2018年5月26日土曜日

河村尚子「ベートーベン ピアノ・ソナタ・プロジェクト」第1回(全4回)

2018-05-26 @フィリアホール


河村尚子:ピアノ

ベートーベン:
ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 op.7
ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 op.13「悲愴」
ピアノ・ソナタ第7番二長調 op.10-3
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 op.27-2「月光」
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ドビュッシー:月の光

河村尚子、満を持してのベートーベン・ツィクルスだそうな。フィリアホールでは今日はその第1回目だが、全国的…いや、世界的には今年の4月から始まっているようだ。

ただし、今後の予定として発表されているのは、今回を含む全4回でソナタ14曲を弾くというのだから、全32曲の半分にも満たないのは残念。
今日は4、7、8、14番だったが、フィリアホールで11月に予定されている第2回めが18、23、23、24番の4曲、来年4月が26、27、29番の3曲、来秋に最後の3曲(30〜32番)だ。
次回以降も聴きに行くつもりだが、3回目以降は日時も未定なので聴きに行けるかどうか分からないけど、行けたとしても17番や28番が含まれていないのは残念だな。

さて、久々に近くで見る…いや聴く河村尚子はなんとも魅力的だ。一音一音に入魂しているのがその姿勢や顔の表情の変化でよく分かる。ホンに表情が豊かで、大げさではなく、とても自然で音楽と一体になっているように見える。
彼女の考え方なり感覚がその表情を通じて聴手にも少しは伝わってくる気がする。できれば、彼女のそれらと完全にシンクロできたらとてもハッピーだろうと思うが、そこは才覚や知識の差で、うまくはゆかないけど、でも、音楽に誘い込まれるのは確かだ。

さて、気になったことが一つ。
ピアノの音がイマイチだった。
良くなるホールであることは前に寺神戸亮のリサイタルを聴いて体験済みだけど、無伴奏バイオリンの場合はこの響具合がとても効果的だ。でも、ピアノ(スタインウェイ)の場合は、鳴り過ぎではないか、と思った。その音も、「ジャーン」という音で、あまり美しくない。「カーン」と抜けるような音で聴きたいものだ。

前半が終わった後の休憩中に調律師がだいぶ時間を掛けて整音か調律をしていたが、やはり、河村尚子にとっても何か違和感があったのかもしれない。でも、後半もピアノの鳴り方はさほど変わらなかった。
できたら、音楽堂やみなとみらいの小ホールで聴いてみたかった。

♪2018-061/♪フィリアホール-01