2016年1月16日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第315回

2016-01-16 @みなとみらいホール


モーシェ・アツモン:指揮
佐藤俊介:バイオリン*
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ブラームス:バイオリン協奏曲ニ長調 作品77
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 作品73
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アンコール*
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンソナタ第2番イ短調から第3楽章 Andante


大好きなブラームスプログラム。

せっかく好きな音楽を聴くのに、演奏のあら捜しするのは邪道だと思っているけど、やはりいつも気になってしまう。
それはホルンが失敗しないかどうかだ。

バイオリン協奏曲の出だしが良かった。中低域の弦とファゴットではじまり少し遅れてホルンが乗るのだけど、これが第一関門だったが、まずまずの出来栄え。

その後も危なっかしいところはあったけど、いや、現に吹き損じた箇所もあったが、まあ、生演奏の許容範囲だ。

交響曲も同様で、聴き耳たてなきゃ通りすぎてゆく程度の問題にとどまった。

神奈川フィルはホルンパートさえ腕を上げたら、その他のパートは相当な腕前なので、在京一流オケと遜色ないと思うのだけどナントカならないものかと思う。

そんな具合で、今回は大きな破綻もなく音楽が進んだのは同慶の至りだ。

ブラームスはすばらしい。
特に交響曲第2番は、長年その真価が分からないできたので、大いに楽しめるようになった最近はナマで聴くのが大きな喜びだ。

モーシェ・アツモンの解釈は、多分、オーソドックスなもので、初めて聴く指揮者だけど何の違和感もなく音楽に入り込めた。
的確な指揮ぶりのように見受けた。オケも十分それに応えていた。

佐藤俊介も初耳だったが、気持よく弾いていたので気持ちよく聴けた。ソリストとして登場するくらいだから当然ながら問題なし。
それにブラームスの曲作りがうまいのだろう。
先日、都響とイザベル・ファウストのメンコンを聴いたが、曲の作り方の違いや席が遠かったせいもあるだろうけど、スリリングな競演は感じられなかったが、この日の佐藤俊介の演奏は、独奏対管弦楽の緊張感ある絡み合いが音楽を盛り上げた。ここはアツモンの手際の良さも大いに寄与しているように思った。

それにしても、協奏曲といい、交響曲といい、ブラームスの作品には熱いエネルギーが隅々にまで充満していて、それでいて過剰になり過ぎない節度が知的だ。
僕が感じている以上にブラームスは偉大なのかもしれないな。


♪2016-006/♪みなとみらいホール-02