2021-07-02 @サントリーホール
チョン・ミョンフン:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 Op.73
チョン・ミョンフンも1年4月ぶりの登場。
次回9月と合わせてブラームスの交響曲を順番どおり2曲ずつという、なにやら軽く受け止めてはいけないような厳粛な緊張感を要するプログラム。
果たして、オケも良い緊張感、客席も同様。
ブラームスが素晴らしいから、というだけではなく、この日の演奏は、最高水準の出来ではなかったか。
細部まで行き届いた音楽作りで、ブラームスのオーケストレーションの巧さまで改めて感じさせる、随所に発見のある演奏だった。
個人的には、多少、好みの合わない部分もあった。
2曲とも終楽章のテンポ設計に異議あり。
クライマックスに前置した一種の溜めだろうが、in tempoで駆け抜けても良かったのでは、とは思ったが、今回の熱演の前には些細なことのようにも思った。
前日の都響同様カーテンコールは長く、客席は大いに盛り上がった。終演のアナウンスの後にも指揮者だけでなくもオケ迄も登場。
しかし、客席からは、誰一人タオルやパネルなどを出す人はなく、大勢のお客が立ち上がって拍手を続けたが、感動と興奮もブラームスの後では高貴な緊張感に包まれたものとなった。
プログラム、指揮者の人柄等の違いもあるだろうけど、終演後の客席の興奮状態を見て都響と東フィルの”客筋の違い”を感じた。
今回も東フィルは全員マスクなし。プロの演奏家としての意気込みも嬉しい。
因みに弦編成は、バイオリンは対抗配置ではなく通常配置だが12-12-10-8-6と第1と第2は同数だった。