彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
●須磨浦の段
お菊⇒竹本三輪太夫
内匠⇒豊竹始太夫
友平⇒竹本小住太夫
弥三松⇒豊竹咲寿太夫
/鶴澤清友
●瓢簞棚の段
中 豊竹希太夫/鶴澤寛太郎
奥 竹本津駒太夫/鶴澤藤蔵・鶴澤清公
●杉坂墓所の段
口 豊竹亘太夫/野澤錦吾
奥 豊竹靖太夫/野沢錦糸
●毛谷村六助住家の段
中 豊竹睦太夫/野沢勝平
奥 竹本千歳太夫/豊澤富助
人形役割
娘お菊⇒吉田勘彌
弥三松⇒吉田簑太郎
友平 ⇒吉田文昇
内匠 ⇒吉田玉志
佐五平⇒吉田玉勢
お園 ⇒吉田和生
伝五右衛門⇒吉田玉佳
六助 ⇒吉田玉男
母お幸⇒桐竹勘壽
ほか
今月の文楽公演は第1部が吉田玉助襲名披露公演で出演陣もなかなか豪華だ。ま、そちらはあとの楽しみにして、まずは第2部から出かけた。
演目は「彦山権現誓助剣」。本来十一段構成から六段目から九段目までの半通し上演だ。
このうち、九段目に当たる「毛谷村六助住家の段」は、歌舞伎では何度か観ている。歌舞伎では、大抵「毛谷村」としてこの段だけが単独で上演され、稀にその前段の「杉坂墓所の段」も置かれる場合があるが、今回の文楽公演のように四段・半通しは多分ないのだろう。
物語性はともかく、「瓢箪棚の段」は、単独でもなかなか見どころがある。全体を通したヒロインであるお園が初めてここで登場し、仇役との対決場面だ。
その彼女が「毛谷村六助住家の段」で、親が決めた彼女の許嫁でめっぽう剣術の巧い六助に出会い、その途端、しおらしくなり何くれとなく世話を焼くが、つい怪力の地が出てしまうところは、歌舞伎でも滑稽シーンが連続する楽しいところだ。
この「毛谷村」の「奥」を語ったのが千歳太夫。
人形は六助を吉田玉男、お園を吉田和生が遣った。
うまい下手は判断付けかねるが、みんな熱演で良かった。
♪2018-054/♪国立劇場-06