2019年2月26日火曜日

川本嘉子と仲間たちによる「ベートーベン弦楽四重奏コンサート」

2019-02-26 @みなとみらいホール


川本嘉子:バイオリン&ビオラ
須山暢大:バイオリン
横溝耕一:バイオリン&ビオラ
宮坂拡志:チェロ

オール・ベートーベン・プログラム
弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 作品74
弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 作品131

公益法人国際音楽芸術振興財団という組織が無料で小規模なコンサートをみなとみらいホール小ホールで開催するのをfacebookで知ってNETで申し込んだ。

N響ビオラ首席の川本女史以外は知らない人ばかりだったが、チラシに書かれたプロフィールでは1人は大フィルのコンマス、2人はN響奏者だった。てことはN響の3人は定期演奏会やEテレのクラシック音楽館で日頃見ているらしい。次の機会に気にかけてみよう。

四重奏団の名前もなく、「仲間」と言っても、俄か作りのカルテットではないのかな。

久しぶりの弦楽四重奏、それもベートーベンのカチッとした構成力に富んだ音楽はとても心地良いのだけど、さらにアンサンブルの妙を感ずるまでには至らなかった。
個々の器量は問題ないのだろうけど、やはり、日頃から合わせていないと、曰く言い難いチームプレーが生み出す感興を生み出すまでには至らないのではないか。

♪2019-024/♪みなとみらいホール-07

初世尾上辰之助三十三回忌追善 二月大歌舞伎 昼の部

2019-02-26 @歌舞伎座


初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言
一 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)〜すし屋
いがみの権太⇒松緑
弥助実は三位中将維盛⇒菊之助
娘お里⇒梅枝
若葉の内侍⇒新悟
梶原の臣⇒吉之丞
梶原の臣⇒男寅
梶原の臣⇒玉太郎
六代君⇒亀三郎
弥左衛門女房おくら⇒橘太郎
鮓屋弥左衛門⇒團蔵
梶原平三景時⇒芝翫

初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言
長谷川 伸 作 / 村上元三 演出
二 暗闇の丑松(くらやみのうしまつ)
暗闇の丑松⇒菊五郎
丑松女房お米⇒時蔵
浪人潮止当四郎⇒團蔵
料理人作公⇒男女蔵
料理人伝公⇒彦三郎
料理人巳之吉⇒坂東亀蔵
料理人祐次⇒松也
建具職人熊吉⇒萬太郎
建具職人八五郎⇒巳之助
杉屋遣手おくの⇒梅花
湯屋番頭甚太郎⇒橘太郎
お米の母お熊⇒橘三郎
杉屋妓夫三吉⇒片岡亀蔵
岡っ引常松⇒権十郎
四郎兵衛女房お今⇒東蔵
四郎兵衛⇒左團次

三 団子売(だんごうり)
杵造⇒芝翫
お臼⇒孝太郎

「義経千本桜」から「すし屋」の段。
「義経千本桜」は五段続きだそうな。そのうちのいくつかは歌舞伎と文楽で観ていたが、「すし屋」は初めてだった。

凡その筋は知っているものの「すし屋」の前段に当たる「小金吾討死」の話が前に置かれるのかと思ったていたがそうではなく、いきなりの「すし屋」で、少しまごついた。予習しておいてよかったよ。

しかし、権太=松緑、維盛=菊之助の配役は、当代では最適・最好のコンビではなかったか。いずれも初役ということで、多分、厳しい目にはまだ役がこなれていないのだろうが、僕の目には十分楽しめた。この2人で再演を観たいものだ。

「暗闇の丑松」も初見。これは興味深い物語だった。
昭和初期の作品で、新歌舞伎といわれるジャンルだ。
新劇のような凝った構成と演出に唸る。
止むを得ず人を殺め、人混みの中に消えてゆく幕切れは「夏祭浪花鑑」を思わせた。底辺に暮らす無法者となった男や哀れ。

♪2019-023/♪歌舞伎座-01







2019年2月23日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホール名曲シリーズ 第4回

2019-02-23 @県民ホール


川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
神奈川フィル合唱団

浜田理恵:ソプラノ
山下牧子:メゾソプラノ
宮里直樹:テノール
妻屋秀和:バス

ヴェルディ:レクイエム

今年2回目のヴェルディ「レクイエム」。
1月のヴィオッティ+東響の演奏があまりにも良かったので、それを上回るのは無理だろうが、できれば肉薄する演奏を期待したい…と思いながら出かけたが、それは杞憂。こちらもなかなかの出来栄えだった。

県民ホールは客席だけでなく舞台も大きいので、その面から若干残念な部分はあった。

声楽独唱はオケの後ろ、合唱団の前に位置した。
合唱は120人位いたか。かなりの大所帯で迫力あり。
それに舞台は間口も広いが奥行きが相当深い。
それだけに声楽ソロが合唱と重なるところでは埋没しがちで、ラクリモーザやリベラ・メ等美しいソロをもっとよく聴きたかった。その為には、声楽独唱だけは、ステージ前方、オケより客席側での歌唱が効果的だったと思う。

もう一つは、大太鼓のサイズが小さかったのが残念。
たかが太鼓1個と謂う勿れ。ヴェル・レクにおいてはオーケストラ中最も大事な楽器なのだから。

いや、あれで相当に大きいのかもしれないが、大きなステージにあっては、存在感が今ひとつ。現に、音圧が物足りない。

「怒りの日」における強烈な裏拍打ちは思い切り大きく、重くて低い衝撃音を聴きたい。それが不足した。

神奈川フィルの演奏は案外控えめで、声楽ソロや合唱を前面に出していたように思う。さりとて音圧に不足もなく、良いバランスだったと思う。
また、全曲にわたって、90分近い長尺をたぶんノーミス(気付かなかっただけかもしれないが)で演奏したのもこれは珍しい。

神奈川フィルの演奏を東響より先に聴いておれば、こちらに軍配を挙げたかもしれないな。

♪2019-022/♪県民ホール-02

2019年2月20日水曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~名手と楽しむヨコハマの午後〜 宮田大&ジュリアン・ジェルネ

2019-02-20 @みなとみらいホール


宮田大:チェロ
ジュリアン・ジェルネ:ピアノ

【第1部】ファンタジーワールドへのいざない
サン=サーンス:白鳥
プロコフィエフ:バレエ音楽「シンデレラ」よりアダージョOp.97bis
ヤナーチェク:おとぎ話JW Ⅶ/5
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲 P.172

【第2部】ピアソラのタンゴの世界へ
ピアソラ:オブリビオン
ピアソラ:グランタンゴ
ピアソラ:ブエノスアイレスの四季

----アンコール-------------
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲から第18曲
ピアソラ:リベルタンゴ

チェリストの中で1番聴く機会が多いのが宮田大。音の良さでも1番かな。柔らかくて甘さがあって、かつ脂を飛ばす勢いのある音も綺麗だ。
第一部はファンタジックな名曲を、第二部はピアソラの作品ばかりで、計2時間強。語りも入って楽しく堪能できた。

♪2019-021/♪みなとみらいホール-06

2019年2月19日火曜日

イブラギモヴァVn/ティベルギアンPf ブラームス:バイオリン・ソナタ全曲演奏会

2019-02-20 @みなとみらいホール


アリーナ・イブラギモヴァ:バイオリン
セドリック・ティベルギアン:ピアノ

ブラームス:バイオリン・ソナタ第1番ト長調「雨の歌」作品78
 〃:バイオリン・ソナタ第2番イ長調 作品100
 〃:バイオリン・ソナタ第3番ニ短調 作品108
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クララ・シューマン:3つのロマンス 作品22ー1

イブラギモヴァは3度目。ティベルギアンは初聴き。が、15年来日時の2人によるデュオ・リサイタルがBSのクラシック倶楽部で放映され、録画したものを何度か視聴しているので昔なじみと再会した気分もあり。

イブラギモヴァのナマ演奏経験は過去2回はいずれもオケ定期での協奏曲で、好感していたので、今回はその美貌?も楽しみにして前から2列目の真ん中に席を確保。最前列も取れたけど何やら照れることもないのに腰が引けて…。

今回15年の演奏会録画を聴き直したが、このコンビによる演奏会は基本的に同一作曲家を取り上げるのだそうだ。この時はモーツァルトのソナタ集で、今回はブラームスのソナタ全曲。

15年来日時の演奏会
全曲といっても、ブラームスの場合、多品種少量生産で、他楽章形式・同一ジャンルで番号付きのものは交響曲の4作が最高で、ほとんど3作止まり。バイオリン・ソナタも全3曲だ。

さて、イブラギモヴァとティベルギアン、息の合った2人よる大好きなブラームスの世界をまったく何らの不満もなく堪能できた。
作品番号順に演奏されたが、どれも全てが同じように楽しい。コンビの巧さはもとより改めてブラームスの才人ぶりを思い知った。

肩当ては食器洗い用スポンジ
近くで見る彼女は正面から見る限りチラシと同じ顔つきで実年齢33歳よりもっと若く見えるが、横から見ると相当貫禄が出ている。15年来日時の演奏会と比べると、楽譜がiPadに変わり短髪が一層短くチコちゃんぽく(後ろは刈り上げ!)なったほか演奏スタイルは全く変わらない。
堂々として形が決まった演奏を聴き、演奏スタイルを見ていると、とても三十路の入り口に立っているとは思えない。

ブラームスのバイオリン・ソナタ全曲は、来月、川久保賜紀&小菅優でも聴くので楽しみにしている。ティベルギアンも同じく3月に単独リサイタルを聴く。これも楽しみ。

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余談だが、ブラームスの番号付き作品では、好みの順番をつけるのが実に難しい。
例えば、4曲ある交響曲のどれが一番好きか、これは答えられない。ピアノ・ソナタも3曲で順番をつけることは難しい。2曲あるチェロ・ソナタでも同じ。

これは、ハイドンはもとよりモーツァルト、ベートーベンなどと異なって同一ジャンルの作品数が少ない結果、全曲を等しく聴く機会が多いからだろうと思う。
また、ブラームスは<満を持して>作曲に取り掛かるタイプなので、取りこぼし?がないのではないか。

こういう事情が、ブラームス・ファンの全作品完全制覇を動機づける原因になっていると思う。もちろん、個々の作品が素晴らしいからというのが最大の要因だろうけど。

♪2019-020/♪みなとみらいホール-05

2019年2月16日土曜日

読売日本交響楽団第109回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2019-02-16 @みなとみらいホール
小林研一郎:指揮
読売日本交響楽団
牛田智大:ピアノ*

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ長調 作品23*
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 作品73
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シューマン:子供の情景〜「トロイメライ」*
アイルランド民謡:ダニーボーイ(弦楽合奏版)

コバケン+牛田効果でチケットは完売だったそうだ。入場で4列に並ばされたのにはちょいとびっくり。

その牛田君はチャイコの1番をオケの見事なアンサンブル(冒頭のHrのなんと美しいこと)に乗って華麗にやってくれた。処処のフレーズに独自色を塗していたが、全体としては、奇を衒うこともなく正統派の感じ。ま、この若さ(19歳)で癖があってはまずいだろうけど。
ともかく、読響の巧さが光った。

ブラームス交響曲第2番は弦14型から16型に拡大。
それだけに響が厚い。
それを聴きながら昨日の東フィルのマーラーの交響曲第9番の演奏を思い出していた。
東フィルは高域と低域を増強して4本多かったが、数の差以上に重量級だったのは、管弦楽法の違いを考えてチョン・ミョンフンが効果的な弦の変則配置をしたのだなと得心。

読響のブラ2では16型にする必要がなかったのではないか。チャイコでは14型で十分に迫力ある美しいアンサンブルを聴かせていた。
16型で一層厚くした効果はアンコールの弦楽合奏「ダニーボーイ」(チャイコ弦楽セレナーデ風)ではゾクゾクする迫力があったが、ブラームスでは増強した弦高域にかえって透明感が失われたのが惜しい。

♪2019-019/♪みなとみらいホール-04

2019年2月15日金曜日

東京フィルハーモニー交響楽団 第916回サントリー定期シリーズ

2019-02-15 @サントリーホール


チョン・ミョンフン:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

マーラー:交響曲第9番ニ長調

何度聴いても捉えどころのないマーラー9番。東京フィルハーモニー交響楽団は定期会員ではないので1回券を買って聴きに行った。

今回も予習の為にCDでも何度か聴いたが、今回は、目下ベルリン・フィル・デジタル・コンサート・ホールの試聴期間中でもあるので、ベルリン・フィルの演奏でも2回も予習したせいもあってか、相当期待値が上がっていた。

東京フィルの演奏は、冒頭の弱音でのハープ、弦に乗る形の管楽器がモタついて先行き不安になってしまった。
この辺りはベルリン・フィルの連中は名人揃いだなあと思う。しかし、その後は持ち直して驚異的なアンサンブルが炸裂した。

特に、第2・第3楽章の賑やかな部分の迫力は、弦5部の編成が、第1バイオリンから順に16-16-14-10-10という変則の大編成が功を奏したか久々にゾクゾクする重厚な管・弦・楽の響を楽しんだ。

第1バイオリンと第2バイオリンが同数で、コントラバスが10本というのもあまり例がなく、時々音大の合同演奏会などでコンバス10本を経験することはあるが、プロオケでは「千人の交響曲」くらいの規模になるとあり得るだろうけど、他は思いつかない。
つまり、オーディオの世界では高音域と低音域を持ち上げるドン・シャリ型で、褒められた形ではないけど、ナマのオケでは時にこれが効果を持つということを実感した。
重厚なアンサンブルだが、その重さが並みのものではなかった。マーラーはこれを求めたのだろう。そしてこのような楽器の編成がマーラーの意図に沿うものだとチョン・ミョンフンは考えたのだ。おそらく、正解だったと思う。

また、今回のサトリーホールにおける席は、SS席のど真ん中で、好みは別にして、サントリーホールとしての極上音響をこの重厚長大音楽で確認できたのは幸運だった。

好みで言えば、今回の席より数列、前の方が音圧にまみれることができるので好きだけど、そのエリア(S席)が既に売り切れで、SS席しか残っていなかったのだ。不幸中の幸いはSS席は定期演奏会にしてはあまりに高い(1万5千円)ので、多くが売れ残っていたので、せめてもの真ん中を取れたのが良かった。

定期演奏会でSS席を設定しているのは東京フィルだけではないだろうか?尤も、他のオケでは同じエリアもS席だが、なぜか、取ることができない。ほとんどがスポンサーか関係者への招待席として非売席になっているように思う。

♪2019-018/♪サントリーホール-02