2016-01-30 @県民ホール
大井剛史:指揮
萩原麻未:ピアノ*
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調作品21*
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」 作品64全曲(52曲)版から20曲抜粋
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アンコール*
ショパン:ワルツ第6番作品64-1「子犬のワルツ」
神奈川フィルのソロ・コンサートマスターは石田泰尚氏だ。コワモテのあんちゃんぽい風貌だけど、シャキッとしていかにもコンマスらしい。指揮者にも一目置かれているらしいのがコンサートの様子でも分かる。
室内楽などの独自活動もしているせいか、最近は、「ソロ」の付かない若いコンマスが登場する場合が多く、石田御大の出番は少なかったが、本日は久々の登場だった。この人のファンも多いようだ。確かに、このコンマスが登場すると楽団全体が引き締まるような気もする。
この日の演奏は、全体としてなかなか良かったが、コンマスのせいだろうか。
ショパンのピアノ協奏曲は2番だけど作曲順は1番。
有名な1番よりえらく抑制的だけどピアノはとても難しそう。
萩原麻未はジュネーヴ国際音楽コンクールで日本人として初優勝した人だ(2010年)。テクニックは一流なのだろう。それでも音を外した箇所があったが、生演奏の勢いの良さがあるから気にならない。
とてもエネルギッシュな手振り身振りで紡ぎだす、あるいは叩き出す音楽はおよそ聴き慣れたショパンのものなので、まあ、正統的な解釈に沿った演奏だったのだと思う。
その彼女がアンコールに弾いた「子犬のワルツ」は過去に聴いた中で最速の部類。アンコールゆえのお遊びもあったのかもしれないし、これまで聴き慣れていないだけでこういう超高速演奏が「子犬のワルツ」の本来の姿なのかもしれないが。
わあ、すごい!と思わせるには十分だった。
この曲ではピアノ以外にも第3楽章のホルンのファンファーレがとても目立つのだけど、この日はしっかり決めてホッとしたよ。
「ロメジュリ」は、これまでは「組曲」として聴くことが多かったが、今回は全曲盤からの抜粋だった。組曲には入っていない(初めて聴く)曲もあって面白い。
60分の長大作もだれることがなかった。
大井剛史という人の指揮も初めてだったが、コンマスが派手目の人だけにもう少しハッタリを利かせても良かったろう。手堅く誠実という印象を受けたもののなんだか存在感が希薄だった。
それにしても、この日の県民ホールは空席が目立った。
ここでの神奈フィルも相当の回数聴いているけど、過去に経験がないような空席ぶりだった。
地味なプログラムだからやむを得ないのかったか。
せっかく、2人の客演を招いたのに残念なことだった。
♪2016-011/♪県民ホール-01