2018年4月22日日曜日

新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会 第6回 サファイア<横浜みなとみらいシリーズ>

2018-04-22 @みなとみらいホール


上岡敏之:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
アンヌ・ケフェレック:ピアノ*

モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491* 
ブルックナー:交響曲第6番 イ長調 WAB 106
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アンコール
ヘンデル(ケンプ編):メヌエットト短調*
モーツァルト:交響曲第29番イ長調から第4楽章

新日本フィルは、在京プロオケの中では、オペラのピットに入っているのを別にしてコンサートを聴く機会は極めて少ないオケだが、その数少ない機会に上岡敏之が振ったのを聴いて非常に印象に残っていた。
ラヴェルの「ボレロ」はどこのオケが演奏してもまずハズレ無しだが、約2年前のミューザで聴いた上岡+新日本フィルの「ボレロ」はいろんなオケで何度も聴いている曲だけど、その中で一番インパクトを受けた演奏だ。

また2015年の読響を振った「第九」もすごかった。
細部へのこだわりが、彼の場合は嫌味を超越した外連味となって、高いテンションを生んでいる。一種の癖になってしまうような困った魅力があるのだ。

新日フィルはめったにみなとみらいホールで聴く機会がないが、今回は特別演奏会として登場した。これからも度々来てくれるといいのだけど。

さて、メインはブルックナーの交響曲6番だが、ブルックナーの交響曲はマーラーほどではないにしても演奏される機会が多い。5番、4番、7番、9番を中心に何度も聴いているが、1番と6番だけはナマで聴いたことがなかった。今日、6番を初めて聴いたので残りは1番だ。どこのオケでもいいや、早く聴かせてくれ!

それはともかく、今回のコンサートに向けて予習のためにCDは相当聴き込んだが、スコアを見ながら聴いた訳ではないので、この複雑な構造は皆目頭に入ってこなかった。
しかし、やはりナマを聴くと没入度が違うし、古典的な形式を踏んで4楽章にキチンと分けられていて、聴きながら道に迷うということはなかった。
しかし、馴染み方が十分ではないので、どこに上岡マジックが秘められていたのか、それは分からなかった。案外、そんなものはなくてひたすらオーソドックスを目指したのではないか、という気もしながら聴き終えた。

前日がインキネン率いる日フィルの精緻なアンサンブル、その前日がブロムシュテットのN響、その前日が大野和士の都響と4日連続して大物を聴いていたので、新日フィルのオーケストラとしての力量は素人の評価は差し控えておこう。まあ、特段劣ることもないという印象だった。

ブルックナーの前に、モーツァルトの2曲しかない短調のピアノ協奏曲の一つ、24番がアンヌ・ケフェレックの独奏で演奏された。この人の演奏は、過去にオリヴィエ・シャルリエというバイオリニストと一緒にベートーベンとブラームスのバイオリン・ソナタを聴いていたが、これは記録を改めて思い出したこと。
その時の印象は特に残っていなかったが、今日のモーツァルトはとても良かった。
技術的なことは分からないけど、転がるような高音域と太い1本弦がブルっと震えているのが伝わるような低域まで豊かに響いて(ま、ピアノが良い、ホールが良いということでもあるけど)、まずはピアノの音が美しいし、少し哀愁を含んだモーツァルトの旋律も穏やかで心にしみる。まあ、とにかく気持ち良く聴くことができたし、この曲では新日フィルの編成は当然小規模で弦楽中心だったが、このアンサンブルも良い雰囲気を醸していた。

♪2018-046/♪みなとみらいホール-13