2017年9月23日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第330回横浜定期演奏会

2017-09-23 @みなとみらいホール


小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
木嶋真優:バイオリン*

メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲*
​ドボルザーク:スラヴ舞曲第1番、第10番
スメタナ:交響詩《モルダウ》
チャイコフスキー:荘厳序曲《1812年》
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アンコール
ドボルザーク:ユーモレスク(管弦楽版)

木嶋真優(きしま・まゆ)って初めて。かなり若そうに見えたが…。相当有望な若手らしく、Wikipediaによれば、『ドイツの有力紙 Frankfurter Allgemeine Zeitungは、「カラヤンがアンネ=ゾフィー・ムターを、マゼールがヒラリー・ハーンを世界的に注目させたように、ロストロポービッチは木嶋真優を世に出した」と評した。』とある。

彼女がソロを弾いたメンコンは、びっくりするほどの出来栄えではなかったと思うが、さりとてどこが不満ということもなく、気持ち良く聴いた。

休憩後の3曲はいずれも耳に馴染んだ、それも小規模な作品ばかりで、お気楽な名曲コンサートの感じ。
コバケンのお遊びが入るかと思えばそうでもなくて、正統的な演奏だった…と記憶している。

中では「1812年」がまさに荘厳で景気が良い。
一方、「モルダウ」はいつ聴いてもなかなか心に染みる。

♪2017-155/♪みなとみらいホール-35

2017年9月20日水曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~伊藤亜美、佐野隆哉リサイタル

2017-09-20 @みなとみらいホール


伊藤亜美:バイオリン
佐野隆哉:ピアノ

サン=サーンス:ハバネラ Op83
ドビュッシー:12のエチュードから第7番~第12番
マスネ:タイスの瞑想曲
ラヴェル:ツィガーヌ<演奏会用狂詩曲>
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アンコール
ポンセ:エストレリータ

その日の内にメモしておけばよかったけど、随分時間が経過してしまったので、ほとんど思い出せない。ドビュッシーの作品だけがピアノの独奏でほかはデュエットだった。そのドビュッシーが初聴きだけど、シニカルな遊び心を感じたことは覚えている。

ろくな感想も書けないので、2人の略歴でも記しておこう。後々の参考になるだろう。

伊藤亜美:3歳でバイオリンを始める。6歳から2年間スイスに在住。帰国後、東京芸術大学附属高校、同大学にて学ぶ。安宅賞、同声会賞、アカンサス賞を受賞し卒業。ローザンヌ高等音楽院、イギリス王立北音楽院、グラーツ芸術大学にも留学。第78回日本音楽コンクール優勝、聴衆賞受賞。第2回マンチェスター国際ヴァイオリンコンクール優勝、委嘱作品最優秀演奏賞受賞。第12回カール・フレッシュ国際ヴァイオリンコンクール第2位。2016年5月CD「A」をリリース、レコード芸術誌特選盤に選ばれる。2016年よりアーティスト名を尾池亜美から伊藤亜美に変更。

佐野隆哉:1980年東京生まれ。都立芸術高校、東京芸術大学を経て、同大学院修士課程を修了。2005年に渡仏後、パリのスコラ・カントルム高等課程を最優秀で修了。その後、日本人男性として初めてパリ国立高等音楽院「第三課程研究科」(博士課程)からの入学を許可され、2008年に修了。在学中から、日本音楽コンクール第2位入賞(03年)を始め、世界各地の「国際ピアノコンクール」で多数入賞。ホセ・ロカ国際2位(スペイン・08年)。ロン=ティボー国際5位及び聴衆賞、特別賞(仏・09年)。ショパン国際ディプロマ(ポーランド・10年)等を受賞。
「室内楽」の分野においても、パリ国立高等音楽院室内楽科を審査員満場一致の最優秀で卒業。日本モーツァルト音楽コンクール声楽部門[共演者賞](03年)、国際サキソフォーンコンクール名誉ディプロマ(ポーランド・09年)を受賞するなど、国内外の幅広いジャンルのアーティストから厚い信頼を得ており、ソロ活動に留まらず多方面で活躍している。2010年冬に帰国。現在、演奏活動の傍ら、国立音楽大学、都立総合芸術高校にて後進の指導に当たっている。平成16年度青梅市芸術文化奨励賞受賞。第3回グラチア音楽賞受賞。2013年ファーストCD「DANZA」(LPDCD-010)をリリース。CD「クロイツァーの記憶(Memory of Kreutzer,NAT15431~2)」に参加、2016年7月リリース。

以上は、みなとみらいホールのHPから抄録転載。

♪2017-154/♪みなとみらいホール-34

2017年9月18日月曜日

読響第98回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2017-09-18 @みなとみらいホール


コルネリウス・マイスター:指揮
読売日本交響楽団

ダニール・トリフォノフ:ピアノ*

スッぺ:喜歌劇「詩人と農夫」序曲
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 作品16*
ベートーベン:交響曲第6番ヘ長調 作品68「田園」
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アンコール
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガからホ短調*

名前のよく似たダニエル・ハリトーノフという若手ピアニストのリサイタルを11月に聴くことになっている。名前が似ているだけではなく、両者ともチャイコフスキーコンクール入賞歴(トリフォノフは優勝、ハリトーノフは3位)があるので、同一人物かと思っていたが、今日のトリフォノフはチラシやプログラムに出ている写真では髭を生やしていないが、本番ではヒゲモジャだったので、あれ?と思って、よく読むと別人だった(下欄注)。

ま、それはともかく、本日の一番の楽しみは前座の「詩人と農夫」だ。これは吹奏楽経験者にはとても良く知られた作曲家であり、作品だ。中学・高校の吹奏楽部でこの作品を演奏しないところはないだろうな。言うまでもなく、元々管弦楽のための作品だから誰かが吹奏楽用に編曲したのだろう。とても変化に飛んだ音楽で主要な旋律はきれいで全編楽しい。元…吹奏楽部員としては耳に馴染んだ名曲だが、原曲の管弦楽版を聴いたことがなかったのでこれが聴きたかったのだ。

前半の吹奏楽版ではサックスのソロだが、オリジナルはチェロのソロなんだ。後日、Youtubeでこの曲を探していて近衛秀麿指揮新交響楽団(現N響)で、小澤征爾など多くの音楽家を育てたチェリストの齋藤秀雄がソロを弾いている1933年録音の「詩人と農夫」を発見した。齋藤はチェリストとしては独奏の録音を残さなかったのでこれは貴重な音源らしい。今、聴くととても下手くそだと思うが。

ま、ともかく。読響の優れた演奏でこれを聴くことができたのは非常に良かった。あらためて良い音楽だと思った。

プロコフィエフのピアノ協奏曲2番は、最近ではアンナ・ヴィニツカヤ+都響で聴いた。あまり好きな音楽ではない。
トリフォノフはピアノはFazioliを使った。どこのホールでもこのピアノは珍しいが、みなとみらいホールで聴くのは初めてだ(正確ではない。聴いていたかもしれないが、意識していなかったのかも。)。

ベートーベンの田園は、いつもどおりのオーソドックスな演奏だったと思う。
指揮のコルネリウス・マイスターは今年度から読響の首席客演指揮者に就任したが、ステージで実際にタクトを振るのは今回のプログラムが初めてだ(厳密には16日の芸術劇場)。読響デビューだ。
観客の反応もよく、とても好意的に迎えられたように思う。

♪2017-153/♪みなとみらいホール-33

(下欄注)
ダニール・トリフォノフ⇒1991-03-05生 
 2011-14回チャイコ1位
ダニエル・ハリトーノフ⇒1998-12-22生 
 2015-15回チャイコ3位

2017年9月17日日曜日

東京交響楽団 川崎定期演奏会 第62回

2017-09-17 @ミューザ川崎シンフォニーホール


アレクサンドル・ヴェデルニコフ:指揮
東京交響楽団
東響コーラス♪

ヒンデミット:バレエ組曲「気高い幻想」
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲♪
シベリウス:交響曲第1番ホ短調 作品39

シベリウスが1865年生まれで、ついでストラヴィンスキー、ヒンデミットが一番遅く1895年というから3人の年齢は最大でも30歳の差だ。それに没年の間隔は14年しかないから、音楽家として活躍した時期はほとんど重なっているのだろう。
それにしては、それぞれの音楽はだいぶ違う。

シベリウスを別にすれば2人の2曲はこれまで聴いたことがなかったし、シベリウスとて1番は珍しい。
前2者は、現代音楽と言うほどでもないけど楽しめなかったのは、これまで馴染んでいなかったからだろう。
特に詩篇交響曲は馴染むと面白くなると思う。弦パートからバイオリン、ビオラが、木管パートからクラリネットが外され、その代わりに管楽器の強化とピアノ2台、それに混成四部合唱が加わるという変則な管弦楽編成の意図は分からないけど、きっとそのうち味が出る…という予感。

シベリウス第1番は、ナマで聴くのは初めてかと思っていたが、記録を調べたら、2015年以後で読響と神奈川フィルで聴いていた。全く記憶はアテにならない。
コンサートで取り上げられるシベリウスの交響曲は圧倒的に第2番だ。それ以外は…とついでに調べたら、1番の他に5番、7番なんてのも聴いていたな。でも1番も忘れていたくらいで、2番以外はどうも印象が薄い。どの曲も、確かにシベリウス印は溢れていて、ほかの誰かの作品だと間違えるようなことは絶対にないだろうけど、2番が出来過ぎなのかもしれない。

♪2017-152/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-26

2017年9月16日土曜日

N響第1864回 定期公演 Aプログラム

2017-09-16 @NHKホール



パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
NHK交響楽団

ショスタコーヴィチ:交響曲第7番ハ長調 作品60「レニングラード」

生演奏は3年前にウルバンスキ+東響で聴いたのが初めてで、これが2回め。オケの定期は7コースも聴いていてもめったに演奏されない曲だ。声楽は入らないのに演奏時間が70分を超えるのが原因だろうか?でも、ブルックナーやマーラーの交響曲でももっと長い作品はいくつもあるが、それらを3年に1度しか聴けないということはまず無い。あまり人気がないのだろうか。

東響で聴いたときの編成は覚えていないけど、今日のN響はコントラバスが10本も並んだ。まるで学生オケの複数校合同演奏会みたいだ。金管も11本が並ぶ通常の配置のほかに打楽器群より後ろ、つまり最後方に金管10本の別働隊も加わって、豪気なものだ。

聴く機会が少ない割には第1楽章の、単純な旋律が耳に馴染んでいる。多分、これが「戦争の主題」と言われているモノだろう。音楽全体のテーマに比べるとひょうきんな行進曲として始まる。これがソ連軍の行進か、ドイツ軍の行進を表現しているかは説が分かれているようだ。最初はスネアドラムの刻む一定のリズムに木管が最弱音で始まった主題は何度も何度も執拗に繰り返され、だんだん重苦しくなってゆく。ラヴェルのボレロのようだ。これだけ繰り返されると耳にも馴染んできて他の場所の音楽は全然覚えていなくともこの主題だけは3年に1度でも、嗚呼、これこれ、覚えているよという感じだ。

まあ、CDではとても最後まで聴く気にはなれないけど、ナマの迫力と緊張感で退屈とは無縁。手に汗握るような70分余だった。

2017-151/♪NHKホール-07

ミューザ川崎ホリデーアフタヌーンコンサート2017後期 アンジェラ・ヒューイット ピアノ・リサイタル ≪気まぐれなブーレ≫

2017-09-16 @ミューザ川崎シンフォニーホール


アンジェラ・ヒューイット:ピアノ

J.S.バッハ:パルティータ 第4番ニ長調 BWV828
ベートーベン:ピアノ・ソナタ 第14番嬰ハ短調 op.27-2 「月光」
スカルラッティ:ソナタ ニ長調 K491
        ソナタ ニ長調 K492 
        ソナタ ロ短調 K377 
        ソナタ ホ長調 K380 
        ソナタ イ長調 K24 
ラヴェル:ソナチネ
シャブリエ:気まぐれなブーレ
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アンコール
ドビュッシー:「月の光」

アンジェラ・ヒューイットの演奏をナマで聴くのは2回めで、前回は2015年4月に日フィルと共演したブラームスの協奏曲第1番だったが、あまり良い印象は受けなかったが、FAZIOLIのピアノを持ち込んでいたのに驚いた記憶がある。
でも、その後、CDなどを聴くとこの人はほとんどFAZIOLIで録音しているようだ。

今回もピアノはFAZIOLIだった。前回のサントリーホールも今回のミューザもホール自前では備えていないだろうから本人が持ち込んだのか、FAZIOLIの日本支社が用意したのだろう。調律や整音など大変なことだなあ。

J.S.バッハがお得意のヒューイットだが、今回のリサイタルは組曲が1曲だけ。あとはベートーベンやスカルラッティなどバラエティ豊かなプログラムだった。

最後に弾いたシャブリエの「気まぐれなブーレ」が面白かった。
シャブリエと聞いても「スペイン狂詩曲」しか出てこない。
こういうユーモラスな小品もあるとはもちろん知らなかった。
リサイタルの副題にしているくらいだから、彼女のお気に入りであることは間違いない。そして、彼女の陽性の人柄にもピッタリあっていたように思った。バッハ弾きとは思えない明るさにあふれていた。

♪2017-150/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-25

2017年9月14日木曜日

人形浄瑠璃文楽平成29年9月公演 第二部「玉藻前曦袂」

2017-09-14 @国立劇場


●第二部
玉藻前曦袂(たまものまえあさひのたもと)
 清水寺の段
 道春館の段
 神泉苑の段
 廊下の段
 訴訟の段
 祈りの段
 化粧殺生石

(主な出演者)
竹本千歳太夫

豊澤富助
吉田和生
吉田玉男
豊竹咲寿太夫
豊竹咲甫太夫
鶴澤清助
桐竹勘十郎
吉田玉也
豊竹睦太夫
野澤喜一朗
竹本文字久太夫
竹澤宗助
吉田幸助
竹本小住太夫
豊竹亘太夫
 ほか

今回は、七段で構成されたが、本来の「段」なのか、「段」の中の「場」に相当するものも混じっているのかは分からない。少なくともこの七段の前に、序(初)段と二段があって、それぞれは天竺と唐の国が舞台だというから、スケールの大きな話だ。いずれも金毛九尾の妖狐がそれぞれの国で大暴れした後に日本にやってくるという話で、三段目以降日本を舞台にする。

そのオリジナルの三段目が今回の「清水寺の段」に当たるのだと思うが、はっきりしたことは分からなかった。

いずれにせよ、今回の公演は「清水寺の段」で始まり、「道春館の段」以下に続く。「道春館の段」までは妖狐は登場しないが、帝の兄・薄雲の皇子の謀反の企てや皇子に見染められてしまった亡き道春の2人の娘・桂姫、初花姫の悲劇として、見応えのある大曲だ。

続く「神泉苑の段」から「祈りの段」までが妖狐と安倍兄弟との戦(いくさ)話だが、「廊下の段」と「訴訟の段」の間には、本来は「段」だか「場」だかが置かれていたようだ。でなければ話がつながらない。で、「祈りの段」で両者の争いには一応の決着がつく。一応の…と言うのは、悪者である妖狐は都を逃げ出すものの成敗されたわけではなく、薄雲の皇子は流罪を申し付けられるものの従う気はなさそうで一体どうなるのか示されないから。

最終の「化粧殺生石」は「段」という扱いになっていないのは、ここでは妖狐が主人公…と言うか、妖狐しか登場せず、これが七変化を見せるという、スペクタクル・ショーとして、話の本筋と独立したものであるためではないか。宝塚歌劇の、本編ミュージカルの後のレビューみたいなものか。

このような構成なので、通し狂言というには、いささか構成感に不足する。

しかし、最後の「化粧殺生石」は見応え充分だ。人形劇とも思えない早変わり七変化のスペクタクルは舞台装置の仕掛けも色々と工夫されていて面白い。最後は桐竹勘十郎まで宙乗りに暗闇の空に消えた。

♪2017-149/♪国立劇場-14