2018年2月12日月曜日

読響第101回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2018-02-12 @みなとみらいホール


ユーリ・テミルカーノフ:指揮
読売日本交響楽団
ニコライ・ルガンスキー:ピアノ*

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23*
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 作品27
----アンコール----
ラフマニノフ:前奏曲作品32-12*

チャイコ第1番は昨夏にN響+フェドセーエフ+ボリス・ベレゾフスキーというコンビで豪快な演奏を楽しんだが、今日もとても良かった。
独奏ピアノのルガンスキーは生では初めてだが、ラフマニノフの前奏曲集などのCDを持っていいて時々これを聴いているので、親しみを感じながら聴いたが、94年のチャイコフスキーコンクール最高位入賞だそうで、当然にバリバリと聴かせてくれた。

冒頭のホルンの四重奏の豊かな響にまずは気持ちを惹かれた。ピアノが何重音か知らないけど、4分音符で力強く入ってくるとその最低音をコンバストビオラがユニゾンで補強するその響がこれまた素晴らしい。始めよければ終わりよし、すっかり術中に嵌った感じで最後まで楽しむことができた。

ラフマニノフの「交響曲第2番」は3曲ある交響曲の中では一番聴く機会が多い。そして1番はCDでは聴くことがあるが、ナマでは聴いたことがない。何と言っても2番が一番聴きやすいと思う。とりわけ、第3楽章のAdagioは叙情的メランコリックでいかにもラフマニノフといった感じの美しい音楽だ。第1、第2楽章なんか、この第3楽章を聴かせるための手続きとして存在しているようなものだ。
ただし、長い。

今日の演奏は予定時間が60分。実際には3分ほど短かったのではないかと思うが、それにしても長い。
それでかつては短縮版というのが作られていたそうだが、我が家の手持ちCD2枚はユージン・オーマンディ版がその短縮版で49分、ポール・パレー版が46分なので何らの説明もないがこれも短縮版なのだろう。第1楽章の提示部の繰返しを省略する演奏もあるようだが、それだけで10分以上短くなるとは思えない。

長い音楽だけど、今日の読響のアンサンブルはチャイコに引き続き上出来だった。弦の高音部で時にキンキンする(ピッチのズレではないか。)事があるが、今日はそういう場面が全然なくて、心地よい”管弦楽”の面白さを味わった。

ユーリ・テミルカーノフという指揮者は2015年から読響の名誉指揮者だそうだが、就任時に振って以来2年5ヶ月ぶりに読響の指揮台に立ったそうだ。そう言えば、記録を見ると2015年5月にリムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」やラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲ニ長調」などを聴いている。指揮ぶりはごく地味で華やかさは微塵もなく淡々と職人仕事をしているという感じだ。「シェエラザード」で独奏バイオリンを担当したのが、読響の特別客演コンマスの日下紗矢子で今日も彼女がコンマスを努めた。彼女はなかなか好感が持てる。いかにもコンマスといった弾きぶりが見ていても感じがいい。

♪2018-017/♪みなとみらいホール-06