2022年7月1日金曜日

東京都交響楽団 第954回 定期演奏会Bシリーズ

2022-07-01 @サントリーホール



クラウス・マケラ:指揮
東京都交響楽団

マーラー:交響曲第6番イ短調《悲劇的》


ホールに入るなり今日は良く鳴りそうな気がしたのは、乾燥のせいだろう。普段聴きづらいトライアングルが良く聴こえること。

そのせいもあってか、終始鳴り続ける管弦打全部がけたたましい。

その結果、残念ながら弦・木管の高域の耳障りな音もよく目立った。

細かいフレーズで、管-管、管-弦が拍・音量の揃わない部分もあり。リハ不足ではないか。

そもそもマーラーは好きじゃないけど、隅々まで神経の行き届いた演奏であれば、「管弦楽」としての面白さを味わえるのだけど、今日は、いかにも力技だけが耳に残った。

♪2022-094/♪サントリーホール-10

2022年6月26日日曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第378回定期演奏会

2022-06-26 @県民ホール



三ツ橋敬子:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
マルク・ブシュコフ:バイオリン*

ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(原典版)
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲ニ長調Op.35*
ボロディン:交響曲第2番ロ短調
------------------
イザイ:無伴奏バイオリンソナタ第5番から*


要約すれば、非常に面白く充実した演奏会だった。
先ず「はげ山の一夜」に吃驚。
え!これはなんだ。僕は何を聴いているのだ?
…と事態がなかなか飲み込めなかったが、プログラムに小さく《原典版》と書いてあって得心した。
馴染みのR.コルサコフ版とは全然違う!

その謎解きに心奪われて音楽に集中できなかったが、オケの尽力にもかかわらず、バラバラ感が付き纏ったのは、やはりオーケストレーションに問題があるのではないか。R.コルサコフも手を入れざるを得なかったのだろう。

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲一段と素晴らしかった。独奏バイオリンのマルク・ブシュコフは初聴きだが、独自色をチラチラ見せながら雄弁だった。音色も美しく音圧も高い。
2013年モントリオール優勝、19年チャイフスキー・コンクール2位(同年、金川真弓4位。ピアノ部門で藤田真央2位)という実績を感じさせた。

これは要注目の期待株だ。

鳴り止まぬ絶賛拍手で長いカーテンコールだったが、1楽章の後かなり確信的な拍手が方々から起こったのも宜なるかな。

メインディッシュがボロディン交響曲第2番。だいたい2年に1回の割で聴いているが、神奈川フィルでは初めて。

なので、馴染みはそこそこあったけど、聴く度に驚かされる。
ワインガルトナーはこの曲をチャイコフシキー「悲愴」と並んでロシア人の国民性が如実に反映された作品、と言ったそうだが、西欧化と民族性の両極端において説得力がある。
厚みのある弦が、今日は特段美しく響いた。3楽章ホルンソロも良し!

♪2022-093/♪県民ホール-08

2022年6月22日水曜日

第1961回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2022-06-22 @サントリーホール



鈴木優人:指揮
NHK交響楽団
郷古廉:バイオリン*

J.S.バッハ(鈴木優人編):パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
ブリテン:バイオリン協奏曲 作品15*
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K. 551「ジュピター」
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イザイ:無伴奏バイオリン・ソナタ第4番ホ短調 作品27-4 から第2楽章「サラバンド」*



「5日前のC定期ですばらしいアンサンブルを聴かせた同じメンバーとは到底思えなかった」〜と前回N響B定期の感想に書いたが、同文引用。

なぜか?分からないけど、サントリーホールの響きがイマイチ良くないことが原因の一つだろう。

そして、第1曲の出だしが美しくなかった。
それでその日の印象が決まってしまうのかも。

鈴木優人が編曲した「パッサカリアとフーガ ハ短調」がざわざわしている。
オルガン曲を管弦楽に直したが成功しているとは思えない。いっそ鈴木がオルガン独奏すれば良かったのに。

ブリテンの「バイオリン協奏曲」はなんと9年前に聴いたきり。どんな音楽だったかもすっかり忘れていた。

管-弦の使い方が打楽器的で美しく盛り上がる…ことはない。
独奏の郷古廉は高等技術を駆使して豊かな音圧でリードしたが…。

最後は「ジュピター」。ここに来てようやくN響らしい弦が響いた。
そもそも、編成も弦主体なので音のまとまりがいい。
プログラムには演奏時間31分と書いてあったが、実演もそんなものだったと思う。小気味良いテンポで、楽章間休止も極めて短く、好感した。

3曲とも弦10型(バイオリン1-2同数対抗配置。)で通したのは珍しい。なのにコントラバスはチェロと同じく6本というのも珍しい。

♪2022-092/♪サントリーホール-09

音楽堂アフタヌーンコンサート2022前期 「実力派カルテットへの誘い」 ウェールズ弦楽四重奏団

2022-06-22 @県立音楽堂


ウェールズ弦楽四重奏団
 﨑谷直人:Vn1
 三原久遠:Vn2
 横溝耕一:Va
 富岡廉太郎:Vc

モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番 K.421
リゲティ:弦楽四重奏曲第1番「夜の変容」
ベートーベン:弦楽四重奏曲第10番「ハープ」op.74
----アンコール----
ベートーベン:弦楽四重奏曲第5番 op.18-5 から第2楽章




神奈川フィルのコンマスでもある﨑谷を始め、各人個別の活動に接しているが、四重奏団としては初聴き。

リゲティ以外のモーツァルト・ベートーベン作品は有名で馴染みの、聴くのが楽しみなものばかり。

が、偉く慎重な演奏で、とてもアンサンブルの調和に神経を注いでいるのが分かる。

その分、即興性というか、ドライブ感が味わえなくて、きれいだけどつまらない。

多分、四重奏団としての更なる高みを目指している過程なのだろう。
求道者のようなアプローチに、凡人はついていけなかった。

♪2022-091/♪神奈川県立音楽堂-06

2022年6月21日火曜日

横浜18区コンサート 第Ⅱ期 毛利文香(バイオリン)&田原綾子(ビオラ)×ハマのJACK(弦楽五重奏)

2022-06-21 @かなっくホール



ハマの JACKメンバー(弦楽五重奏)
 バイオリン:三又治彦、倉冨亮太
 ビオラ:村松龍
 チェロ:海野幹雄
 コントラバス:松井理史

毛利文香:バイオリン*
田原綾子:ビオラ*

モーツァルト:「 魔笛」から“序曲“
モーツァルト:「 フィガロの結婚」からカヴァティーナ”失くしてしまって…あたし困ったわ !“
モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」から“皆が酔いつぶれるまで“
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
モーツァルト:きらきら星変奏曲
(以上弦楽五重奏)
モーツァルト:バイオリンとビオラのための協奏交響曲変ホ長調 K.364(弦楽五重奏伴奏版)*
----------------
モーツァルト:トルコ行進曲(弦楽七重奏伴奏版)*


今日は、全曲モーツァルト・プログラム。
そして今季18区コンサートで唯一、2人ソリストが登場した。バイオリンとビオラとなれば、もうモーツァルトの協奏交響曲しかないのではないか?

毛利も田原も横浜出身でかなっくHにも縁があったそうだ。
多分、同級生かな?高校時代から付き合いがあったというだけにホンに息が合って、とても楽しそうに協奏するので、聴いていても心持ちが良い。

このシリーズは弦楽五重奏をバックの協奏曲がメインだが、どの回も、音楽の骨格が良く分かりあれこれ発見があって興味深い。

アンコールの七重奏版トルコ行進曲はバイオリンの三又氏(N響)によるコリに凝った編曲が傑作。
また前半の弦楽五重奏曲集も、そもそもが編曲モノで協奏交響曲以外はすべてハマのJACKが自ら編曲しているので、遊心に溢れた編曲・演出がとても愉快だった。

♪2022-090/♪かなっくホール-06

2022年6月17日金曜日

第1960回 NHK交響楽団 定期公演 池袋C-1

2022-06-17 @東京芸術劇場大ホール



ステファヌ・ドゥネーヴ:指揮
NHK交響楽団
リヴィエ・ラトリー:オルガン*

プーランク:バレエ組曲「牝鹿」
プーランク:オルガン協奏曲 ト短調
ガーシュウィン:パリのアメリカ人
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ボエルマン:ゴシック組曲 作品25から第4曲「トッカータ」*



指揮のステファヌ・ドゥネーヴは2015年のN響との初共演も6月定期だった。その時は全フランス作曲家(によるスペイン音楽?)プロだった。音楽のせいもあったかもだが、好印象を覚えている。

今回はプーランク2曲にガーシュイン(🇺🇸)。
前者の2曲はほぼ初聴き。

ガーシュインが最後を飾ったが、プーランクのオルガン協奏曲こそメインのような迫力と面白さがあった。

今日は第1曲から素晴らしい出来だった。

この日のマチネで新日フィルの上出来を聴いた後だったが、なんのなんの、さすがはN響の弦だ。格違いの透明感。
これで気持ちを掴まれて、次のオルガン協奏曲はなんて格好いい音楽だこと。

芸術劇場のオルガンはどういう仕掛けか知らないが、普段はクラシックな姿だが、今日はモダンな方の顔を見せていた。そのせいでもないだろうが、音が実に鮮烈だ。
芸劇の響はそもそも硬めだが、オルガンもそれに合わせたかのような鋭く明瞭な音色だ。
ずっと前にもこのモダンな方を聴いたことがあって、その時もホールの響きが良かったのは…偶然だろうな。

でも、どちらの化粧であれ、オルガンが姿を見せない時は、天井からの反響版がオルガンを覆い隠すので、オルガンを使う時と使わない時ではホールの響きが確実に異なる。
素人の想像に過ぎないが、オルガンを覆う反響版はかえって、音を舞台上に籠らせているのではないか?

ところで、この作品。
弦5部にティンパニーとオルガンだけ。管楽器は1本も使われていない。最近、立て続けにこの管なし音楽を聴いている。5/22東響、5/30-31都響、そして今日のN響オルガン協奏曲。

この、弦5部とオルガンという親和性の高い楽器群が作り出す響はまるで異次元の強化拡大弦楽合奏を聴いているようで、今宵はその饗宴に酔った。

さて、今日で今季のN響Cが終了した。
最初は、芸劇の悪口ばかり書いていたが、馴れるとこういう乾いた音もまあいいか、という気になってきた。
そうなってくると、絶好・最良席との別れがツラい。


♪2022-089/♪東京芸術劇場大ホール-04

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#8

 2022-06-17 @すみだトリフォニーホール



キンボー・イシイ:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

周防亮介:バイオリン*

ベートーベン:バイオリン協奏曲ニ長調 op. 61*
吉松隆:鳥は静かに… op.72
吉松隆:交響曲第6番「鳥と天使たち」 op. 113
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J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第2番から「サラバンド」*


新日フィルは、3日前にデュトワの指揮で見事な演奏を聴いたので、今回はそこそこであれば良し、と構えていたが、これがどうして。デュトワの余後効か弦の響きがとても感じ良くて3曲とも楽しめた。


独奏バイオリンの周防(すほう)亮介は2度目だったが、今回も、少し、表現に独自性を感じた。聴きなれない節回しというか、呼吸点の違いなのかな。だからと言って、嫌味な訳でもないけど。

何より好ましいのは、音が実に明瞭で大きい。オケに埋もれるような場面はなく、はっきりと独奏Vnの動きを感じた。


吉松隆の2曲はいずれも初聴きだが、分かり易いのがいい。「現代音楽撲滅運動」を主唱し調性音楽を貫いているというのは本当かどうか知らないが、調性の中で現代にも通ずる大きな仕事を期待したいね。まあ、既に多くの大先達がやり尽くしている分野でもあるので、気を衒わずに、調性音楽を作るのがむしろ難しいのだろう。

しかし、たとえば、音を出さない音楽なんぞそれこそ《撲滅》したいところだ。

♪2022-088/♪すみだトリフォニーホール-06