2017年6月14日水曜日

平成29年6月歌舞伎鑑賞教室「歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)」

2017-06-14 @国立劇場


解説 歌舞伎のみかた 中村隼人 
                                 
歌舞伎十八番の内 「毛抜」一幕 小野春道館の場

(主な配役)

粂寺弾正⇒中村錦之助
腰元巻絹⇒片岡孝太郎
八剣玄蕃⇒坂東彦三郎
小野春風⇒尾上右近
八剣数馬⇒大谷廣太郎
秦秀太郎⇒中村隼人
錦の前⇒中村梅丸
小原万兵衛⇒嵐橘三郎
秦民部⇒坂東秀調
小野春道⇒大谷友右衛門
 ほか

中村隼人が女性に人気があるとは知っていたけど、女子高生までにも人気があるとは知らなかった。
その隼人が「歌舞伎のみかた」の解説を努めた。流暢に口が回るがもう少しゆとりが必要。間合いを取らなくちゃ聴いていてもせわしない。

幕が上がると写真撮影禁止は常識だが、今回は撮影タイムが設けられた。スマホで写真を撮って「歌舞伎見たよ」のタグを付けてSNSで発信してくださいという意図だ。良いアイデアで、若い人達に歌舞伎を観ようという気運が出れば良し。

さて、本篇。「毛抜」は前にも観ているので内容は理解しているつもりだったが、今回はプログラムの説明で気がついたのだけど、これが劇中劇という構成だということだ。尤も前回観たのは一番最近でも3年前なので演出には記憶がない。

今回の国立劇場の演出と同じだったかどうか。
ともかく、今回は舞台上に黒い額縁が作ってあり、それが芝居小屋を表している。上手の柱には演目「歌舞伎十八番の内毛抜一幕」、下手には「中村錦之助相勤め申し候」と大書してある。

錦之助演ずる粂寺弾正が若衆や腰元にちょっかい出しては袖にされると「面目次第もござりませぬ」と客席に向かって言い、幕切れのセリフも「〜然らば、お開きといたしましょう」と見得を切って揚幕に消えるのも劇中劇ならではの演出だ。

歌舞伎十八番に入っているだけあって、歌舞伎の多様な見処(弾正の荒事・色気と愛嬌・連続する5つの見得など)が多い。
毛抜が場面に応じて小から大に変化するのも面白い。
筋書きも滑稽味ある推理劇としても楽しめる。

♪2017-101/♪国立劇場-10