2015年7月17日金曜日

N響「夏」2015 東京公演

2015-07-17 @NHKホール


マイケル・フランシス:指揮

樫本大進:バイオリン*
クラウディオ・ボルケス:チェロ*
NHK交響楽団

ブラームス:バイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102*
ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68
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アンコール
ブラームス:ハンガリー舞曲第4番(管弦楽版)



実は、NHKホールの最前列で聴いた。
ネットでチケットを買うときに表示されていた座席表では5列目だった。これでも前すぎるけど、ほかにセンター寄りの席で適当なのがなかったので、まあ、5列目くらいならソリストの音もよく聴こえるし受忍限度内かと思ったのだけど、購入後定期演奏会の座席表で確認すると、なんと前の4列が存在しない。

かつては椅子が並べてあったのだろうが、今は舞台がせり出して4列分を侵食しているのだ。それで5列目の席が最前席という訳だ(にもかかわらず4列が表示されていた。)。
そこでN響プレイガイドに問い合わせたら、不正確な座席表を表示したことについて謝罪し、席の変更に応ずるというが、既に状況はもっと厳しくなっていたので最前列で我慢することにした。


迫力はある。ソリストの音も明瞭に聴こえる。弦はガリガリとやにを飛ばすような乾いた原音で迫る。

しかし、バランスの悪さはどうしようもない。
管・打楽器が弦楽器の圧倒的なボリュームにかき消されて、遠くで鳴っているのだ。そのために、管弦楽全体としては2階席や3階席で聴くときよりむしろ迫力に欠けるのが不思議だ。ティンパニーのfffでさえひ弱に聴こえる。



これがN響の音か?
まるで、音楽になっていないではないか。

それに最前列は楽器の配置も見渡せないので、視覚で音楽を聴くという部分がまったくもって損なわれてしまう。

どこのホールでも最前列で聴いた経験はないものの、3~5列目なら聴いたことはあるが、こんなにひどいことはなかった。

おそらく、NHKホールというビッグサイズが問題なのではないか。
舞台寄りのスペースではエアポケットができていて、ここには本来天井や壁、座席に当って跳ね返ってくる残響が全く届かないのではないだろうか。

この現象は最前列だけではないだろう。
NHKホールの場合は、1階は前から何列目までかは知らないけどオーケストラの配置が見通せない場所はたぶん音も悪いと思う。

そんな次第で、大好きなブラームス。
初めて生を聴く樫本大進のバイオリン。
とても楽しみにしていたのに音楽どころではなかった。



♪2015-66/♪NHKホール-06