ユーリ・テミルカーノフ:指揮
読売日本交響楽団
ニコライ・ルガンスキー:ピアノ*
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23*
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 作品27
----アンコール----
ラフマニノフ:前奏曲作品32-12*

独奏ピアノのルガンスキーは生では初めてだが、ラフマニノフの前奏曲集などのCDを持っていいて時々これを聴いているので、親しみを感じながら聴いたが、94年のチャイコフスキーコンクール最高位入賞だそうで、当然にバリバリと聴かせてくれた。
冒頭のホルンの四重奏の豊かな響にまずは気持ちを惹かれた。ピアノが何重音か知らないけど、4分音符で力強く入ってくるとその最低音をコンバストビオラがユニゾンで補強するその響がこれまた素晴らしい。始めよければ終わりよし、すっかり術中に嵌った感じで最後まで楽しむことができた。
ラフマニノフの「交響曲第2番」は3曲ある交響曲の中では一番聴く機会が多い。そして1番はCDでは聴くことがあるが、ナマでは聴いたことがない。何と言っても2番が一番聴きやすいと思う。とりわけ、第3楽章のAdagioは叙情的メランコリックでいかにもラフマニノフといった感じの美しい音楽だ。第1、第2楽章なんか、この第3楽章を聴かせるための手続きとして存在しているようなものだ。
ただし、長い。
今日の演奏は予定時間が60分。実際には3分ほど短かったのではないかと思うが、それにしても長い。
それでかつては短縮版というのが作られていたそうだが、我が家の手持ちCD2枚はユージン・オーマンディ版がその短縮版で49分、ポール・パレー版が46分なので何らの説明もないがこれも短縮版なのだろう。第1楽章の提示部の繰返しを省略する演奏もあるようだが、それだけで10分以上短くなるとは思えない。
長い音楽だけど、今日の読響のアンサンブルはチャイコに引き続き上出来だった。弦の高音部で時にキンキンする(ピッチのズレではないか。)事があるが、今日はそういう場面が全然なくて、心地よい”管弦楽”の面白さを味わった。

♪2018-017/♪みなとみらいホール-06