2015年7月26日日曜日

横浜交響楽団第664回定期演奏会

2015-07-26 @県立音楽堂


飛永悠佑輝:指揮
足立歌音:ソプラノ*
2014年第87回全日本学生音楽コンクール 声楽高校生の部全国1位、横浜市民賞受賞者
横浜交響楽団

1 チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」
2 オペラアリアの名曲<プッチーニ特集>*
 「ラ・ボエーム」から”私の名前はミミ”
 「ジャンニ・スキッキ」から”私のお父さん”
 「蝶々夫人」から”ある晴れた日に”
3 J.ウィリアムズ:「スター・ウォーズ」組曲
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アンコール
平井康三郎「平城山」(ソプラノ+ピアノ)
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマ(管弦楽)


「くるみ割り人形」全8曲は、まずまず楽しめた。
バレエ音楽が元でそこから組曲が編曲されたものだと今日までなんとなく思い込んでいたけど、バレエ音楽の作曲途中でこの組曲版が先に完成して初演されたそうだ。

なるほど、そんな訳で、組曲の構成はチャイコフスキーが作曲したとおりに今も維持されているのか。

因みにチャイコフスキーの三大バレエ「くるみ割り人形」、「白鳥の湖」、「眠れる森の美女」の音楽に関して組曲版があるのはこの「くるみ割り人形」だけだ。
他の2作もその音楽がバレエとは独立して演奏されるけど、それはその時々に演奏家によって選択されるバレエ音楽の集合体で、それゆえに確定した構成はないらしい。
たいていは<バレエ音楽>と称されており、稀に<組曲>という表記もあるが、それぞれに選曲は微妙に異なっている。

「スターウォーズ」組曲はもちろんあの映画の音楽から作曲者ジョン・ウィリアムス自身によって編曲構成された<組曲>で、全5曲で構成されている。
詳しいことは知らないけど、最後の第5曲が「王座の間とエンドタイトル」なので<組曲>全体は、最初に公開されたエピソードⅣで使った音楽を素材にしているのだろう。

なかなか勇ましい良い演奏だったけど、この数日前にベルリン・フィルのワルトビューネコンサート2015の放映で「スター・ウォーズ」メインテーマを聴いてしまっているので、つい比べてしまうが、もちろん、横響はナマならではの迫力に満ちた演奏を聴かせてくれた。


で、本日の白眉は藝大1年生の足立歌音さんのソプラノだ。
昨年の全日本音楽コンクール声楽・高校の部で横浜市民賞を受賞(同時に全国1位)したことが、今回の横響との共演につながった。
世界的な演奏家を輩出しているコンクールで1位というのは大変な実力、可能性を秘めているということだろう。素人目(耳)には既に完成されているようにも感じたが、よく通る声がオーケストラの伴奏にも負けず場内を響き渡った。

とりわけ、アンコールではピアノ伴奏で、コンクールの際に歌ったという「平城山」を聴かせてくれたが、これが、元々日本人のDNAを刺激して泣かせるような名曲だが、それを澄んだソプラノで朗々と歌い上げてくれたのには、胸が熱くなってしまった。


このコンクールで1位になった高校生は、いつからか知らないけど、春の選抜高校野球の開会式で君が代を歌うことになっているそうで、帰宅後Youtubeで検索したらちゃんとあった。当然、君が代もうまい。
この古臭い歌は国歌として如何なものかと思っているけど、上手な人にかかればえらく名曲に思えてくる。


♪2015-70/♪県立音楽堂-08