2020年11月15日日曜日

東京都交響楽団 都響スペシャル2020

 2020-11-15 @東京芸術劇場大ホール


小泉和裕:指揮
東京都交響楽団

モーツァルト:交響曲第38番ニ長調 K.504《プラハ》
ドボルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95《新世界から》


2日前にも新日フィルで聴いたばかりのドボルザーク第9番「新世界から」。
最近は、コロナ対策で指揮者やプログラムが変わるのも珍しくない。

リハなしGPだけで仕上げられる曲を並べておけ…てな事は無いだろうが、勘繰ってみたくなるようなプログラムが多い。

半月前の小泉+都響も鉄壁の名曲プログラムだった。

にもかかわらず出来は良くなかった。

しかし、今日はとても好感した。
モーツァルト「プラハ」の弦が芸術劇場とは思えない良い響き。

久しぶりに都響の厚いアンサンブルが戻った。

弦の編成は12型だったが、10型でも十分迫力を失わず、構成感が際立ったのではなかったか?むしろ10型のコンパクトな編成で聴いてみたかった。

「新世界から」は14型で一層重厚な響きを聴かせた。
それこそリハなしでも仕上げられる?手慣れた作品。

気脈を通じた指揮者とオケ。

同じような条件なのに、半月前の演奏とは様変わりにプロフェッショナルの響きを聴かせたのはどうしてかな。

小泉氏のカーテンコールの表情でも”今日は上出来”との満足感が表れていたよ。

因みに、前回と会場は異なった(サントリーと芸術劇場)が、席の位置はほぼ同じで、真ん中より少し後ろの列のほぼセンター。オケを聴くならこの辺が良いバランスだと思っている。

スウィートエリアの狭いホールでも、大体この辺なら間違いはない。

例外が1カ所。

それが今日の会場なのだが、不思議なもので、今日に限っては何の違和感もなく響いてきたのは僕の体調がおかしかったのか?

♪2020-079/♪東京芸術劇場大ホール-01

2020年11月14日土曜日

NHK交響楽団 11月公演

2020-11-14 @NHKホール

熊倉優:指揮
NHK交響楽団

藤田真央:ピアノ*

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 作品54*
J.S.バッハ(レーガー編):コラール前奏曲「おお人よ、おまえの罪に泣け」BWV622
メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 作品90「イタリア」
-----Enc---------------
シマノフスキ作曲:4つの練習曲 作品4 第3曲*

コロナ再開後のN響の演奏会は、休憩なし1時間番組が続いたが、今日はこれまでの罪滅ぼしのように20分の休憩を挟んで前後2曲ずつの盛り沢山のプログラムだった。

メンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」は中間部を除きえらくテンポが遅くて違和感。

アンサンブルも美しくない。

3曲目のバッハのオルガン曲の弦楽合奏版は余りに音が汚いので吃驚。

バイオリン第1-第2に低い重音を割り当ている為もあろうが、それにしてもひどい音だった。

メンデルスゾーン「イタリア」は良い出だしだったが、終楽章のテンポについてゆけない弦の刻みが崩れ気味。

今日のN響は2軍編成なのか!

一人気を吐いたのが藤田君のシューマンだ。

これは流麗闊達。今日の唯一の成果だった。

♪2020-078/♪NHKホール-04

NISSAY OPERA 2020 特別編 『ルチア~あるいはある花嫁の悲劇~』

 2020-11-14 @日生劇場

指揮:柴田真郁
演出・翻案:田尾下哲

読売日本交響楽団

原作:ガエターノ・ドニゼッティ作曲 オペラ『ランメルモールのルチア』
翻案:田尾下哲『ルチア~あるいはある花嫁の悲劇~』全1幕

ルチア⇒高橋維
エドガルド⇒宮里直樹
エンリーコ⇒大沼徹
ライモンド⇒金子慧一
アルトゥーロ⇒髙畠伸吾
アリーサ⇒与田朝子
ノルマンノ⇒布施雅也


コロナ対策版だ。

まあここまで「対策」することはないのにと思うよ。

3幕を1幕に。
3時間を90分に。
舞台に姿を見せるのはルチアと一言も発しない亡霊だけ。
その他は上手・下手に別れた額縁外の紗幕の陰で歌うのみ。

あのアリア、合唱、シーンが無いな…と気になり、一方原作では冒頭に少し登場するだけの亡霊が終始ルチアの心情を代弁するかのように付き纏うので、これも気になる。

あれやこれやで、集中できない。

初めて観た人には筋が分かりにくいだろう。

何度も観ている者には上述の没入阻害要因の為に楽しめない。

さらに言えば、1番の聴かせどころベルカントの狂乱の場の出来がイマイチ。やはり初台で観たペレチャッコとか、映像で観るNデセイ、Aネトレプコと比べちゃいけないのだろうが物足りない。

何はともあれ、まずもって普通の形でやるべきだった。

出演者の健康管理を徹底すれば何の問題もないのに。

♪2020-077/♪日生劇場-01

2020年11月13日金曜日

新日本フィル:#35ルビー<アフタヌーン コンサート・シリーズ>

2020-11-13 @すみだトリフォニーホール


大友直人:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

木嶋真優:バイオリン*

メンデルスゾーン:『夏の夜の夢』序曲 op. 21
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 op. 64*
ドボルザーク:交響曲第9番ホ短調 op. 95「新世界から」


メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲とドボルザークの交響曲第9番「新世界から」という”名曲コンサート”。

もちろん悪く無い。

気取った割には俗臭芬々たる小難しいのより好きだ…が、今日のプログラムはコロナ前から予定されていたと思うが、最近この手が増えてきたので新鮮さには大いに欠ける。

そんな気持ちで聞いていたからか、余計にイージーリスニングになってしまった。

演奏の腕前の問題ではなく、緊張感に不足した。

メンデルスゾーンでは独奏とオケのせめぎ合いなんて全く感じられず予定調和の世界。

「新世界から」も演奏技術は弦の高域にやや難があったほかは悪く無いが、綺麗に流れすぎる。

ま、”名曲コンサート”にはこんな毒にも薬にもならない演奏がふさわしいのか?


♪2020-076/♪すみだトリフォニーホール-04

2020年11月10日火曜日

75BTVN2020ピリオド楽器オーケストラ「第九」❷演奏会

 2020-10-05 @みなとみらいホール


渡辺祐介:指揮

オルケストル・アヴァン=ギャルド
クール・ド・オルケストル・アヴァン=ギャルド

川口成彦Fp*
藤谷佳奈枝Sp
山下牧子Al
中嶋克彦Tn
黒田祐貴Br


ベートーベン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲
ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番ト長調*
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付」/他
-----Enc---------------
ベートーベン:6つのメヌエット WoO.10から第2番*


10月の<驚愕の第九>に続く第2弾が<革新の第九>だ。

キワモノめいた惹句だが、中身は至って真面目。
ベートーベン生存時代の演奏を聴かせようというものだ。

「ピリオド楽器」も「古楽」も曖昧な表現だが、可能な限りその時代(period/ピリオド)に迫ろうというものだ。

今日は、「第九」の演奏に先立って「プロメテウスの創造物」序曲とピアノ協奏曲第4番(いずれもベートーベン)を、先頃第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで2位になった川口くんが”ピアノ”ではなくその時代のピアノというべき”フォルテピアノ”で参加するという豪華版。

金管はバルブがない。
木管はリアルウッド。
弦はガット。
バイオリン・ビオラに顎あて・肩あてなし。
チェロはピンなし。
奏法はノンビブラート。


フォルテピアノは初めて聴いた訳ではないがオケと協奏曲というのは初めて。

さすがに音が小さいが耳を済ませて聴いているうちに、ああ、これがベートーベンの時代の音楽なんだと、何やら不思議な懐かしさを感じた。

古楽アプローチによる宗教曲などはたまに聴くがコンサートプログラムは初めて。

ガット弦・ノンビブラートならではのシャキシャキした響きが実に心地よい。スチールは音楽をダメにしたんじゃないか、と途中思ったりもした。

「オルケストル・アヴァン=ギャルド」なるオケの実態は解説を読んでもよく分からないが、今回の為のニワカ仕立てではなさそうだ。BCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)のメンバーを中心にN響などの若手名手で構成されている。

これが実にうまい。

尤も福川名人にもナチュラルホルンは難しそうだったが、あの楽器ではモダン楽器のような撥音の明瞭さを期待すべきではないのだろう。

初めての指揮者・渡辺祐介もよく統率して、嫌味がない。

一方、2楽章の終わり方などフワッと消えるようで、これが洒落ていた。

4楽章はレシタティーヴォに個性が出るところだが、とても自然で好感。 

今年2回目の「第九」だった。
声楽入りの本格的「第九」は最初だったが、いきなり真打登場の感あり。

前・みなとみらいホール館長の池辺晋一郎が駄洒落混じりの解説。どうでもいいような中身だったが、この企画・監修はいい仕事をしてくれた。

♪2020-059/♪みなとみらいホール-19

2020年11月3日火曜日

11月歌舞伎公演第2部

 2020-11-03 @国立劇場

梅野下風・近松保蔵=作
●彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)-毛谷村-

 国立劇場美術係=美術

第一場 豊前国彦山杉坂墓所の場
第二場 同   毛谷村六助住家の場

●上 文売り(ふみうり)
 下 三社祭(さんじゃまつり)
                     清元連中

●彦山権現誓助剣 -毛谷村-
 毛谷村六助                   片岡仁左衛門
 一味斎娘お園                片岡孝太郎
 杣人斧右衛門                坂東彦三郎
 一味斎孫弥三松               小川大晴
 家人佐五平       片岡松之助
 微塵弾正実ハ京極内匠      坂東彌十郎
 一味斎後室お幸      中村東蔵
                                     ほか
●上『文売り』
 文売り    中村梅枝

●下『三社祭』
 悪玉                          中村鷹之資
 善玉   片岡千之助


国立劇場では再開した先月から2公演制(歌舞伎座は4公演制)だ。12月も同様なので、しばらくこの形が続くのだろうか?

すると、恒例のお正月の菊五郎劇団のスペクタクル活劇はどうなるのか心配だ。とても2公演制のような2時間半では収まらないから。


さて、今日は仁左衛門の「毛谷村」を観た。

正式には「彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)-毛谷村-」。


客席はまだ、市松配置ではあるが人気者の仁左衛門登場とあってお客は多かった。


この「毛谷村」はこれまでに色んな配役で観ている。

今回同様の仁左衛門・孝太郎コンビでも観た。まあ、安定の布陣で楽しめる。

が、菊五郎・時蔵のコンビが面白かったな。

今回、見逃したとしたら孝太郎に申し訳ないが、六助(仁左衛門)の女房・お園(孝太郎)が腕っ節は強いが、急に女ぽくなるおかしさなどはもっとしっかり観たかった。


また、本来はこの続きがあるのだろうけど、仇討ちの話なのに、仇討ちに出発するところで終わってしまうのが隔靴掻痒の感を免れ得ず。

♪2020-074/♪国立劇場-09

11月上席 金時改メ五代目三遊亭金馬襲名披露興行

 2020-11-03 @国立演芸場


落語 古今亭志ん吉⇒
二階ぞめき
落語 三遊亭金朝⇒初天神
奇術 マギー隆司
落語 春風亭小朝⇒荒大名の茶湯
落語 柳亭市馬⇒穴泥
-----仲入り-----
口上 金朝、小朝、金馬、小さん、市馬
落語 柳家小さん⇒粗忽の釘
粋曲 柳家小菊
落語 金時改メ三遊亭金馬⇒中村仲蔵


今月の上席は、三遊亭金馬の息子・金時が五代目金馬を襲名した披露興行だ。
四代目金馬は金翁を襲名したが、国立演芸場での上席には2日間のみの登場で、今日は出演しなかった。90歳を超えている現役は最高齢かな。

ともかく、五代目金馬の誕生を祝ってか、珍しく話巧者が揃って聴き応えがあった。

春風亭小朝の頭の回転の良さや博識ぶりが以前は嫌味にさえ感じたが、彼も歳をとり、僕も歳をとって、あまりこだわりがなく楽しめた。実は小朝を生で聴くのは始めてだったがいやはや巧い。達者なものだ。

あまりに巧い噺を先に聴いたので、こちらも達者な市馬さえ少し霞んでしまった。

小さんが、彼の格にしては軽い噺だったのは残念。

さて、真打は当然、金時改メ金馬だ。

「中村仲蔵」を演った。

コレが巧いのなんのって。

話の筋はすっかり分かっているのに乗せられる。

ついウルッときてしまった。

本来は、もっと泣かせることができる話だが、そこをさらりと通り過ぎてゆく軽さがいい。

立派な五代目の誕生に接することができたのは良い思い出になるだろう。

♪2020-073/♪国立演芸場-08