオリン+ビオラ+チェロも加わって四重奏を。これも一段と美しかった。

メインの「イタリア」にも久しぶりに魅了された。
管と弦の混ざり具合が絶妙なのだ。

前半には弦楽の、後半には管・弦・楽の味わいが楽しめた。
指揮ぶりに特別なことはなかったが、音楽の端々に大植氏の情熱が行き渡っていたようだ。

♪2021-100/♪すみだトリフォニーホール-05

2021年9月18日土曜日

名曲全集第169回 原田慶太楼が誘う、ヴォーン・ウィリアムズ

 2021-09-18 @ミューザ川崎シンフォニーホール


原田慶太楼:指揮
東京交響楽団
東響コーラス*

ソプラノ:小林沙羅*
バリトン:大西宇宙*

ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴスによる幻想曲
ヴォーン・ウィリアムズ(ジェイコブ編):イギリス民謡組曲
ヴォーン・ウィリアムズ:海の交響曲*

「海の交響曲」は大編成を必要とする為かなかなか生では聴けない。僕の記憶では05年に秋山・東響で聴いて以来だ。


今日の弦は16型。

独唱2人に合唱が約80人(一部交代で+40人)という大所帯だった。

不満は後で書くとしてまずは見事な演奏だった。

目下のところ今年最大のイベントだ。


前座の同じヴォーン・ウィリアムズの「グリーンスリーヴスによる幻想曲」と「イギリス民謡組曲」は大好きな曲だ。

特に後者は題名どおり郷愁を唆る英国民謡の旋律が心地よい。

明治時代に英国から輸入した「蛍の光」や「故郷の空」等の5音音階を中心とする旋律が日本人のDNAに染み込んでいるのかもしれない。


ただ、1-2曲目を続けて演奏したので2-1が1の終曲と勘違いした人が多く、あちこちで拍手が起こったが、「イギリス民謡組曲」も吹奏楽経験者を別とすれば一般には馴染みの少ない曲だからやむを得ない。


メインディッシュの「海の交響曲」の出来の良さには驚いた。

冒頭のオケと合唱の強奏で気持ちを持ってゆかれ、そのまま、最後まで緊張感が続いた。


この長大な歌詞を途中交代とはいえ、暗譜で歌い切った東響コーラスが最大の功績。独唱2人もよく響いた。

東響もノーミス(?)でお見事。

もちろん慶太楼氏のタクトも良かったので、この大曲を仕上げる過程で指揮者・オケ両者の信頼関係がますます深まったろう。同慶の至りだ。


不満は、相変わらずのマスク!

指揮・独唱・コンマス・管以外…つまり弦と打の全員がマスク。合唱もマスク。マスクだらけだ。さらに、その為か、合唱は生ではなく電気増幅を使った。これがもう残念無念。40人もいるのだから拡声する必要はなかったのではないか。マスクも必要性が分からない!


♪2021-099/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-31