2023-09-02 @みなとみらいホール
ゲオルク・フリッチュ:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
阪田知樹:ピアノ*
レーガー:喜劇的序曲 Op.120 <日本初演>
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40*
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 Op.73
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ラフマニノフ:楽興の時 第4番*
Mレーガーの作品は過去数回聴いているけどその都度完全忘却している。今日の序曲は(100年以上前の作品なのに)日本初演だとは驚く。調性はあるのにどこか外れた感じで、今回も既にどんな音楽だったか思い出せない。ラフマニノフと同じく生誕150年だそうな。50年後の生誕200年にもラフマは多く演奏されるだろうけどレーガーは忘れられているかもしれないな。
2曲目が阪田知樹によるラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番だった。
これがなんと初聴き(らしい…)。
CDなどではよく聴いているし、4番には、1-3番のエッセンスが盛り込まれているような気がしているのだけど、どうだか…。ともかく、かなり馴染んでいるので、あゝコレコレという感じで興味深く聴いた。
阪田知樹を初めて聴いたのが2014年。やはり、神奈川フィルでその時はラフマニノフ第2番だった。
横浜育ちのせいか、この9年間に、リサイタル、室内楽などで聴く機会が多い。超絶技巧をサラッとやってのけるのは小気味良い。今日は、本編より、むしろアンコールの「楽興の時 4番」で、どうだと言わんばかりの技を見せた。
1-4番の中で、一番聴く機会が多い。二番手の1番が肉薄しているが、4番の2倍、3番の3倍の頻度だ。オケにとっても人気曲なんだろうな。
ところが、4曲中2番が一番演奏が難しいのでは?と思わせるくらい不出来割合が高い。
多分、冒頭の低弦が誘い出すDC#Dを先ずはホルンが受けて、次に木管に引き継ぎ、さらに低弦が歌うという綾取りみたいな進行の中に主題が断片化しているので、各パートの熱量や緊張感が一致しないとバラバラになってしまうのだと思っている。
今日は、その受け渡しがうまくゆかなかった。
こういう日に坂東裕香(ホルン首席)は降り番なのか!彼女ならもっとうまくリレーできたのに…。残念な出発だった。
ま、ラフマは上出来だったし、ブラームスも後半は盛り上がっていった。
初顔のゲオルク・フリッチュは、クセのない丁寧な指揮ぶりに好感した。
そうそう、本日のコンマスは東響の呪縛から逃れた?水谷晃クンがいつもの笑顔で引っ張ったのは同慶なり。
ついでに、ビオラの首席も横浜バロック室内合奏団の百武女史が座っていた。他のオケに客演しているのは初めて見た。
♪2023-149/♪みなとみらいホール-30