2016年12月26日月曜日

都響スペシャル「第九」

2016-12-26 @サントリーホール


ヤクブ・フルシャ:指揮
東京都交響楽団

ソプラノ:森谷真理
アルト:富岡明子
テノール:福井敬
バリトン:甲斐栄次郎
合唱:二期会合唱団

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調 作品125 「合唱付き」

2016年の、5回目にして最後の「第九」。そして最後185回目のステージ。

フルシャ指揮都響は大いに健闘した。
が、昨日のN響とは薄皮一枚の差を感じた。
ブロムシュテット+N響は音楽の細部の総和が100%を超える力を感じたが、今日の都響は細部の積み上げより元気さが目立った。

これも一つの「第九」だろうが、それにしては、楽章間の間合いの長さが高潮感を削いだ。
少なくとも第3楽章から第4楽章へは間髪入れずに入って欲しい。

全員二期会の独唱・合唱陣はとても迫力があり、元気なオケにも負けていなかったのは素晴らしい。

♪2016-185/♪サントリーホール-14

2016年12月25日日曜日

N響特別公演「第九」~N響創立90周年記念~

2016-12-25 @NHKホール


ヘルベルト・ブロムシュテット:指揮
NHK交響楽団

ソプラノ:シモーナ・シャトゥロヴァ
アルト:エリーザベト・クールマン
テノール:ホエル・プリエト
バリトン:パク・ジョンミン
合唱:東京オペラシンガーズ

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調 作品125 「合唱付き」


今年の「第九」の4回目。
ブロムシュテットの指揮でN響を聴くのはこれが3回目。
ベートーベンの作品は前回の交響曲第2番とピアノ協奏曲第5番に次いで2回目の3曲め。
前回の印象では奇を衒わない正統派ドイツ音楽という印象を受けた。

今回は席も良かった。1階席のど真ん中やや前方。楽器の原音と残響とがうまく混じり合って大迫力なのに各パートの音が明瞭に聴き分けられる。そういう事情も手伝ったのだと思うが、音楽の細部がきちんと伝わってくる。
ベートーベンの交響曲、特に「第九」は細かなパーツを丁寧に積み重ねられた大伽藍だ。パーツの各面が正確に磨き上げられていなければ積み上がった構造物も隙間ができぐらついてしまうが、ブロムシュテットのN響に対するトレーニング〜指揮ではまさにどのパートも磨き上げられて美しく響き、積み上がって大伽藍を構成した。

「神は細部に宿る」という言葉を思い浮かべていた。
全曲を通じて、これほどに幸福感を味わいながら音楽を聴く事ができたのは得難い経験だ。

合唱隊だけでなく声楽ソリストも最初から舞台に上がった。それで、楽章間にソリストの入場で音楽の緊張感が損なわれることがなく、しかも、第3楽章が終わると、ほんの一呼吸置いただけで終楽章に雪崩打ったのには胸のすく思いがした。

N響の演奏は、常に上出来とは限らない。しかし、前回の「カルメン」全曲に続き「第九」でもさすがに日本を代表するオケだと感じさせてくれた。

2016-184/♪NHKホール-13

2016年12月23日金曜日

国立劇場開場50周年記念 通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら) 第三部 四幕八場

2016-12-23 @国立劇場


竹田出雲・三好松洛・並木千柳=作
通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら) 第三部 四幕八場
国立劇場美術係=美術

八段目   道行旅路の嫁入
九段目   山科閑居の場
十段目   天川屋義平内の場
十一段目 高家表門討入りの場
    同  広間の場
    同  奥庭泉水の場
    同  柴部屋本懐焼香の場
    花水橋引揚げの場


2日の初日鑑賞に続いて2回目だ。
前回は、めったにない事だけど、1階4列目中央やや上手寄りから観たが、今回は3階最前列席中央だったが、むしろこのチケット代の安い席の方が見通しが良くて楽しめた…ともいいきれないか。
なにしろ2回目なので筋が頭に入っているという利点もあったのだろう。
特に十一段目の高家表門の場では46名の居並ぶ迫力は高い場所から見下ろしていた方が迫力を感じた。

全3部を2回ずつ観て、この間に文楽版も観たのでいよいよ全篇が終わってしまうと寂しくもある。
単なる<仇討ち事件>を描くのではなく、殿様の短慮に巻き込まれた多くの、いろんな立場の人々の忠義やそれ故の悲劇を描く人間ドラマとなっているのが素晴らしく、良くできた話だと感心する。

この公演は当然録画は行われたはずだからNHKが放映してくれると嬉しいが、何しろ大長編であるから無理だろうな。

♪2016-183/♪国立劇場-010

2016年12月22日木曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート ≪天使のクリスマス≫パリ木の十字架合唱団 クリスマス・コンサート

2016-12-22 @みなとみらいホール


ヴァンサン・カロン:指揮
ユーゴ・ギュティエレス:芸術監督

パリ木の十字架合唱団

グレゴリオ聖歌:キリエ第4番
ペタロン:主を
クープラン:歓喜し、歓声をあげよう
リュリ:神の力
セヴラック:かくも偉大な秘跡
デュリュフレ:グレゴリア聖歌の主題による4つのモテットから「いつくしみと愛のあるところ」
ギュティエレス:アニュス・デイ~神の子羊~
カッチーニ:アヴェ・マリア
フォーレ:ラシーヌ賛歌 Op11
グノー:モテット”おお、救い主なるいけにえよ”
J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 第40曲

グレゴリオ聖歌:幼子が生まれた
シャルタヴォワーヌ:ひとりの若い乙女
グティエレス編:クリスマスは来たれり
ダカン:クリスマス・カンタータ
グル―バー:きよしこの夜
トラディショナル:神の御子が生まれた
ラモー:夜の賛歌
トラディショナル:荒野の果てに
リュリ:三人の王の行進
トラディショナル:神の御子は今宵しも
サン=サーンス:クリスマス・オラトリオから「いけにえを捧げよ」
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アンコール
日本古謡:さくらさくら
ロッシーニ:猫の二重唱
ピエールポン:ミュージック・ユニバーサル

木の十字架少年合唱団は、随分たくさん歌ってくれたが、取り立てていうほどに巧いとも思えない。このレベルの少年合唱団なら日本にもいくらでもあるのではないか。

ほとんどニコリともせず、舞台上での隊列の組み直しなども指揮者の合図通りに機械的に従って動くので、まるで鎖につながれた囚人合唱団みたいだったな。

歌そのものはとても心地良かったが、ちとがんばり過ぎ。
どの曲も短いけど次から次と歌ってくれるので、2時間近い演奏会になった。全部暗譜だったと思う。これは大したものだ。

最近ちょっと流行りのカッチーニの(真実はウラディミール・ヴァヴィロフ作)「アヴェ・マリア」をナマで聴いたのは初めてだったかも。

♪2016-182/♪みなとみらいホール-49

2016年12月19日月曜日

東京都交響楽団 第822回 定期演奏会Aシリーズ

2016-12-19 @東京文化会館


ヤクブ・フルシャ:指揮
東京都交響楽団

マルティヌー:交響曲第5番 H.310
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ホ短調 op.93

マルティヌーという作曲家は知らなかった。1890年モラヴィア生まれ。1959年になくなっている。交響曲を6曲書いているが、第1番が51歳のときというからブラームスもびっくりの慎重派?
5番を書いたのが1946年。
それにしてはとてもロマンチックでドラマチックな音楽だった。
初めて聴いたから、へえ、こんな音楽か、ということ以上の感興はなかった。


ショスタコの10番も多分初聴きだ。
第1楽章が全体の半分近い長さ(25分位)で、しかもほとんど弱音でゆったりと経過してゆくので体調が悪ければ爆睡必至だ。
が、第2楽章が賑やかでテンポも速いので寝ていた観客もここでは覚醒するだろう。
古典的な形式の第1楽章と第2楽章がこの作品では入れ替わっている。
第3楽章もあまり面白くない。
終楽章もいよいよ終曲の少し手前からどんどんと盛り上がっていって、ようやくそれまでの憂さ晴らしができるのだけど、心に残るフレーズはなかった。

ショスタコーヴィチとしては過去に色々と国家からの批判を受けてきたために、本作では密かに自分の名前や女性の名前を織り込んで、屈折した本音を表現しているという説もある。
スターリンの死まで発表を待ったらしいが、そのような事情は音楽とどう関係してくるのだろう。
純粋に絶対音楽として楽しめばいいのではないか。
もっとも、なかなか楽しませてはくれないのだけど。

♪2016-181/♪東京文化会館-10

国立劇場開場50周年記念 平成28年度12月中席

2016-12-19 @国立演芸場


落語 三遊亭ぐんま⇒子ほめ
落語 柳家喬の字⇒真田小僧
落語 柳家さん助⇒かつぎ屋
音楽パフォーマンス のだゆき
落語 三遊亭白鳥⇒座席なき戦い
落語 三遊亭歌司⇒風呂敷
   ―  仲入り  ―
漫才 笑組(えみぐみ)
落語 柳亭左龍⇒鈴ヶ森
曲芸 翁家社中
落語 柳家さん喬⇒掛け取り

柳家さん喬の「掛け取り」以外は落語に見るべきものなし。
これは傑作だった。
大晦日の掛け取りを追い返す方策として5人登場する掛け取りの夫々の得意分野に迎合し、狂歌、義太夫、歌舞伎、口喧嘩、三河萬歳を駆使してうまく断るのだが、これを演ずるには噺家にも各分野でそれなりの芸が求められるので容易では無いはず。
特に義太夫、歌舞伎が傑作だった。

曲芸の「翁家社中」はもう何度も観ているし芸は変わらないけど、この安定感と親子?の息の合い加減に好感。

2016-181/♪国立演芸場-17

2016年12月18日日曜日

横浜交響楽団第675回定期演奏会

2015-12-18 @県民ホール


飛永悠佑輝:指揮
横浜交響楽団

独唱 
ソプラノ:高井千慧子
アルト:小杉瑛
テナー:大川信之
バリトン:大川博
合唱
横響合唱団
横響と「第九」を歌う会合唱団

フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調 作品125 「合唱付き」


横響は年8回の定期演奏会を行うが、ホームは県立音楽堂だ。
年に1回だけ、この「第九」のときだけ県民ホールで開催する。
オケの規模も目一杯大きくなるが、何といっても合唱団が半端ではない。何年か前に600人だと聞いたが、今年も同じなのだろう。

県民ホールの大きな舞台上に所狭しとオケと合唱団が居並ぶこの壮大な景色がワクワクさせる。

演奏も熱が入っていたしなにより第4楽章の合唱の迫力は凄みがある。プロの声楽ソリストたちもとても良かった。

「千人の交響曲」並みの大規模オケと合唱団の爆音に酔った。

♪2015-179/♪県民ホール-5