2020年2月2日日曜日

オペラ「ラ・ボエーム」

2020-02-02 @新国立劇場


指揮:パオロ・カリニャーニ
演出:粟國淳
美術:パスクアーレ・グロッシ
衣装:アレッサンドロ・チャンマルーギ
照明:笠原俊幸

東京交響楽団
新国立劇場合唱団

ミミ⇒ニーノ・マチャイゼ
ロドルフォ⇒マッテオ・リッピ
マルチェッロ⇒マリオ・カッシ
ムゼッタ⇒辻井亜季穂
ショナール⇒森口賢
コッリーネ⇒松位浩
ベノア⇒鹿野由之
アルチンドロ⇒晴雅彦

プッチーニ:「ラ・ボエーム」
全4幕〈イタリア語上演/字幕付〉

上演時間約2時間50分
 第Ⅰ幕・第Ⅱ幕65分
  休憩25分
 第Ⅲ幕30分
  休憩20分
 第Ⅳ幕30分

新国立劇場で「ラ・ボエーム」を観るのは初めてだが、2017年に日生劇場で観た砂原涼子がミミを歌った時の演出も今回と同じ粟國淳だったので、その時と同じような仕掛けが(墓場から始まり墓場で終わる。)あるのかと思いながら観たが、冒頭からして別物だった。
日生版も良かったが、今回もオーソドックスで不満は<ほぼ>なかった。

<ほぼ>ないと言うのは、少しはある、と言うことだ。
全4幕冒頭に紗幕がかかり、それぞれ意味のある働きをし、働き終えると天井に終われる。しかし、第3幕だけは紗幕を被せているその意味が分からないし、分からないまま最後まで紗幕越しに観ることになる。

初台ではこの紗幕を使う演出が多いが、アイーダ、椿姫にしても大いに疑問だ。声も通りにくくなるだろうし何より見辛い。

歌手陣はみんなよく通る声で素晴らしい。耳に馴染んだ名曲が次々と繰り出されて大いに心地が良い。

ミミ役のマチャイゼは死にかけの病人には見えないが歌は聴き応え十分。
第2幕はムゼッタの幕と言っていいが、彼女を歌った辻井亜希穂ってこれまで知らなかったが、存在感を放った。

それにしても今日が楽日だからかカーテンコールがしつこいほど長かったなあ。

♪2020-014/♪新国立劇場-01

2020年2月1日土曜日

東京交響楽団 川崎定期演奏会 第74回

2020-02-01 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ヘルムート・ライヒェル・シルヴァ:指揮
東京交響楽団

エリック・ミヤシロ:トランペット*
ラファエロ・アギーレ:ギター**

リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
天野正道:ウナ・オベルテューラ・エスパニョール・ファルサ
「エル・ジャルダン・デ・ロス・レクエルドス」(管弦楽版初演)*
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲**
ファリャ:バレエ「三角帽子」第2組曲
-----------------
スタンリー・マイヤーズ:映画「ディア・ハンター」から”カヴェティーナ”**
ファリャ:「はかなき人生」から”スペイン舞曲第1番”

定期演奏会とは思えないような短編盛合せだがテーマはスペイン。この熱い国の音楽はなぜか楽しめる。賑やかな中にもセンチメンタルが漂うからか。

いずれの作品も満足度が高かったが、天野正道作の、元は吹奏楽の為に作ったという無闇と長いタイトルの管弦楽版初演が傑作だった。

似非スペイン風序曲・らしいが、全篇スペイン音楽のエッセンス〜既聴感ある旋律で構成されているが、トランペット協奏曲風でもあり、エリック・ミヤシロによる<かつて聴いたことのない超絶ハイトーン>がけたたましくホールの空気を震わせたが、聴衆の心も確実に震わせた。

アランフェスでは集音マイクにモニターを兼ねた小さなSPが舞台上に置かれた。
このPA装置の絶妙な音量調整がすばらしい。
まるでアコースティックな音としか思えず、しっかりと爪弾きも聴こえ興を損ねることはない。
アランフェスで満足できたのはホンに久しぶりだ。

♪2020-013/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-03

2020年1月31日金曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2019後期 浜松国際ピアノコンクール覇者」ジャン・チャクムル ピアノ・リサイタル 

2020-01-31 @みなとみらいホール


ジャン・チャクムル:ピアノ

D.スカルラッティ:ソナタから
 K208 & K209 イ長調
 k64 & K517 ニ短調
ドメネク:「ピアノのための短編小説」から
 第4曲 ”かくれんぼ”
シューベルト(リスト編):白鳥の歌
「愛の使い」
「兵士の予感」
「君の肖像」
「春の憧れ」
「別れ」
「遠国にて」
「セレナーデ」
「アトラス」
「漁師の娘」
「海辺にて」
「住処」
「街」
「影法師」
「鳩の便り」
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ベートーベン(リスト編):「遥かなる恋人」から”この歌を受け取って”

2018年の浜松国際ピアノコンクールを制したジャン・チャクムルは初めて聴いた。カマキリみたいに痩身で手も脚も長いこと。大甘マスクで終演後はサイン会に長い行列。

メインはシューベルトの歌曲集「白鳥の歌」のリストによるピアノ独奏曲版。

リスト版自体が原曲とは順番が違うそうだが、今日の演奏はリストとも原曲とも異なったが、大筋では原曲に沿っていた。

このクラスになると演奏技術の巧拙は分からないが、真摯な態度でとても好感を持った。
曲解説を自らかなり細かく書いていて(訳文が悪かった。)、チャクムルのこの作品にかける思いが一層伝わった。

シューベルトの3大歌曲集では「冬の旅」が一番好き。次いで「美しき水車小屋の娘」なので「白鳥の歌」は聴く機会が少なかったが、今日改めてピアノ版を聴いてみると歌詞がなくともしみじみと感動した。

最後の2曲はシューベルトの順に沿って、壮絶な「影法師」〜明るく愛と希望を歌う「鳩の使い」で締めくくった。

この「鳩の使い」は病床にあったシューベルトの文字どおりの「白鳥の歌」である。それを知って聴くとむしろその明るさに胸を締め付けられた。

♪2020-012/♪みなとみらいホール-03

2020年1月24日金曜日

新日本フィル:#28ルビー<アフタヌーン コンサート・シリーズ>

2020-01-24 @すみだトリフォニーホール


キース・ロックハート:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

小曽根真:ピアノ*

バーンスタイン:『キャンディード』序曲
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲ヘ長調*
バーンスタイン:オン・ザ・タウン
ガーシュウィン:パリのアメリカ人
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ガーシュウィン:ストライク・アップ・ザ・バンド

キース・ロックハートという初顔の米国人がバーンスタインとガーシュウィンの陽気で賑やかな音楽を楽しそうに演奏した。
4曲中全く聴き馴染みがなかったのがピアノ協奏曲だが、これも爽快だった。
小曽根のピアノがアドリブ効かせて、超ビッグバンドジャズを彷彿とさせた。

こういう、肩肘張らないのが嬉しい。

「東フィルと新日フィルにハズレなし」という自家製格言は東フィルが前回怪しかったけど、新日フィルは本当にハズレない。いつも高水準の演奏を聴かせる。すみだトリフォニーもとても好ましい響きだ。
今日は、ピアノ協奏曲の演奏前に、小曽根とロックハートによる短いお喋りがあった。両者ともマイクを使ったが、その声がよく聴き取れた。このサイズのコンサートホールでは残響で発音がぼやけてしまう事も少なくないが、PA装置も考えてあるのかも知れないが、無駄な響きがない。

こういう良い響のホールで外さない演奏を聴くのは誠に以て楽しい。

しかし、1階席のは(後方を除いて)傾斜不足なために、前席の頭が邪魔なのがつらい。もっと傾斜をつけるか、県民ホール、オペラシティ、日生劇場のように1列毎半席分ズレた配置にしてくれたら良かったのだが。

♪2020-011/♪すみだトリフォニーホール-01

2020年1月23日木曜日

東京フィル第130回東京オペラシティ定期シリーズ

2020-01-23 @東京オペラシティコンサートホール


アンドレア・バッティストーニ:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

阪田知樹:ピアノ*

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op30*
ベルリオーズ:幻想交響曲 Op14
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ラフマニノフ(阪田知樹編):ここは素晴らしい場所 Op21-7

ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、全4曲の協奏曲中一番有名だろうか。聴く機会が多いが、今日は全然身が入らなかった。
阪田くんの演奏に問題がある訳ではない。集中できなかった。体調不十分もその原因の一つだが、演奏もあまり噛み合っていなかったように思う。

メインはベルリオーズ「幻想交響曲」。
熱い音楽を見た目も熱いバッティストーニが熱く振った。しかしこちらもその熱はあまり伝わらなかった。

今季から席を(全13定期・セット券での指定席中最後方)に変えてみたのだけどその響きに馴染めなかったのかも。このままずっと馴染めないのでは困ってしまうが、多分、その場所なりの聴き方ができるようになるだろう。

それにしても、今日の東フィルは管楽器の賑やかさに比べ16型にも関わらず弦が薄かった。これまで聴いてきたなかで一番がっかりさせる演奏だった。この点は席を変えたこととは関係ないと思う。

♪2020-010/♪東京オペラシティコンサートホール-01

2020年1月19日日曜日

名曲全集第153回 これぞ王道。コンクール覇者たちの共演

2020-01-19 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ベン・グラスバーグ :指揮
東京交響楽団

上原彩子:ピアノ*

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58*
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 作品64
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チャイコフスキー :「四季」から1月「炉端で」*

昨日も別趣向だが同じくミューザで小編成で快活な東響を聴いたが、今日は大編成で「ルスランとリュドミラ」序曲がメリハリの効いた素晴らしい演奏で<管弦楽の魅力>が爆発していた。

この曲はどのオケで聴いてもそれなりに聴き応えがあるのは、管弦楽技法の巧さだろうか。弦にあまり無理を強いていないのか分からないが、結果的に弦の破綻がない…あるいは目立たない。

上原彩子も楽しみだったが、彼女は堂々としたベートーベンを聴かせてくれたものの、中編成になったオケが少しボヤッとしたのが惜しかったが、

ところが、大編成に戻ったチャイコになるともっと雑になってしまった。

おかしい。

何が違うんだろうとずっと頭を捻りながら聴いていた。

初顔の指揮者とリハーサルが十分できなかったのか。

コンマスの急遽変更も関係ある?
変わった廣岡氏はいつになく堂々としてたが。

音の末尾が揃わないという感じがザワザワの原因だろう。

「ルスラン〜」は超速で駆け抜けてゆく音楽だからアラも目立たなかっただけなのかも。


♪2020-009/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-02

2020年1月18日土曜日

モーツァルト・マチネ第39回「青年時代」〜東京交響楽団〜

2020-01-18 @ミューザ川崎シンフォニーホール


佐藤俊介:バイオリンと指揮
東京交響楽団

C.P.E.バッハ:シンフォニア変ホ長調 Wq. 182/2, H. 664
トーマス=リンリー:バイオリン協奏曲ヘ長調
モーツァルト:交響曲第26番変ホ長調 K. 184/161a
モーツァルト:バイオリン協奏曲第1番変ロ長調

弾き振りの佐藤俊介含め最大24人編成のこじんまりしたオケが実に小気味良いアンサンブルを聴かせてくれた。モーツァルト以外にCPEバッハとトーマス=リンリーというモーツァルトと同年生まれで22歳で夭逝した作曲家の作品が演奏されたが、2曲とも多分初聴き。こういう時代の音楽だから、七面倒なものはなくいずれも明るく軽快。
好漢俊介の弾き振りに団員も楽しそに応えて、音楽共々和んだ。

♪2020-008/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-001