2023年4月15日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第385回定期演奏会

2023-04-15 @みなとみらいホール



沼尻竜典:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ショスタコーヴィチ:交響曲第7番ハ長調 作品60「レニングラード」


過去平均3年に1回程度のショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード」だが、今年は記念年でもないのに大盤振舞い…と思いきや3/18の東京シティ・フィルはダブりでパス。
6/3に日フィルも予定されていたが、ラザレフの休演で曲目が変更に。結局無事生き残ったのが神奈川フィルのみ!

第1楽章冒頭は力強く惹き付けられる。
スネア(最終的には3台)のリズムに乗ってボレロのように繰り返される所謂「戦争の主題」(僕には人を小馬鹿にしているように聴こえるが)は、なかなか頭から離れない。しかし、その後はショスタコ印が其処此処に織り込まれる他は第1楽章に比べ特に耳に残る旋律もなく魅力欠ける。

「壮大な愚策」とも言われたそうだが、それはともかく、聴くのは3年に1回位でいいかと思うよ。

ただし、大規模管弦楽としての魅力はある。
退屈もせず約80分の緊張を維持できるのは、極彩色絵巻を広げて見入るようなものだからか。
神フィルも熱演。
沼さん、新楽季好発進!

♪2023-063/♪みなとみらいホール-13

2023年4月14日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#14

2023-04-14 @すみだトリフォニーホール



佐渡裕:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
辻井伸行:ピアノ*

レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲 P. 172
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 op. 43
ドボルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95 「新世界から」
---------------------------------
ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調 Op3-2「鐘」*
ドボルザーク:スラブ舞曲ト短調 Op46-8




レス・ラフ・ドボ(何のこっちゃ)の名曲ばかりで嬉しや。
「リュートの為の古風な舞曲とアリア第3組曲」はホンに美しい音楽だが、聴くのは第3組曲ばかり。一度全組曲を聴いてみたいものだ。

「パガニーニの主題による狂詩曲」は辻井くんの渾身のピアノに新日フィルの美しい弦の饗宴が見事。

極め付けが「新世界から」だが、丁寧な指揮ぶりにオケも大将の就任祝いの意気込みか十分応えて、繊細なppにも音楽が息づいている。
時々、新日フィルには驚かされる。こんなに弦が美しいなんて、N響も真っ青だよ。

ただ、欲を言えば、第4楽章クライマックスに駆け込む前にテンポを落とした。そこでオケの呼吸が乱れたと思ったね。それまで一糸乱れなかった音楽に、迷いが生じた。
聴かせ処が続くので、どこに緊張と緩和を仕掛けるかが難しい。

日曜日には横浜みなとみらいホールでも同一プログラムを聴くので、それまでに仕上げてほしね。

♪2023-062/♪すみだトリフォニーホール-03

2023年4月13日木曜日

東京都交響楽団 第972回 定期演奏会Bシリーズ

2023-04-13 @サントリーホール



大野和士:指揮
東京都交響楽団

マーラー:交響曲第7番ホ短調(80分)
 Ⅰ Langsam - Allegro risoluto, ma non troppo
 Ⅱ Nachtmusik: Allegro moderato
 Ⅲ Scherzo: Schattenhaft
 IV Nachtmusik: Andante amoroso
 V Rondo - Finale: Allegro ordinario





マーラー交響曲第7番。
あまり好物じゃないので、1回券買ってまでの聴きに行ったりしないし、定期で取り上げられる機会は僅少だし、記録にある限りだと今日で4回目。ただ、どのオケも7番を演る時は気合を入れて看板指揮者が振っている。
読響カンブルラン、東響ノット、N響Pヤルヴィ…そして今日の都響は大野和士。

これまで7番は「夜の歌」という副題が付いていたけど、今回は副題なしでプログラムの解説中にも全く触れられていない。厳密には第2楽章と第4楽章のみが「夜の歌」なのだけど、掌返したような変化にちょいと驚く。

さて、演奏はなかなか良かった。


都響お得意の弦16型の大編成。これが煩いばかりでうんざりすることも少なからず。だが、今日は緻密なアンサンブルでちょうど80分の長尺だったが、ほぼ破綻なし。

…ではあるけど、良かったか?といえば全然つまらない。もう支離滅裂の音楽だよ。構成力がないのか、情緒に任せて無駄に長い。

副題は「夜の歌」改め「馬の小便交響曲」。
この表現が下品なら「牛の涎交響曲」でもいいな。

先に書いたように、多くのオケでも大物が指揮をしているが、あのPヤルヴィ+N響でさえも、失望させたくらいだ。
元が悪けりゃ指揮者やオケがいくら頑張っても良くはならん。
いっそ、2-4楽章だけ「夜の歌」と銘打って演奏してみればどうか。

♪2023-061/♪サントリーホール-09

2023年4月12日水曜日

みなとみらいランチタイムコンサート 〜周防亮介

2023-04-12 @みなとみらいホール



日本フィルハーモニー交響楽団メンバー
弦楽五重奏団
 田之倉雅秋/末廣沙弓:バイオリン
 小中澤基道:ビオラ
 大澤哲弥:チェロ
 宮坂典幸:コントラバス

周防亮介:バイオリン*

シューベルト:弦楽五重奏曲ハ長調 Op.163から第1楽章
パガニーニ:バイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6*
-----アンコール--------------------
A.シュニトケ:ア・パガニーニ*


みなとみらいランチタイムコンサートの久しぶりの復活。
その第1回が日フィルメンバーによる弦楽五重奏団と周防亮介の共演。
彼のソリストとしての演奏は何度か聴いていたが、刮目したのは昨年9月の日フィル定期。まるで集音マイクで拾ったかのような明瞭な音色と豊かな音量。

その後、藤木大地と組んだみなとみらいクインテットでも聴いたが、この時はアンサンブル向けにコントロールされていたが、やはり発音が美しい。
そして初めておしゃべりを聴いたがこれで人柄に好感。
以降、僕にとって要注意の重要なバイオリニストになった。

今日のパガニーニは超絶技巧の塊。

自在なスピッカート、低音から超高域に瞬間移動して小指一本で決めるフラジオレットがピタリと音程のツボに触れるなど抜群のテクニック。

そして、今回も収音マイク付きじゃないかと疑いたくなるほど1678年ニコロ・アマティがみなとみらい小ホールの好音響を得てビンビン響き渡る。午11:30開演にもかかわらず超満員。

♪2023-060/♪みなとみらいホール-12

2023年4月11日火曜日

新国立劇場オペラ:ヴェルディ「アイーダ」

2023-04-11 @新国立劇場



【指揮】カルロ・リッツィ
【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
【照明】奥畑康夫
【振付】石井清子
【再演演出】粟國淳
【舞台監督】斉藤美穂

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【バレエ】東京シティ・バレエ団
【児童バレエ】ティアラこうとう・ジュニアバレエ団

【アイーダ】セレーナ・ファルノッキア(2017オテロ新国立劇場)
【ラダメス】ロベルト・アロニカ
【アムネリス】アイリーン・ロバーツ(ユディット・クタージ)
【アモナズロ】須藤慎吾(フランコ・ヴァッサーロ)
【ランフィス】妻屋秀和
【エジプト国王】伊藤貴之
【伝令】村上敏明
【巫女】十合翔子
(当初のキャスト)

ジュゼッペ・ヴェルディ「アイーダ」
全4幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約3時間50分
第1幕  45分
 休憩  25分
第2幕    45分
 休憩  25分
第3幕    35分
 休憩  25分
第4幕    35分





新国立劇場が初演以来採用しているゼッフィレッリの演出(美術・衣装)は豪華絢爛で、見処・聴き処が多く、休憩込み4時間近いとはいえ各幕は35分〜45分と短く、休憩も3回もあるのでオペラ慣れしていない人にとっても好都合。未見の人には話の種に1回はどうぞ。

個人的にはゼッフィレッリ版というより、ゼッフレッリ新国版には大いに抵抗を感じている。
それは全篇通じて、舞台に天地左右に達する大きな紗幕がかかっていることだ。紗幕は映像を投影する等時に効果的だが、「アイーダ」ではそれもなく、最初から最後まで演技・歌唱は紗幕の内側で行われる。

1-2幕は舞台が明るいからまだ我慢できるが、3-4幕は薄暗い中で、表情も読み取りずらい。いや、2幕後半の凱旋の場だって明るい照明の中で金ピカの衣装や舞台美術を鑑賞したい。
謂わば、彩度・明度を落とし、画素を減らし、ソフトフォーカスの画面を全篇維持する必然性が全く理解できない。

因みに2009年ミラノスカラ座日本公演@ NHKホールはゼッフィレッリの演出だったが紗幕なんぞなかった。


全篇、額縁内を紗幕で覆うというのは、演出の放棄だ。

新国立劇場のスタッフはこの異常な舞台美術に疑問を感じないのだろうか?

アイーダ役セレーナ・ファルノッキアは新国立劇場「オテロ」でも熱演。前半は声が良く出ていない印象だったが、段々良く鳴る法華の太鼓。紗幕越しの褐色に染めた顔はよく分からなかったよ。アムネリスのアイリーン・ロバーツは当初のキャストのユディット・クタージの代役。こちらも良。前回18年もセメンチェクが森山京子に代わった因縁有り。

余談:「アイーダ」円盤は8枚持っている。ゼッフィレッリはMETでも「アイーダ」を演出している筈だが多分未放映・DVDも見つからない。
最近までMET「アイーダ」を演出していたのはソニア・フリゼルで、いろんな歌手で3種類録画有り。
ほぼ、ゼッフィレッリを踏襲していて派手な舞台だ。勿論紗幕はない。

♪2023-059/♪新国立劇場-06

2023年4月8日土曜日

Orchestra Canvas Tokyo 第7回定期演奏会

2023-04-08 @県立音楽堂



山上紘生:指揮
Orchestra Canvas Tokyo

ベートーべン:「コリオラン」序曲
ベートーべン:交響曲第8番ヘ長調 作品93
ベートーべン:交響曲第7番ヘ長調 作品92




Orchestra Canvas Tokyoを初めて知って・聴いた。
東京の一般大学(非音大)を中心に地方大学も含む大学オケの現役とOBの混成部隊のようだ。

プログラムに惹かれて聴きに行ったが、実に痛快な音楽体験だった。
ベト3作品。
コリオラン、交響曲第8番&7番だ。

この3本を並べるのが実に潔い。
ベートーベン真っ向勝負。
いずれも編成は弦12型。

コリオランの冒頭の弦ユニゾンTuttiの気合の入った美音に、まず気持ちを持ってゆかれた。
特に、今日の音楽堂の響きは格別に良かった。弦の摩擦とヤニが飛び散るような生々しい音が程よい間接音を纏っていた。

「笑うベト」8番、「踊るベト」7番も、まさにそのキャッチコピーを表現して納得させる良い出来だった。
キリッと引き締まった12型は、音楽が明瞭で、迷いがなく、ベートーベンが思い描いた音楽はこういう演奏ではなかったか、と思わせた。

個人の力量もアンサンブルも水準が高く、思わぬ拾い物だった。

♪2023-058/♪県立音楽堂-04

2023年4月5日水曜日

東京・春・音楽祭2023 ブラームスの室内楽Ⅹ

2023-04-05 @東京文化会館



バイオリン:矢部達哉、水谷晃*
ビオラ:川本嘉子、横溝耕一*
チェロ:向山佳絵子
ピアノ:ヤン・リシエツキ

ブラームス:弦楽五重奏曲第2番ト長調 op.111*
ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番イ長調 op.26
--------------------------------
ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 終楽章
*水谷、横溝は五重奏曲のみ出演





弦楽五重奏曲第2番とピアノ四重奏曲第2番というの重量級組合せ。

ブラームスは室内楽を少量多品種作曲していて、弦楽五重奏曲は2曲。ピアノ四重奏曲は3曲。

どのジャンルも1番はよく演奏されるけど2番はなかなか聴けない。
今日の2曲はいずれも生では2回目という貴重な経験。

尤も、家で聴く際は大抵1ジャンル全曲続けて流し聴きしているので、2(3)番も馴染んでいるつもりだ。

ところが、今回、弦五は生で第一声を聴くとまるで違う曲のように聴こえて態勢を立て直すのに暫く要した。家で緊張感ゼロで聴いているといっぱい聴き逃しているのを思い知った。

緩徐楽章も第3楽章も哀切溢れ、終楽章は民謡舞曲風なのは他の曲もだいたい同じだ。

後半のピアノ四重奏曲は1人少ないがピアノが加わるのでやはり表現力が段違い。

冒頭の動機部分は約50分の大曲の幕開けにしては心許ないが、これも計算し尽くしているのだろうな。気を持たせながら本当にチビチビと盛り上がる。

これまで気づかなかったが、今回、第2楽章中間部にチャイコも驚くような哀愁の迸りを発見。
終楽章はお約束の?民謡舞曲風に盛上がって幕。

帰宅後気がついたが1〜4楽章の順に演奏時間が短くなっている。完全な頭でっかちだ。

アンコール演奏があった。その冒頭を聴いてすぐ分かった。ピアノ四重奏曲第1番の終楽章だ。2番の後で聴くとやはり1番はいい。

♪2023-057/♪東京文化会館-05