2018年4月14日土曜日

N響第1882回 定期公演 Aプログラム

2018-04-14 @NHKホール


ヘルベルト・ブロムシュテット:指揮
NHK交響楽団

ベルワルド:交響曲第3番ハ長調「風変わりな交響曲」
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14

ベルワルドという作曲家はその名前も知らなかった。現代の人かと思ったが、そうでもなくて、生没は1796-1868年だというから、ロッシーニの4歳下、ドニゼッティ、シューベルトの1歳上だ。ロマン派の盛りの時期ということになるが、同時代にはあまり受け入れられなかったようだ。いや、今でも有名ではないし、作品も今回演奏された交響曲第3番くらいしか演奏されることはないみたいだ。

ブロムシュテットはアメリカ生まれだが両親がスウェーデン人だそうで(国籍は両方にあるのかもしれないが。)、ベルワルドも、音楽家としての活躍の場はベルリン、ウィーンだが、スウェーデン人だ。そんなことで、ブロムシュテットはベルワルドを取り上げたのかもしれない。

ただ、その音楽は今や思い出せない。Youtubeで探しても部分的な演奏(指揮はブロムシュテットだった。)しかしか見つからず、それを聴いてもやっぱり思い出せない。まあ、そんな音楽だったなあ。

ブロムシュテットと言えば、なんといってもベートーベンやブラームスがぴったりという気がするが、今日はベルリオーズだった。
「幻想交響曲」は、先月読響・都響でも聴いたばかりで、1ヶ月足らずの間に3度めを聴くとは不思議な縁だ。
まあ、この作品は華麗な管弦楽技法が売りものだから、どのオケが演奏しても大抵は満足できる。直近の2例では読響の方が気合を感じたが、都響も悪くはなかった。

そこで、N響がやるとどう違うか。
ブロムシュテットが指揮したからと言って格別音楽が上等になる訳ではなかった。毛細血管の先までピタッと呼吸が合う(これまで聴いたベートーベンなどではそういう感じがした。)ようなところまではゆかなかったが、一味違うと思ったのは、3600人を擁する空間を満たす絢爛にして重厚な響。これはN響ならではだ。

ブロムシュテットの飄々とした指揮に客演コンマスのライナー・キュッヒル始め、楽員が心を一にしての熱演が聴く者の心も温めた。ブロムシュテットの才覚なのか人徳なのか、不思議と包み込まれてしまう。

♪2018-040/♪NHKホール-03