パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
NHK交響楽団
アリョーナ・バーエワ:バイオリン*
R.シュトラウス:バイオリン協奏曲ニ短調 作品8
ハンス・ロット:交響曲第1番ホ長調*
-----アンコール-----
イザイ:無伴奏バイオリン・ソナ第5番ト長調 作品27-5から第1楽章「曙光」*
ハンス・ロットのゴテゴテした音の厚塗りも透明感を得て管弦楽の妙となる。同日さほど時を置かずに2回目を聴いたせいもあるが、全体の骨格も見通しが良くなった。
とはいえほぼ全曲にわたって全奏・強奏が鳴り響く音楽は、スペクタクル巨編の映画音楽かゲーム音楽のようで、訴え方がモロに原始脳を刺激するので品が無く、聴いてい大いに疲れる。
多くの人は、コンテンツではなくこの音楽が纏う悲劇性というコンテキストに気持ちを奪われた結果心を寄せるのではないか、と思っているが、かくいう僕もブラームスが「美しい部分もあるが、残りは平凡で無意味」と手厳しく看破したというエピソードに囚われているのかもしれない。
R.シュトラウスのバイオリン協奏曲はCDで多少馴染んでいるけど、ナマは初聴きだった。適度にロマンチック。適度な叙情性。これがなんと17歳の作品とはとても思えない。
ハンス・ロットの交響曲が22歳の作品だが、これに比べてもとても老成した感がある。栴檀は双葉より芳しか。
バイオリン独奏は、こちらも初聴きアリョーナ・バーエワ嬢。アンネ・ゾフィー・ムターの若い頃に感じがよく似ている。妖艶で見た目も楽しませる。ステージから袖に引っ込む時に深く割れたドレスの襞が開いて長い美脚がチラと見えたぞ。
♪2019-014/♪NHKホール-01