2023年4月8日土曜日

Orchestra Canvas Tokyo 第7回定期演奏会

2023-04-08 @県立音楽堂



山上紘生:指揮
Orchestra Canvas Tokyo

ベートーべン:「コリオラン」序曲
ベートーべン:交響曲第8番ヘ長調 作品93
ベートーべン:交響曲第7番ヘ長調 作品92




Orchestra Canvas Tokyoを初めて知って・聴いた。
東京の一般大学(非音大)を中心に地方大学も含む大学オケの現役とOBの混成部隊のようだ。

プログラムに惹かれて聴きに行ったが、実に痛快な音楽体験だった。
ベト3作品。
コリオラン、交響曲第8番&7番だ。

この3本を並べるのが実に潔い。
ベートーベン真っ向勝負。
いずれも編成は弦12型。

コリオランの冒頭の弦ユニゾンTuttiの気合の入った美音に、まず気持ちを持ってゆかれた。
特に、今日の音楽堂の響きは格別に良かった。弦の摩擦とヤニが飛び散るような生々しい音が程よい間接音を纏っていた。

「笑うベト」8番、「踊るベト」7番も、まさにそのキャッチコピーを表現して納得させる良い出来だった。
キリッと引き締まった12型は、音楽が明瞭で、迷いがなく、ベートーベンが思い描いた音楽はこういう演奏ではなかったか、と思わせた。

個人の力量もアンサンブルも水準が高く、思わぬ拾い物だった。

♪2023-058/♪県立音楽堂-04

2023年4月5日水曜日

東京・春・音楽祭2023 ブラームスの室内楽Ⅹ

2023-04-05 @東京文化会館



バイオリン:矢部達哉、水谷晃*
ビオラ:川本嘉子、横溝耕一*
チェロ:向山佳絵子
ピアノ:ヤン・リシエツキ

ブラームス:弦楽五重奏曲第2番ト長調 op.111*
ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番イ長調 op.26
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ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 終楽章
*水谷、横溝は五重奏曲のみ出演





弦楽五重奏曲第2番とピアノ四重奏曲第2番というの重量級組合せ。

ブラームスは室内楽を少量多品種作曲していて、弦楽五重奏曲は2曲。ピアノ四重奏曲は3曲。

どのジャンルも1番はよく演奏されるけど2番はなかなか聴けない。
今日の2曲はいずれも生では2回目という貴重な経験。

尤も、家で聴く際は大抵1ジャンル全曲続けて流し聴きしているので、2(3)番も馴染んでいるつもりだ。

ところが、今回、弦五は生で第一声を聴くとまるで違う曲のように聴こえて態勢を立て直すのに暫く要した。家で緊張感ゼロで聴いているといっぱい聴き逃しているのを思い知った。

緩徐楽章も第3楽章も哀切溢れ、終楽章は民謡舞曲風なのは他の曲もだいたい同じだ。

後半のピアノ四重奏曲は1人少ないがピアノが加わるのでやはり表現力が段違い。

冒頭の動機部分は約50分の大曲の幕開けにしては心許ないが、これも計算し尽くしているのだろうな。気を持たせながら本当にチビチビと盛り上がる。

これまで気づかなかったが、今回、第2楽章中間部にチャイコも驚くような哀愁の迸りを発見。
終楽章はお約束の?民謡舞曲風に盛上がって幕。

帰宅後気がついたが1〜4楽章の順に演奏時間が短くなっている。完全な頭でっかちだ。

アンコール演奏があった。その冒頭を聴いてすぐ分かった。ピアノ四重奏曲第1番の終楽章だ。2番の後で聴くとやはり1番はいい。

♪2023-057/♪東京文化会館-05

2023年3月30日木曜日

ランチタイムコンサート〜音楽史の旅⑥

2023-03-30 @かなっくホール



管弦楽:カメラータかなっく

J.S.バッハ:G線上のアリア(弦楽合奏)
シューベルト:交響曲第8番「グレート」ハ長調 D.944


かなっくホール恒例の「音楽史の旅」後半の3回はシューベルトを取り上げて、今日はその最終回。
かなっくホールのレジデンスアーティスト篠崎史門が主宰する室内管弦楽団「カメラータかなっく」によるシューベルトの8番ザ・グレートで2022年度の音楽史の旅を円満に終えた。

カメラータかなっくは若手ばかりの集団。今日は弦23人+管打16人=39人というSmallによるGreatがスケルトンに肉付けの具合までクリアでとても新鮮な感覚で聴くことができた。
指揮者を置かないアンサンブルだが、むしろ個性的な指揮者によってあれこれ独自性を発揮されるより素直で自然で好感。

このホールには斎藤美雪さんという名物事業担当者がいて、公演企画のほか、芝居の脚本を書き、音楽解説をしたり、時にはシンバルを叩いたり、カメラータかなっくの創立にも関与して八面六臂の活躍だったが、この度かなっくホールを卒業すると言う。
今日のコンサートのカーテンコールはむしろ彼女の卒業式になった。いやはやお疲れ様でした。地元民としてかなっくホールをフィリアホールに負けないホールにしたいと思っているので、彼女には色々注文したり文句を言ったりしてきたが、いつも明るく対応してくれた。寂しいね。

♪2023-056/♪かなっくホール-05

2023年3月29日水曜日

MUZAランチタイムコンサート03月 オルガン&バイオリン それぞれの時代の響き~バロック&モダンバイオリンとともに~

2023-03-29 @ミューザ川崎シンフォニーホール



オルガン:永瀬真紀
バイオリン:大西律子

○V.リューベック(1654-1740):前奏曲ハ長調 π
◎J.S.バッハ(1685-1750):バイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021から
 第1楽章アダージョと第2楽章ヴィヴァーチェ Po+Bv
◎H.I.F.ビーバー(1644-1704):描写ソナタ から
 アレグロ、ナイチンゲール、かっこう、カエル、猫、アルマンド Po+Bv
◎J.G.ラインベルガー(1839-1901):バイオリンとオルガンのための6つの作品 Op.150から
 1 主題と変奏 π+mV
○A.ギルマン(1837-1911):ソナタ第1番ニ短調 Op.42から
 第1楽章イントロダクションとアレグロ π
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πはパイプオルガン
Poはポジティフオルガン
Bvはバロックバイオリン
mVはモダンバイオリン
○はソロ
◎はデュエット



オルガン2種xバイオリン2種で2つの時代の音楽を聴く。

オルガンはパイプオルガン(巨大)とポジティフオルガン(小型で移動可能)。
バイオリンはバロックバイオリンとモダンバイオリン。
音楽はバロックと古典派。

パイプオルガンはもちろん、ポジティフオルガンも単独では何度も聴いているが、バイオリンとの組合せ、特にバロックバイオリンとの二重奏は初めてのような気が…。

5人の作曲家の作品だったが、J.S.バッハ以外は多分全員初聴き!

1曲目のパイプオルガン独奏の後、ポジティフオルガンとバッロクバイオリンでバッハのソナタが演奏された。
その時、我が精神に硬くへばりついていた俗なるものがハラハラと剥がれてゆく思いがした。
音楽が心を浄化する事もあるとはいえ、なかなか実体験はできないのに、この日はどうしたものか、感受性が豊かになっていたのか壊れていたのか、とにかくそんな気持ちになった。

ポジティフ〜の柔らかい響にバロックガット弦の優しい音色が見事に溶け合って舞い降りてきたよ。

その後に古典派のパイプオルガンも聴いたが、これも普段と違ってありがたいものに聴こえて不思議。

マジカルミューザで、マジカル体験。

♪2023-055/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-09

2023年3月28日火曜日

東京・春・音楽祭2023 シューマンの室内楽

2023-03-28 @東京文化会館



バイオリン:金川真弓、山本翔平*
ビオラ:佐々木亮*
チェロ:横坂源
ピアノ:三浦謙司

シューマン:幻想小曲集 op.88
シューマン:ピアノ三重奏曲 第1番ニ短調 op.63
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44*



25日にミューザでコルンゴルトを好演したばかりの金川真弓が中2日でシューマン室内楽に登板!三重奏はピアノ:三浦謙司、チェロ:横坂源。五重奏は加えて第2バイオリン:山本翔平、ビオラ:佐々木亮という今が旬の面子。全曲金川が第1バイオリンでリードした。

この日の彼女は黒地に金糸?が織り込まれた?ような衣装に時々見せるアルカイック・スマイルで、いよいよ弥勒菩薩ぽい。

22日に同じ会場でN響メンバーによる室内楽(弦楽五〜六重奏)を聴いたが、この時は文化会館小ホールとも思えないような乾いた響に大いにがっかりしたので、今日はどうか、と心配しながら第一声を待ったが、何の!横坂源のブンブン鳴るチェロであっさりと不安は吹き飛んだ。
かぶりつきだったこともあるが、弦は生々しくピアノは煌めいている。こうでなくちゃ!

全3曲は、どれもシューマンらしい感情表出に溢れてゾクゾクさせるが、やはり、一番面白いのは五重奏だ。
同編成の五重奏曲の中ではブラームスと並んで最高傑作だと思っている(シューベルトの「鱒」も大好き!だが、こちらは、第2バイオリン無しでコントラバスが入る変わった編成だ。)。
欲を言えば、全員が元気なので、聴いていて心地良いのだけど、アンサンブルの妙という点では、更に彫琢する余地があったような気もした。

五重奏になって加わった佐々木の存在感に比べ山本はやや影が薄かったのは、そもそもそういう音楽なのかもしれないけど。

ともあれ、25日から始まった6連投中の4日目。それが全部素晴らしいコンサートが続いて4戦全勝とは嬉や。

♪2023-054/♪東京文化会館-04

2023年3月27日月曜日

東京都交響楽団 第971回 定期演奏会Bシリーズ 【リゲティの秘密-生誕100 年記念-】

2023-03-27 @サントリーホール



大野和士:指揮
東京都交響楽団
合唱:栗友会合唱団**

バイオリン&声:パトリツィア・コパチンスカヤ*

リゲティ(アブラハムセン編曲):虹~ピアノのための練習曲集第1巻より[日本初演]
リゲティ:バイオリン協奏曲*
バルトーク:《中国の不思議な役人》op.19 Sz.73(全曲)**
リゲティ:マカーブルの秘密*
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リゲティ : バラードとダンス(2つのバイオリン編)*
with 四方恭子





リゲティは(「ルクス・エテルナ」を除き)嫌いだし、都響も普段あまり持ち上げることも少ないけど、このプログラムに限っては絶賛する。

明日も芸劇でやるそうだから、今日聴けなかった人は是非当日券を買って一大パフォーマンスを観に行ってほしい。値打ちものだ。

リゲティの3曲中「マカーブルの秘密」以外は初聴き。

「バイオリン協奏曲」が先ずは聴きもの。
オケの弦編成は変則調弦のバイオリン、ビオラ各1を含んで僅か11本だが、管打鍵は種類も人数も大所帯だ。
音楽は微分音を含むものらしいが、どこが?って感じ。
「ルクス・エテルナ」の管弦楽版擬。微妙な音程の重なりと変化を固唾を飲んで聴いた。

コパチンスカヤの口笛あり、奇声あり、足踏みあり。これらはオケも強要され、客席も求められ、呼応して叫ぶ勇者もあり。


「マカーブル〜」の編成も弦は15本だけだが、管打鍵は大編成。
ソリストは、編成表にも「ソプラノ」と記してある。本来は、歌手が担当するのだと思う。

僕が以前聴いた時は半田美和子の独唱と管弦楽だった。

今回は、コパチンがバイオリンを弾きながら歌った?いや、奇声を発した。
かつて経験していたものの、やはり驚かされた。

コパチンは衣装も独特で、バイオリン協奏曲の時は、以前同様虫食い穴あきのようなドレスで裸足だった。

それが、「マカーブル〜」では死神のつもりなのか極端なメイクに、ドレスには新聞紙や膨らませたレジ袋擬をいくつもぶら下げて登場し、見た目にも圧倒される。これは音楽なのか?と考えるゆとりも与えない強烈なパフォーマンスだった。

プログラムの構成としては、長尺大編成のバルトークを最後に置くのが常識的だが、「マカーブル〜」を先にやったのでは、お客にとてもバルトークを聴く心の準備ができないと考えて、「マカーブル〜」で締め括ったのだろう。正解だ。

さて、バルトーク「中国の不思議な役人」。
組曲版は過去に聴いているが今回は全曲版。
弦16型で管打鍵はこちらも大編成。オルガンに混声4部60人強のボカリーズも。

今回は、よほどリハを繰り返したのか、大野和士のリードが巧かったのか、細部まで、よく整ったアンサンブルで大編成の魅力を十分に発揮した。
大満足也。

♪2023-053/♪サントリーホール-08

2023年3月26日日曜日

第12回音楽大学フェスティバル・オーケストラ

2023-03-26 @ミューザ川崎シンフォニーホール



井上道義:指揮
音楽大学フェスティバル・オーケストラ(首都圏9音楽大学選抜オーケストラ)
 上野学園大学
 国立音楽大学
 昭和音楽大学
 洗足学園音楽大学
 東京音楽大学
 東京藝術大学
 東邦音楽大学
 桐朋学園大学
 武蔵野音楽大学

ヨーゼフ・シュトラウス:「天体の音楽」作品235
伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」(1913)
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ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」から最終曲「いけにえの踊り」


音大オケ・フェスは毎年のように聴いているけど、音大フェス・オケはずいぶん久しぶりだった。
首都圏9音大選抜による弦16型総勢108名?

あまり大きな編成だとプロでも喧しいばかりという例も多々あるが、今日に限っては、この大編成が必然で効果的だった。

ミューザの包容力も相まって、音の洪水に翻弄されて心地良し。
特に、中低域の弦の美しくも力強さには聞き惚れた。

伊福部「シンフォニア・タプカーラ」は初聴きだった東響@ミューザで魅了され、昨秋のミッキー指揮N響の演奏はとりわけ見事だったが、今日の音大オケはダイナミクスや躍動感で肉薄。

さらに管打を増やした「春の祭典」も強力な音圧に塗れてもうランナーズ・ハイ状態だ。
ナマで、管弦楽を聴く喜びというのはこういうものだと実感させる。

サービス満点のミッキーは、アンコールで自ら「生贄の踊り」を舞い(指揮台からではなく)舞台から転げ落ちたかに見えたけど、歳を考えてくだされ。

ミューザ最上層の一部は入場させなかったようだが、視界の及ぶ範囲で客席はてんこ盛り。終演時の拍手・喝采も音大関係者が多かったのだろう、普段の高齢者中心の客席とは違い、元気な若者の迫力で、我がApple Watchは健康上有害なレベルのノイズを検知した。

♪2023-052/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-08