2020年11月29日日曜日

オペラ「こうもり」

 2020-10-12 @新国立劇場


指揮:クリストファー・フランクリン
演出:ハインツ・ツェドニク
美術・衣裳:オラフ・ツォンベック
振付:マリア・ルイーズ・ヤスカ
照明:立田雄士

合唱⇒新国立劇場合唱団
バレエ⇒東京シティ・バレエ団
管弦楽⇒東京フィルハーモニー交響楽団

オペラ『こうもり』/ヨハン・シュトラウスⅡ世
Die Fledermaus / Johann STRAUSSⅡ
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
オペラパレス

予定上演時間:約3時間
 第Ⅰ幕50分
  休憩30分
 第Ⅱ、Ⅲ幕100分

前回観賞の「夏の夜の夢」(全員日本人キャスト)と打って変わって、本作の主要キャスト(指揮者含む)は例年どおり海外勢だが、こんなに大勢が来日できるのにオケの指揮者が躓いているのはどうして?


因みに日本人は2人(村上・大久保)は常連。1人(平井)も復帰組で慣れたもの。

オペラ自体はいつもながらに傑作。大いに笑える。

長く変わっていない舞台装置や衣装も綺麗だ。

今回の発見は、今更ながらだけど、序曲が実にうまく作られているという事。

序曲というのは大抵そうだけど、本編を観ながらああ、この曲もこの節も序曲に取り込んであるぞと、逆に気付く有様。


残念なことはコロナ過剰警戒演出だ。
1幕の有名で楽しい三重唱(「ひとりになって」or「あなたのいない8日間」とも)。

3人とも口では悲しい寂しいと言いながら心は今夜の楽しい夜会。
曲調が舞曲に転ずるとその本音が出てしまうところ。

演出は基本的に過去を踏襲しているが、少なくとも18年の舞台とは異なった。

18年版では、3人が寄り添って腰掛けていたので、ポルカ風の音楽が始まると上半身とは裏腹につい足がリズムに合わせて動いてしまう。ここが巧い。それが傑作(立って歌う演出が世界的にもフツーだけに18年版の座って歌う演出が光っていた。)。

今回は3人とも距離を保ち立っていたので<つい、足が…>の滑稽さが失われて、単に音楽に合わせているという感じになってしまった。

惜しい!

全員の陰性を確認しているそうだが、ならば、どうして「密」な演出を避ける必要があるのか。

ラストのハッピーエンドも主役2人が抱き合っても良かったが。
このあたり、隔靴掻痒!

https://youtu.be/vHk4J48_hug

♪2020-087/♪新国立劇場-04

2020年11月28日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第362回横浜定期演奏会

2020-11-28 @みなとみらいホール

川瀬賢太郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

竹澤恭子:バイオリン*

ベートーベン:序曲《レオノーレ》第3番 op.72b
ベートーベン:交響曲第8番 ヘ長調 op.93
ベートーベン:バイオリン協奏曲 ニ長調 op.61*
----ENC----------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンのための組曲第2番からサラバンド*


オール・ベートーベン・プログラム。
前半は「レオノーレ第3番」と「交響曲第8番」。

これがいずれも出来が悪く、全然集中できなかった。

各パートは決められた音を出しているのだろうが、呼吸が合っていない。
一斉強奏(Tutti)はそこそこ綺麗だが経過部がふにゃふにゃだ。

まるで明日のサントリーの為のGP(ゲネプロ=本番直前の最終リハーサル)みたいで悲しい。


後半のバイオリン協奏曲は竹澤恭子の入魂の演奏があまりに見事で、オケもようやく覚醒してエンジンがかかった。

独奏者は何といっても豊かな音量が求められるが、彼女の発する音は実に明瞭で迫力がある。
どんな場面でもオケに埋没しない。
音楽に対する集中力が半端ではない。

先月の日フィルは辻彩奈でバッハのバイオリン協奏曲等が素晴らしかったが、今日の竹澤恭子を聴くと、辻彩奈も優れた才能の持ち主だと思うが、まだまだ道は遠いぞとも思う。

竹澤恭子はこれまで室内楽しか聴いたことがなかったが、オケを従えた彼女は佇まいにオーラがある。

昨日の前橋カルテットに引き続き、今日も音楽に肉薄する渾身の演奏に出会えた幸せ!

♪2020-086/♪みなとみらいホール-22

2020年11月27日金曜日

橋汀子カルテット 〜フィリアホール ミュージックアカデミー・プログラム

 2020-11-27 @フィリアホール


前橋汀子(バイオリン)
久保田巧(バイオリン)
川本嘉子(ビオラ)
北本秀樹(チェロ

《オール・ベートーベン・プログラム》
弦楽四重奏曲第4番ハ短調 Op.18-4
弦楽四重奏曲第11番ヘ短調 Op.95「セリオーソ」
弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 Op.131
---------------
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番から第2楽章アンダンテ・カンタービレ

先月末にもSQを聴いているから久しぶりと言う程でも無かったけど、SQならではの緊張感に包まれたのはホンに久しぶりだった。

前橋汀子のカルテットは初めて。

正規メンバーのVcが来日できず、その為か?曲目も15番が14番に変わったが僕には関心の埒外。

室内楽はかぶりつきに限る、と言う訳で相当前列の席で聴いた。

今日の4番、11番は生で聴く機会もそこそこあり、CD等でも馴染んでいるが14番は多分初生。家でも演奏時間が長い(本日実演40分)せいもあって滅多に聴かないので楽しめるかなと不安もあったが、前2曲の好演で懸念は吹き飛んだ。

綿密に構成された四重奏曲に巧者が息を合わせて挑む時に生まれるスリリングな緊張に圧倒された。

特に14番は全7楽章休止なし。かなり自由に作られているが、緩みがない。奔放な楽想に振り回される心地良さ。

ベトの真髄の近くを掠めたような気がした。

今夜は全曲がセリオーソな至福の時。

♪2019-085/♪フィリアホール-01

2020年11月26日木曜日

パイプオルガンLucyバースデー・コンサート GRAND ORGAN GALA 2020

 2020-11-26 @みなとみらいホール

三浦はつみ・荻野由美子・近藤岳(オルガン)
林辰則(トランペット)
黒川青葉(ソプラノ)
平尾信幸(パーカッション)
篠崎史門(ティンパニ、パーカッション)
牧野美沙(パーカッション)
竹市学(能楽笛方)
梅若紀彰(仕舞)

第一部
サン=サーンス(近藤岳編曲):交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」Op.78から第2楽章第2部
近藤岳:オルガンのための《獅子》
ラヴェル:ボレロ

第二部
大友良英:2019年NHK大河ドラマ「いだてん」から
佐藤直紀:映画「ALWAYS三丁目の夕日」から
佐藤直紀:TVドラマ「GOOD LUCK!!」から
フレディ・マーキュリー、マイク・モラン:「バルセロナ」
ヘンデル:「アン女王の誕生日のための頌歌」から
ヴァンゲリス:映画「炎のランナー」から
菅野よう子:「花は咲く」
ジョン・ウイリアムズ:「オリンピック・ファンファーレとテーマ」


Lucy(みなとみらいホールのオルガンの愛称)の誕生日は夏で、このコンサートも6月の開始予定だったが、コロナで今日に延期されたので、今年末でホール・オルガニストを退任する三浦はつみ氏の退任記念演奏会のようにもなったが、むしろこれはこれで良かった。

オルガンにトランペット、打楽器、和楽器、声楽などあれこれ取り混ぜて多様な音楽を多彩な音色で楽しんだ。

でも、一番は、冒頭のサン=サーンス:交響曲第3番2楽章2部。
オルガン連弾だった。

連弾だと、オルガンの呼吸量?も多くなるせいか、凄まじい響に身体の震えを感じたよ。

ところで、三浦氏の退任あいさつを聞きながら、みなとみらいホールの年明けから22月に及ぶ改修康二の為の長期休館に思いを致し、淋しさが募ってきたよ。

例年なら年間50回は通っている我が「ホーム」だ。
このホールのない生活はいったいどんなことになるのだろう。

オケの定期演奏会は会場を(県民ホール、県立音楽堂、ミューザなどに)変更して継続されるが、みなとみらいホールは我が家から一番近くで、一番立派で、一番響きの良いホールだものな。

意気消沈…。

♪2020-084/♪みなとみらいホール-21

2020年11月23日月曜日

読売日本交響楽団第123回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

 2020-11-23 @みなとみらいホール


鈴木優人:指揮
読売日本交響楽団

村治佳織:ギター*

ベートーベン:序曲「レオノーレ」第3番
ロドリーゴ:ある貴紳のための幻想曲*
ベートーベン:交響曲第5番ハ短調「運命」
----ENC----------------
タレガ:アルハンブラの思い出*

ベートーベンの作品は2曲ともコンパクトな弦10型**だった。
こういう読響ってこれまでに聴いたことがあるかなあ?

2曲とも金管は17本。

読響の金管部は良く鳴るし、みなとみらいホールはよく響くし、どうも弦楽部が押され気味な感じ…
…というか、弦楽アンサンブルの良さを味わうに至らなかった。

鈴木優人の叔父さん・鈴木秀美の「運命」を聴いた事があるが「疾走型」でとても面白かった。

甥っ子の「運命」も出だしはかなり早いテンポ。

このまま疾走するかと思いきや、以降は正統的で外連味のない聴き慣れたもので、これはこれで楽しめた。

**正確には12型の基本形から第1バイオリンを1組(2人)減らし、第2バイオリンが舞台下手に並ぶ第1バイオリンに対抗する形で上手に配置される陣形

♪2020-083/♪みなとみらいホール-20

2020年11月21日土曜日

モーツァルト・マチネ第43回「壮年期 X 挑戦」

 2020-11-21 @ミューザ川崎シンフォニーホール

沼尻竜典:指揮
東京交響楽団

佐藤友紀(東京交響楽団首席トランペット奏者)*

モーツァルト:交響曲第32番ト長調 K318
ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調 Hob.VIIe:1
モーツァルト:交響曲第38番ニ長調 「プラハ」K. 504


東京交響楽団音楽監督のジョナサン・ノットが指揮をする回だったが沼尻竜典に代わり、演目もリゲティの小品がモーツァルトの32番交響曲に差し替えられた。

ハイドンを挟んで最後はモーツァルト38番交響曲「プラハ」。

全曲、軽快で親しみやすく、やはり、モーツァルト・マチネはこうでなくちゃ。

沼尻氏は前にもモツ・マチや名曲全集で登場しているので急な代理といっても十分気持ちは通じ合うだろう。

ハイドンのトランぺット協奏曲には懐かしさを感じた。

今やまずCDを回すこともないのになぜかメロディーはしっかり頭に入っている。

東響首席の佐藤氏が明るい音色と美技で好演。

メインの「プラハ」。

この曲も15日に都響で聴いたばかり。

その日の都響の出来は良かったができたら弦10型で聴きたいと思ったところ今日の東響はまさしく10型で、コンパクトでシャキシャキして、ミューザの響きの良さも相俟って音楽が一層分かり易く心地よい。

古典派絶対音楽の妙也。

音楽はとても良かったが、残念な事に指揮者とコンマス(管楽器はいうまでもなく)以外は全員マスクをして演奏した。

ここ数日の感染急拡大を受けてかもしれないが、いくらなんでも本番中は不要でしょ!

不安がないように、東響はしっかり団員の健康管理(定期的検査含む)を行うべきだ。

♪2020-0821/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-14

2020年11月20日金曜日

NHK交響楽団 11月公演

 2020-11-20 @東京芸術劇場大ホール


原田慶太楼:指揮
NHK交響楽団

神尾真由子:バイオリン*

コリリャーノ:航海 (弦楽合奏)
バーバー:バイオリン協奏曲 作品14*
ドボルザーク: 交響曲第9番ホ短調 作品95「新世界から」
-----Enc---------------
エルンスト:「魔王」による大奇想曲 Op.26*

コリリャーノ:弦楽版「航海」は初聴き。
前回のNHKホールで聴いたJ.S.バッハのオルガン曲の弦楽合奏に比べるとずいぶん綺麗な音だ。

楽しみは神尾真由子。
バーバーのバイオリン協奏曲だったが、如何せん本日はあまり良席とは言えず、独奏バイオリンがオケに埋没する部分もあった。

しかし、アンコールで弾いたエルンスト:「魔王」では流石の腕前を感じた。

さて、メインは…。
今月13日新日フィル、15日都響に続いて3回目の「新世界」で、もうすっかり「日常世界」だよ。

都響も良かったが流石にN響。迫力の中にも透明感がある。

原田慶太楼の音作りも細部にこだわって独自の音楽になっていた。N響も受けてたって注文に応えるところがプロフェッショナルだ。

1-2楽章間はほんの一呼吸で、3-4楽章間はアタッカで続けたのは新しく気持ちが良かった。

この人がN響に新しい風を吹き込むかもしれない。

ただし、終楽章のテンポの変化は如何なものか。

オケはいい音を出しているのに指揮者の構成感に僕の感覚が付いてゆけない。隔靴掻痒の感で聴いていたよ。

♪2020-081/♪東京芸術劇場大ホール-02