2017年1月29日日曜日

N響第1855回 定期公演 Aプログラム

2017-01-29 @NHKホール


下野竜也:指揮
クリストフ・バラーティ:バイオリン*
NHK交響楽団

マルティヌー:リディツェへの追悼(1943)
フサ:プラハ1968年のための音楽(管弦楽版╱1969)
ブラームス:バイオリン協奏曲 ニ長調 作品77*
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アンコール
イザイ:無伴奏バイオリン・ソナタ第2番第4楽章*

2017-01-29 @NHKホール

マルティヌー(1890-1959)なんて作曲家は記憶から抜けていたが、つい先月、都響で交響曲第5番を聴いたばかりだったよ。もう、忘れるのが速い。
フサ(1921-2016)こそ初聴き。
2人は生まれが半世紀ほど異なるけどいずれも現代の作曲家と言っていいのだろう。フサは昨年亡くなっているのだ。

現代の音楽は、ほとんどつまらない。
それにメインがブラームスの(交響曲ではなくて)協奏曲とは妙な組合せだな、と思った。

しかし、この2人はいずれもチェコの人で、マルティヌーの音楽はナチスによって焼き尽くされ、住人は強制収容された「リディツェ」という村の鎮魂の音楽であり、フサの作品もいわゆる「プラハの春」を崩壊させたソ連によるチェコ侵攻に怒りを覚えて作られた作品で、両者とも厳粛な気分が漲る音楽だった。
とくに後者は12音技法や微分音をも用いているそうだが、その全曲を覆う暗い情感が、実験趣味的な現代音楽とは一線を画しているように思えた。

それにしてもブラームスとのつながりはよく分からない。

その点は、ま、あまり重要だとも思えないけど。


ブラームスは良かった。
クリストフ・バラーティは2015年5月に同じN響の定期でバルトーク:バイオリン協奏曲第2番を聴いている。その時も相当高度なテクニシャンだと思ったが、ブラームスでも本領発揮。実に堂々として安定している。音圧も高く、館内に独奏バイオリンが響き渡った。

つい3週間ほど前に、飯森範親+日フィル+神尾真由子で聴いたが、そのときにも感じた第3楽章のテンポの遅さを今回も感じた。帰宅後手持ちのCDを3種類第3楽章の冒頭だけ聴き比べたが、ニコラス・アーノンクールとオイゲン・ヨッフムのテンポは結構速いが、チョン・ミョンフンのものは今日のN響、先日の日フィルと大差なかった。まあ、拘らなくともいいのだけど、やはり、このハンガリー舞曲風な音楽はちょっと疾走する感じがほしいな。

2017-014/♪NHKホール-01