2017年6月30日金曜日

国立文楽劇場文楽既成者研修発表会 第5回(17回) 文楽若手会

2017-06-30 @国立劇場


●寿柱立万歳 (ことぶきはしらだてまんざい)
 豊竹睦太夫・豊竹靖太夫・竹本小住太夫
 鶴澤寛太郎・野澤錦吾・鶴澤燕二郎・鶴澤清允
 (人形役割)
 太夫⇒吉田簑太郎
 才三⇒桐竹紋臣 

●菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
◎車曳の段
 竹本小住太夫・豊竹咲寿太夫・豊竹睦太夫・
 豊竹亘太夫・豊竹靖太夫/鶴澤清丈
◎寺入りの段
 豊竹亘太夫/鶴澤清公
◎寺子屋の段
 豊竹芳穂太夫・豊竹希太夫/鶴澤清馗・豊澤龍爾
 (人形役割)
 梅王丸⇒吉田簑太郎
 桜丸⇒吉田玉誉
 杉王丸⇒吉田簑之
 松王丸⇒吉田玉翔
 左大臣時平⇒吉田文哉
 よだれくり⇒吉田玉路
 菅秀才⇒桐竹勘昇
 女房戸浪⇒桐竹紋吉
 女房千代⇒吉田簑紫郎
 武部源蔵⇒桐竹紋秀
 春藤玄蕃⇒吉田玉彦
      ほか

「文楽若手会」って初めて存在を知ったが、東京では今年が第5回目で、本場大阪では17回目だそうだ。
「若手」の定義がどこにも書いてない。公演チラシには副題で「文楽既成者研修発表会」とある。これもよく分からない。
太夫の中で最高の格にある豊竹咲太夫のイケメン弟子で例示すると、咲甫太夫は非若手、咲寿大夫は若手に名を連ねているのでこの辺が区切りらしい。

出演者の顔ぶれを見ると、太夫、三味線、人形遣いとも、本公演でも見かける顔が並んでいるので、研修発表会と言いながら結構本格的なものだ。特に文楽に関しては昨年12月に初めて舞台を経験したド素人の僕からはみんな大した技量を備えているように思える。

内容は、5月文楽公演と基本的に同じで、「茶筅酒の段」、「喧嘩の段」、「訴訟の段」、「桜丸切腹の段」が省略され、冒頭に「車曳の段」が加わっていた。
好みで言えば、「車曳の段」はカットしてもいいが「桜丸切腹の段」がなかったのは残念だ。これが演じられることで、「寺子屋の段」、とくに終盤の松王丸夫妻の嘆きが広がりを見せるのだと思っている。

5月の本公演での呂太夫の襲名披露「寺入りの段」や唯一人<キリ>を務める、咲太夫の「寺子屋の段」を思い浮かべると、多分、まだまだ大きな違いがあるのだろうが、僕の鑑賞眼では十分に面白く楽しめた。

♪2017-110/♪国立劇場-11