ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団
マーラー:交響曲第10番嬰ヘ長調からアダージョ
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 WAB109
マーラーとブルックナーの組合せと聞けばもうゲップが出そうになるが、マーラーは交響曲10番、ブルックナーは交響曲9番。いずれも未完成品ばかりなので可能なカップリングだ。
未完成とはいえ、マーラーは1楽章だけで終わった作品だが24分(予定時間)。ブルックナーは3楽章まで書いて4楽章を書き始めたところで亡くなってしまった。それでも演奏時間62分。両方合わせて約90分だ。
プログラム上はマーラーは「交響曲第10番からアダージョ」となっているが、ほぼ完成された第1楽章のテンポ記号がアダージョなので「交響曲第10番第1楽章」と同じことだ。
マーラーのアダージョと言えば、5番の第4楽章アダージェットが超有名だし俄然旋律が美しい。のでこちらを聴きたかったな。
そのマーラーのアダージョでは弦の透明度が高くて良い演奏だった。
半年近くブルックナーを聴いていなかったこともあって、何か、全体に新鮮さを感じた。よく言われるブルックナー開始、ブルックナーユニゾン、ブルックナー総休止等の外連調味料がとりわけこの9番には効いているように思った。それで、無駄な繰り返しが多いとは思いながらもあまり気にならず、最後まで楽しめた。あまりの熱演のせいか、コンマスの弦が切れて演奏中に下手から順に楽器リレー。これはなかなか珍しい。
♪2018-041/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-03