2018-05-20 @みなとみらいホール
イラン・ヴォルコフ:指揮
読売日本交響楽団
クロエ・ハンスリップ:バイオリン*
ブラームス:大学祝典序曲 作品80
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64*
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
----------------
アンコール
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン・ソナタ第1番アダージョ
今日のコンマスは、特別客演コンマスの日下紗矢子だった。チューニング時の立姿が百済観音のようにスラッとしてスリムで、まずは目の保養になる。次席にはコンマスを務める機会が多い長原幸太が座っていた。
指揮のイラン・ヴォルコフは初めてだが、都響は指揮しているようだが、肝心の読響には初登場なのかどうか、解説には書いてなかった。
「大学祝典序曲」はバイオリンの高域が美しくないし、なにやらバラバラ感が拭えず。
ところが、2曲めのメンコンが素晴らしい。
バイオリン独奏はクロエ・ハンスリップ。現在30歳。英国人だが、ロシア人のような顔貌だ。何れにせよ美形のうちに入るかも。読響には初登場らしい。
その彼女が弾く冒頭の音色の豊かさにググっと惹きつけられた。小柄な体躯とは裏腹に全体に音量が豊かだ。ちょうど1週間前にテツラフの独奏+N響でベートーベンの協奏曲を聴いたときほどのDレンジの豊かさはないものの、十分な迫力だ。
プログラムには、彼女の使用する楽器が1737年製グゥアルネリだと書いてあった(Wikipediaではもう使っていないとある。)が、何であれ、楽器自体が良くなるのかもしれない。
全体に気合の入った演奏で、切れ目のない楽章構成も相まって心地よい緊張感が漲った。
ソリストにしては珍しく楽譜を用意していたが、ほとんど見ていない。アンコールで弾いたJ.S.バッハでは譜面台に向かっていたから、見ながら弾いたのだろう。余談だが、楽譜を観るソリストと言えばコパチンスカヤを思い出す。彼女の場合は裸足で演奏した。ハンスリップが高いピンヒールを脱いだらえらくちっちゃくなってしまうだろうな、と思ったよ。ホンに、余計なことだけど。
メインが「展覧会の絵」だったが、これはもう冒頭のプロムナードがなんといっても素晴らしい出来栄え。それと第6曲(本日のプログラム上の表記。プロムナードを数えないやり方もあって必ずしも第6番目とは限らないけど。)サムエル・ゴールデンベルクとシュムレイ(ユダヤ人の金持ちと貧乏人)の弦楽ユニゾンの合奏が厚みがあって美しい。
が、残念なことに、「大学祝典序曲」同様、曲によっては管楽器群で、あるいは管と弦楽器の間でピタッと来ないものもあり、ざわつきが気になるところがあったのは残念。
♪2018-057/♪みなとみらいホール-16