2019年2月15日金曜日

東京フィルハーモニー交響楽団 第916回サントリー定期シリーズ

2019-02-15 @サントリーホール


チョン・ミョンフン:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

マーラー:交響曲第9番ニ長調

何度聴いても捉えどころのないマーラー9番。東京フィルハーモニー交響楽団は定期会員ではないので1回券を買って聴きに行った。

今回も予習の為にCDでも何度か聴いたが、今回は、目下ベルリン・フィル・デジタル・コンサート・ホールの試聴期間中でもあるので、ベルリン・フィルの演奏でも2回も予習したせいもあってか、相当期待値が上がっていた。

東京フィルの演奏は、冒頭の弱音でのハープ、弦に乗る形の管楽器がモタついて先行き不安になってしまった。
この辺りはベルリン・フィルの連中は名人揃いだなあと思う。しかし、その後は持ち直して驚異的なアンサンブルが炸裂した。

特に、第2・第3楽章の賑やかな部分の迫力は、弦5部の編成が、第1バイオリンから順に16-16-14-10-10という変則の大編成が功を奏したか久々にゾクゾクする重厚な管・弦・楽の響を楽しんだ。

第1バイオリンと第2バイオリンが同数で、コントラバスが10本というのもあまり例がなく、時々音大の合同演奏会などでコンバス10本を経験することはあるが、プロオケでは「千人の交響曲」くらいの規模になるとあり得るだろうけど、他は思いつかない。
つまり、オーディオの世界では高音域と低音域を持ち上げるドン・シャリ型で、褒められた形ではないけど、ナマのオケでは時にこれが効果を持つということを実感した。
重厚なアンサンブルだが、その重さが並みのものではなかった。マーラーはこれを求めたのだろう。そしてこのような楽器の編成がマーラーの意図に沿うものだとチョン・ミョンフンは考えたのだ。おそらく、正解だったと思う。

また、今回のサトリーホールにおける席は、SS席のど真ん中で、好みは別にして、サントリーホールとしての極上音響をこの重厚長大音楽で確認できたのは幸運だった。

好みで言えば、今回の席より数列、前の方が音圧にまみれることができるので好きだけど、そのエリア(S席)が既に売り切れで、SS席しか残っていなかったのだ。不幸中の幸いはSS席は定期演奏会にしてはあまりに高い(1万5千円)ので、多くが売れ残っていたので、せめてもの真ん中を取れたのが良かった。

定期演奏会でSS席を設定しているのは東京フィルだけではないだろうか?尤も、他のオケでは同じエリアもS席だが、なぜか、取ることができない。ほとんどがスポンサーか関係者への招待席として非売席になっているように思う。

♪2019-018/♪サントリーホール-02