2019年8月1日木曜日

国立文楽劇場開場35周年記念夏休み文楽特別公演 通し狂言「仮名手本忠臣蔵」第Ⅰ部

2019-08-01 @国立文楽劇場


通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)五段目から七段目まで 
4時間18分(正味3時間33分)

 五段目 山崎街道出合いの段
                      小住大夫・勝平 
     二つ玉の段
       靖太夫・錦糸・燕二郎
 六段目 身売りの段
       咲太夫・燕三
            早野勘平腹切の段
       呂勢太夫・清治
 七段目 祇園一力茶屋の段

       由良助⇒呂太夫
       力弥⇒咲寿太夫
                     十太郎⇒津国太夫
       喜多八⇒文字栄大夫
       弥五郎⇒芳穂太夫
       仲居⇒亘太夫
       おかる⇒津駒太夫
       仲居⇒碩太夫
       一力亭主⇒南都太夫
       伴内⇒希太夫
       九太夫⇒三輪太夫
       平右衛門⇒藤太夫
     前 宗助
     後 清友

人形役割
       
       早野勘平⇒和生
       千崎弥五郎⇒玉勢
       百姓与市兵衛⇒亀次
       斧定九郎⇒玉輝
       女房おかる⇒一輔
       与市兵衛女房⇒簑二郎
       一文字屋才兵衛⇒簑太郎
       原郷右衛門⇒玉也
       斧九大夫⇒勘壽
       鷺坂伴内⇒文司
       矢間十太郎⇒紋吉
       大星由良之助⇒勘十郎
       寺岡平右衛門⇒玉助
       大星力弥⇒玉翔
       遊女おかる⇒簑助

4月公演に続いて第2弾。今回は、五段目から七段目まで。

大序(一段目)から四段目までは、侍たちの四角四面の意地の張り合いのような物語だが、五段目〜六段目は、農家や商家の人々の人情話で、これがなかなか面白い。

五、六段目の主役は早野勘平(萱野三平重実がモデルと言われている。)だ。
彼氏、善良で忠義の男なのだが、ちょいとうっかりミスが多い。ほんのささいな失敗から不運が不運を呼んで、岳父を亡くし、恋女房は遊女に身売りし、挙句、自分は早まって腹を切ることになる。

ここは人間国宝に内定している咲太夫の名調子だったが、なんだか、一段とありがたく聴こえた。

おかるがその身を売られた後に、勘平が切腹をしたので、おかるはその事情を知らずに遊女として祇園「一力」で働いている。

七段目は、全段の中で、一番面白いかもしれない。
「一力」で放蕩を尽くす由良助の元に敵も味方も彼の本心を探りにくる。容易なことで内心を明かさない駆け引きがまずは面白い。

判官(内匠頭)の妻・顔世御前から由良助宛の密書を、ひょんなことからおかるは盗み見してしまう。それを知った由良助はおかるを身請けしてやるという。喜ぶおかるだが、おかるの兄・足軽の平右衛門は、それを聞いて由良助の仇討ちの決意を読み取り、おかるは密書を見た為に殺されるのだと説く。
驚くおかるに、亭主の勘平は切腹し、父親は殺されたことを伝え、「その命、兄にくれ!その命と引き換えに仇討ちの仲間に入れてもらえるよう嘆願する」と切りかかる。もはや、生きる希望を失ったおかるは兄の望みが叶うならと命を差し出すその刹那、陰で聞いていた由良助が平右衛門の覚悟のほどを知り、刀を納めさせ、平右衛門の仇討ち参加を許す。

と、ざっと書いたが、実際はこの段だけで1時間半もある。
いろんなエピソードがあって見どころ、聴きどころ満載。よくぞ、こんな面白い話を作ったものだと思う。

次回公演は11月だ。これで全段完了。また、行かねばなるまい。


♪2019-113/♪国立文楽劇場-2

2019年7月31日水曜日

フェスタサマーミューザ2019 読売日本交響楽団 ≪堪能!ホールが鳴り響く壮大な交響曲≫

2019-07-31 @ミューザ川崎シンフォニーホール


井上道義:指揮
読売日本交響楽団

ブルックナー:交響曲第8番(ノヴァーク版 第2稿 1890年版)

JRのダイヤの乱れの影響で途中から京急に乗り換えたが、川崎駅に着いたのが開演時刻だった。普通のプログラムなら1曲めは見送って2曲めから入場すればいいが、今日のプログラムはブルックナーの交響曲8番、1本建てだ。途中入場はできないしやりたくもない。
さて、ミューザまで行っても無駄足に終わる可能性が高い。それでも、ま、ともかく行ってみなきゃ話にならない…と半ば諦めてミューザまで早足で6分くらい?モギリのおねえさんに「間も無く開演です。定刻10分遅れでの開演です。」と言われて、ラッキーとばかり席に急いだ。

開演時刻延長に救われて着席するや否や団員入場。
なんと、コンマスが我が百済観音・日下紗矢子。
ヒエーッありがたや。
チェロの首席も遠藤女史…と華が揃って意気揚々の井上師が捌いた読響の繰り出す管弦アンサンブルの見事さに驚く。フェスタサマーミューザはあと6オケ残っているがもう十分かも、と思うような上出来だった。

ブルックナーって無駄に長い、意味なく派手(これらは確信!)なのであまり好きじゃないが、今日の演奏には蒙を啓かれた思いだ。楽器数は多いけど、種類はシンプルに徹している。管弦以外はティムパニーのほか、出番の少ないシンバ、トライアングルとハープ2台のみ。大編成の割にはおもちゃのような打楽器や多彩な鍵盤楽器などが全くない。これが一つは密度の高いアンサンブルを生むのかも。

特に3楽章、終楽章は思わず身を乗り出すような吸引力があった。全篇とは言わないが、弦の強奏の美しさ、管と弦の交わる時の豊かで甘い響きを久しぶりに味わった。

終演後の得意満面の井上師の達成感丸出しのパフォーマンスも感動を共有できて良かったよ。
が、百済観音に長時間のハグは余計だろう😡。


♪2019-112/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-09

2019年7月30日火曜日

フェスタサマーミューザ2019 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 ≪名ギタリストも参戦のスペイン・プロ≫

2019-07-30 @ミューザ川崎シンフォニーホール


川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

渡辺香津美:ギター*

ボッケリーニ(ベリオ編曲):マドリードの夜警隊の行進
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲*
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第1組曲、第2組曲
-アンコール--------------------
ビゼー:「カルメン」からトレアドール

一昨日の新日フィルがロシアもの、昨日の都響がイタリアもの、に続いて今日の神奈川フィルはスペイン尽くし。

ギーターの「アランフェス協奏曲」ではジャズギターの大御所・渡辺香津美のソロ。ギターはフル・アコースティック・ギターで臨むと書いてあったが、実際に使われたのは、フル・アコースティックタイプのエレキギターで、足元にアンプとスピーカーを置いていた。ジャズの世界では電気拡声するものでもアコースティックというらしいが、世間の常識とは違うようだ。
電気増幅しているので、音は大きくて、オーケストラにかき消されることはなかったが、なにしろピックを使う奏法なので、いくら名人でも5本指にはかなわないか、拍の間の細かいフレーズが潰れた感じでだった。やはり、クラシックギターで聴きたいね。

オーケストラとしての白眉は当然「三角帽子」で、これはメリハリつけた熱演だった。弦14型でも十分迫力があり、かつ纏まりが良かった。
また、このフェスタサマーミューザにはどのオケも主力コンマスを出しているが神奈川フィルは石田・﨑谷2人を投入。この2人がトップに並んで競うように、時に腰を浮かせてバリバリ弾きまくる姿にも一種の感動があり。
N響名物コンサートマスターのマロ氏の息子氏(今春入団)も気合の入ったティンパニーで盛り上げた。

昨日の都響よりも良い出来だったなあ。

♪2019-111/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-08

2019年7月29日月曜日

フェスタサマーミューザ2019 東京都交響楽団 ≪名匠のガイドで聴くイタリアン・プログラム≫

2019-07-29 @ミューザ川崎シンフォニーホール


アラン・ギルバート:指揮
東京都交響楽団

ヴォルフ:イタリア風セレナーデ(管弦楽版)
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲
レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」
レスピーギ:交響詩「ローマの松」

ヴォルフ作品は初聴きだった。が、もうさっぱり記憶に残っていない。

中締めのレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」を楽しみにしていたが、弦楽合奏に透明感と厚みが感じられない。なんか違うなあ…と隔靴掻痒の感。

後半は、レスピーギの「ローマ三部作」から「噴水」と「松」。
「松」は欠かせないとして、せっかくの夏祭りなのだから「噴水」をやめて「祭」にすれば良かったのに。

結局、メインの「ローマの松」が弦16型(弦だけで60人)大編成にオルガンも付き、客席上層階の左右に2組配した金管群(バンダ)の効果もあり、花火を打ち上げたように賑やかに終わった。

♪2019-110/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-07

2019年7月28日日曜日

フェスタサマーミューザ2019 新日本フィルハーモニー交響楽団 ≪ロシア音楽の2大巨頭を味わい尽くす≫

2019-07-28 @ミューザ川崎シンフォニーホール


上岡敏之:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
小川典子:ピアノ*

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲から
 モンタギュー家とキャピュレット家 (第2組曲)
 少女ジュリエット (第2組曲)
 ジュリエット (第3組曲)
 ロメオとジュリエット (第1組曲)
 僧ローレンス (第2組曲)
 タイボルトの死 (第1組曲)
 別れの前のロメオとジュリエット (第2組曲)
 ジュリエットの墓の前のロメオ (第2組曲)
 ジュリエットの死 (第3組曲)

----アンコール---------------
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」作品39の1*

フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2019。その初日は他のコンサートに回って休んだが、今日から8月12日までに全10オーケストラを同じ席で聴けるのが楽しみだ。

今日の驚きは、いつになくホールの響きが良い事。
もとより、ミューザは聴く側にとってのスウィート・エリアが広く、ほとんど響きに不満を感じたことはないが、今日は格別だった。特にピアノが久々に良く鳴った。高域の抜けが良い。低域も濁らない。残響が過不足なく正に適度なのだ。故に小川典子のマイクなしのアンコール曲紹介が<明瞭>に聴き取れた。

残響が効き過ぎると声はくぐもる。声は届いても反射音も一緒に連れてくるものだから聴きとりにくくなるのだ。

同じホールで同じピアノを同じような席で聴いていてもなかなか今日のような明るい響きは経験できない。
外気の温湿度やエアコンの具合、客の入りなどで床や壁の木材の仕事ぶりが違うのだろう。ホンに木は生きているよ。

オーケストラの方も、実力が発揮できたのか、ホールに助けられたか、ともかく好調だった。
念入りな弱音も力技の強音も確かな表現になった。
それは「ロメオとジュリエット」の後半で愈々はっきりしてきた。時にゾクゾクさせるアンサンブルを聴きながら、上岡師がなぜこの曲を選んだのか、が分かったような気がした。

「ジュリエットの死」で全曲が終わった時に、上岡師は指揮台で死んだように手摺に凭れかかっている。幸い拍手は起こらない。演奏事故みたいに長く死んだふりしている。そろそろ心配になりかけた頃にムクッと生き返って大拍手。これも上岡師らしい。

♪2019-109/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-06

2019年7月27日土曜日

華麗なるコンチェルトシリーズ 《雄大なる北欧3大協奏曲》

2019-07-27 @みなとみらいホール


石﨑真弥奈:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

上野由恵:フルート
田村響:ピアノ
堀米ゆず子:バイオリン

ニールセン:フルート協奏曲 FS119
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 作品16
シベリウス:バイオリン協奏曲ニ短調 作品47
---アンコール------------
上野由恵⇒アンデルセン:24のエチュードから第3番
田村響⇒ショパン:華麗なる大円舞曲
堀米ゆず子⇒J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第3番から「ガヴォット」

北欧の作曲家の協奏曲3本建て。
<松竹梅>を逆転させたような品揃えと言っちゃ失礼だけど、やはり最後の堀米ゆず子:シベリウス「バイオリン協奏曲」が一番良かったな。

田村響:グリーグ「ピアノ協奏曲」はオケとの一体感に欠けたように思う。それに拍と拍の間の細かな音がはっきり聴こえてこないのはどうして?アンコールのショパンを聴けば超速のフレーズだって、難なく弾きこなしていたのに。

上野由恵:ニールセンのフルート協奏曲は個人的に馴染みのない曲(記録にある限りナマでは2回目。CDも持っていない。)で楽しめるまでに至らず。3人の演奏の中では一番瑕疵がなかった。完璧な演奏だったと思う。その腕前でモーツァルトを聴きたかったよ。

それにしても、堀米女史のバイオリンが良く鳴ること。
靄の中から聴こえてくる1本の弱音は正に一条の光が射すように明瞭でその後に続く劇的な展開を期待させた。録音なら録り直したいところもあったろうが、スリルある展開と豊かな響きでシベリウスの醍醐味を味わった。

オケも最初は響きがイマイチだったが、だんだん良く鳴るようになった。
指揮は石﨑真弥奈女史。初めてだ。第16回東京国際音楽コンクール(2012年)の指揮部門で1〜3位なしの入選者の一人で、既に多方面で活躍している田中祐子もその一人。また顔つきが良く似ているよ。これから活躍の機会が増えるといいけど。

♪2019-108/♪みなとみらいホール-33

2019年7月24日水曜日

東京都交響楽団 第882回 定期演奏会Cシリーズ

2019-07-24 @東京芸術劇場大ホール


アラン・ギルバート:指揮
東京都交響楽団

モーツァルト:交響曲第38番ニ長調 K.504《プラハ》
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 WAB104《ロマンティック》
(ノヴァーク:1878/80年版)

9月のA定期がB定期と同一プロだったのでA定期をC定期に振り替えたが、今度は明日のB定期と同じになった。ま、いいや。てなことで、ロマンティックを明日もサントリーで聴くことになっている。都響は振替でも席が選べるのが素晴らしい。今日の席は普段聴かない2階席前方中央。

芸術劇場は響きがイマイチでできたら避けたいところだが、前回の読響に続いて今日の都響もちょっとマシになってきたのはどうして?

都響の本来の我が定席はABとも1F真ん中だが、今日のようにちょっと距離を置いて聴くと粗が目立たないようだ。
それにプラハは弦12型(弦の総勢40人)という小規模だったので各パートの見通しが良く纏まりよく聴けた。

ブルックナーは当然のように弦16型だ。
それだけにざわざわするところもあって上出来とは思えなかったが、終楽章の最初の方で60本の弦が低域で一斉にぐいっと脂を飛ばすような音を奏でるところ、これはちょっと聴きものだった。
サントリーホールではどんな音を聴かせるだろう?

♪2019-107/♪東京芸術劇場大ホール-4