2017年6月25日日曜日

N響第1862回 定期公演 Aプログラム

2017-06-25 @NHKホール


パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
河村尚子:ピアノ*
NHK交響楽団

デュティユー:メタボール(1964)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品22*
ラヴェル:優雅で感傷的なワルツ
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」組曲 第2番
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アンコール
クープラン:バッハの名による即興曲*

P・ヤルヴィ指揮で仏音楽集。デュティユーはつまらないから気持ちはパス。4曲演るのだから1つくらい気合を入れなくとも良かろう。
楽しみはサン=サーンスのピアノ協奏曲2番だ。これは生では初聴き。だからというより河村尚子がお目立てだ。

1月に音楽堂でクレメンス・ハーゲンとのデュオをほぼかぶりつきで聴いた時、ピアノの腕前は当然として、豊かな表情が実にキュートでその弾きっぷりがまさに音楽的、音楽そのものと感じた。彼女の演奏は初めてではなかったが、遠くからは気づかない。

ほかにも上手なピアニストはたくさんいるが、弾きっぷりを観ていて楽しくなるピアニストはこの人ぐらいか。
今日も定席からなので、舞台までは結構遠いが、幸い中央からやや下手の席なので、よく見える単眼鏡で表情や華麗な鍵盤上の乱舞を堪能した。

曲自体は通常の協奏曲とは異なって、ほぼ全曲ピアノが主導権を持つ。オケはピアノを補強したり、あるいは完全に伴奏に回って、両者の丁々発止のやり取りはない。
全体的に軽ろやかな印象だが、独奏部分は叙情的で時にメランコリックで親しみ易い。

後半はラヴェルの「優雅で感傷的なワルツ」と「ダフニスとクロエ」組曲第2番で(この組合せは何度か経験済)、オケの規模も大きく楽器も多彩で、これぞ管弦楽という世界だ。いずれも聴き慣れた作品だが、同じ仏ものと言っても前2曲とは随分違う。

「ダフクロ」は本来ヴォカリーズが付いていたが、ラヴェル自身がその部分を管弦楽に置き換えた版も編曲したそうで、今回はその版だった。と言うより過去に何度か聴いているがヴォカリーズ付きは経験がない。また、組曲第1番というのも多分未経験だ。

N響の技が発揮されたのは後半のラヴェル2曲。というか、管弦楽の精妙さが際立つ音楽だからそのように感じたということだが、特に管楽器がきれいな音を出していた。逆に弦の美しさが発揮される場面が少なかったのは、そういう音楽だからし方がない。

2017-108/♪NHKホール-05