2019年4月13日土曜日

国立劇場開場四十周年記念 国立演芸場04月中席 桂歌丸追善公演

2019-04-13@国立演芸場


落語   桂鷹治⇒ちりとてちん
落語         桂枝太郎⇒チュウ臣蔵
落語         桂歌蔵⇒熊の皮
ものまね   江戸家まねき猫
落語         桂歌春⇒加賀の千代
        ―仲入り―
座談        歌丸師匠を偲んで
落語        桂歌助⇒宮戸川〜奴さん姐さん〜
漫才        コントD51
落語        桂米助⇒ラーメン屋

桂歌丸は、噺家としては昨年の4月19日の国立演芸場中席が最後の高座で、僕は初日の11日に聴いた。もうかなり声量・滑舌は衰えていたので、8日後に訃報を聞いても、やっぱりダメだったか、という感じだった。

それから1年後の4月中席というので、一門や親しい噺家が順番に出演して「歌丸追善」公演となったが、待合に写真が飾られたり短時間の座談会が開かれたほかは普段と寄席と変わることもなかった。

噺家は死んでも笑い話のタネにされるが、話す方も一種の照れがあるのだろうな。


今回は、相当遅れて行ったので前半3人は聴いていない。
まねき猫は相変わらずうまい。声帯模写の実力というより、全体の客あしらいが天性の巧さを持っているように思う。

歌春は独自だ。ちっとも上手くならないようにも思えるが、その独自を磨けば彼ならではの地歩を占めるのかもしれない。

そのあとの出し物はいずれもつまらなかった。
米助なんぞあれでトリが務まるのかと大いに疑問だ。


♪2019-046/♪国立演芸場-07

2019年4月9日火曜日

国立文楽劇場開場35周年記念4月文楽公演 通し狂言「仮名手本忠臣蔵」第Ⅰ部

2019-04-09 @国立文楽劇場


国立文楽劇場開場35周年記念4月文楽公演
通し狂言「仮名手本忠臣蔵」(かなでほんちゅうしんぐら)
第Ⅰ部大序から四段目まで 4時間18分(正味3時間43分)

 大序
  鶴が岡兜改めの段
   碩太夫・亘太夫・小住太夫・咲寿太夫/
   清允・燕二郎・錦吾・清公
  恋歌の段
   津国太夫・南都太夫・文字栄太夫/
   團吾

 二段目
  桃井館力弥使者の段
   芳穂太夫/清丈
  本蔵松切の段
   三輪太夫/清友 

 
三段目
  下馬先進物の段
   小住太夫/寛太郎
  腰元おかる文使いの段
   希太夫/清馗
  殿中刃傷の段
   呂勢太夫/清治
  裏門の段
   睦太夫/勝平

  
四段目
   花籠の段
    文字久太夫改め豊竹藤太夫/團七
   塩谷判官切腹の段
    切:咲太夫/燕三
   城明渡しの段
    碩太夫/清允
◎人形
 勘十郎・和生・玉輝・文司・玉佳・簑助・玉男ほか

国立文楽劇場では「仮名手本忠臣蔵」を今年、春夏秋3季に分けて全段通し上演する。
2年半前の国立劇場での全段通しは2部構成1日公演だったが、今回は時間をかける分、国立文楽劇場としては初演となるの場面(桃井館力弥使者の段)の上演など、全段通しにふさわしく細部も忠実に公演するのは、本場大阪の矜持を感じて嬉しい。

Ⅰ部は全11段中大序から四段目・城明け渡しまで。
やはりこの最後の段は特別に厳粛だ。人の死がかくも丁寧・荘重に描かれる芝居は他に例がないのではないか?
主人の無念の切腹を受け、明け渡した城を後にする由良助は万感を胸に秘め、その想いは延々三味線だけで表されるが、最後に太夫が一声大きく「『はつた』と睨んで」と城を振り返る由良助の思いを叫んで幕となる。

心憎い幕切れである。

全体として、この話は、口にできぬ人の思いを阿吽の呼吸や腹で探り、受け止め、あるいは命に変えて伝えんとする、激しい情の交錯が見所だ。そのように受け止める時に、時代を超えて今にも通づる人の情けの美しさが胸を打つのだろう。

この後の段も楽しみだが果たして大阪まで遠征できるか。

余談:たこ焼き屋の隣の劇場はとてもナショナル・シアターとも思えぬ気取りの無さ。この味わいが嬉しいや。


♪2019-045/♪国立文楽劇場-1

2019年4月7日日曜日

東京・春・音楽祭-2019-歌劇「さまよえるオランダ人」

2019-04-07 @東京文化会館


ダーヴィト・アフカム:指揮
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ

ブリン・ターフェル:オランダ人(バス・バリトン)
イェンス=エリック・オースボー:ダーラント(バス)
リカルダ・メルベート:ゼンタ(ソプラノ)
ペーター・ザイフェルト:エリック(テノール)
アウラ・ツワロフスカ:マリー(メゾ・ソプラノ)
コスミン・イフリム:舵手(テノール)
ほか

ワーグナー:オペラ「さまよえるオランダ人」
演奏会形式
全3幕〈ドイツ語上演/字幕・映像付き〉  

予定上演時間:約2時間45分
第Ⅰ幕50分
 --休憩30分--
第Ⅱ幕・第Ⅲ幕85分

帰宅後も頭の中はオランダ人の動機が鳴り止まない。

ブリン・ターフェル(オランダ人)やピーター・ザイフェルト(エリック)もワーグナー物の映像でよく観ているが生では聴いたことがなかった。
舞台に接したのはリカルダ・メルベート(ゼンタ)だけで、彼女は新国立劇場で「ジークフリート」(ブリュンヒルデ)、「ばらの騎士」(元帥夫人)、「フィデリオ」(レオノーレ)を観ている。いわばおなじみ様で好感度の高いソプラノだ。彼女の歌をまたもや聴けるのが、「オランダ人」の一番の楽しみだった。

が、幕が上がってみると、やはりみんな世界一流のワーグナー歌手である。彼女だけでなくターフェル、ザイフェルト、そして急遽の代役で登場したオースボーも全員素晴らしいので、当たり前とはいえ、期待以上で驚いた。

加えて席にも恵まれた。なにしろ、5列目のセンターだ。
新国立劇場では最前列で聴いたこともあるが、今回は、演奏会形式なのでピットがない分舞台が近い。10mと離れていなかっただろう。歌手の微かな息音まで明瞭に聴き取れる一方、人間トランペットか人間トロンボーンかと思うくらいの特大声量は耳を劈(つんざ)くようでもある。

N響も合唱も期待以上の出来だ。
オケの演奏は一桁列では聴きたくないなあと、この点に関しては選んだ席に不安があったが杞憂だった。奥行きを持たせた舞台のせいもあったかもしれないが、さすがのN響は弦もきれいな響きを聴かせた。

クライマックスの終幕が、音楽的にもとりわけ迫力があった。オケ、合唱、声楽独唱陣がいやが上にも不安や焦燥を掻き立て、ついには救済の安息へ。いやはやこんなに凄い舞台になるとは予想外。

これまで映像ディスクでの鑑賞はしていたが、イマイチ入魂できずにいた「オランダ人」。
筋はともかく若いワーグナーの分かりやすい音楽がとても親しめたのも収穫なり。

♪2019-44/♪東京文化会館-04

2019年4月6日土曜日

国立劇場開場四十周年記念 国立演芸場04月上席-2

2019-04-06@国立演芸場


落語   林家たま平⇒一目上がり
落語   橘家圓十郎⇒目薬
漫才   ニックス
落語   林家たこ蔵⇒唖しの釣り
落語   橘家圓太郎⇒粗忽の釘
      ―仲入り―
声帯模写 丸山おさむ
落語   柳家小団治⇒替り目
曲芸   翁家勝丸
落語   林家正蔵⇒幾代餅

4日に行って2回目。
何故なら、トリの正蔵が今日から噺を変えるから。

他の芸人もだいぶ変わっていた。
圓太郎も噺が違って今日は「粗忽の釘」おかしい。
声帯模写の丸山おさむも傑作。世が世なら不敬罪ネタだが。

さて、正蔵は今日も心温まる泣ける人情話「幾代餅」。
正蔵はうまい!
これからますますうまくなるだろう。
いずれ昭和の名人・三代目古今亭志ん朝のように円熟するのを期待しているよ。


♪2019-043/♪国立演芸場-06

2019年4月5日金曜日

東京・春・音楽祭-2019-クララ・シューマン―生誕200年に寄せて〜伊藤恵と仲間たち

2019-04-05 @旧奏楽堂


ピアノ:伊藤恵*
ピアノ:開原由紀乃**
ヴァイオリン:加藤知子
ソプラノ:管英三子+
ホルン:日髙剛

ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調 op.40*
シューベルト:若い尼 D828*+
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 ニ短調 op.54**
ブラームス:愛のまこと op.3-1、あこがれ
E.ルドルフ:幻想小曲集 op.10**
ショパン:夜想曲 第13番 ハ短調 op.48-1**
ショパン:即興曲 第1番 変イ長調 op.29**
シューマン:きみの顔 op.127-2*+
シューマン:《女の愛と生涯》op.42から
 第2曲 「彼は誰よりも素晴らしい人」*+
シューマン:幻想小曲集 op.12から*
 第1曲「夕べに」、
 第5曲「夜」、
 第4曲「気まぐれ」、
 第3曲「なぜに」、
 第2曲「飛翔」

<クララ・シューマン生誕200年に寄せて>の副題がプログラムにどう反映されているのか、予習を怠って真の企画意図を知らず出かけ、結局分からないまま帰宅して、後刻NETで理解できた。

150年前にクララ(当時50歳)が開いた最後のコンサートの再現なのだよ。トホホ…。

クララに寄せる〜のに何故シューベルト、メンデルスゾーン、ショパン、ルドルフが演奏されるのか意味分からんと不審げに聴いて入魂できなかった。

クララ最後の演奏会再現と知ってりゃ聴き方が変わっていたろう。
簡素一辺倒のプログラムももう少し親切に書いておいてほしいよ。
でも、シューマニアーナ伊藤恵の幻想小曲集が良い締め括くりだった。抜粋だが、曲順を変えて最後が「飛翔」だったのは、伊藤恵の判断なのか、クララもそのように配列したのか?

多分クララも8曲から5曲選ぶなら2番「飛翔」を選んだのだと思う。

150年前の演奏会に、クララは不幸な人生の仕舞い方をした夫・シューマンを思いやってこの作品でコンサートを締めたのだろう。そう思うと、伊藤恵がクララに重なって見えたはずなのに…。

ああ、早く企画意図を知っておればなあ。

♪2019-42/♪旧奏楽堂-01

2019年4月4日木曜日

国立劇場開場四十周年記念 国立演芸場04月上席

2019-04-04@国立演芸場


落語   林家つる子⇒やかん
落語   橘家圓十郎⇒湯屋番
漫才   青空一風・千風
落語   林家たけ平⇒大師の杵
落語   橘家圓太郎⇒親子酒
      ―仲入り―
余談漫談 林家ぺー
落語   柳家小団治⇒大安売り
曲芸   翁家勝丸
落語   林家正蔵⇒井戸の茶碗

四月上席の楽しみは何と言っても林家正蔵。
いつも人情噺の大作をやるのが嬉しい。
今日は大好きな「井戸の茶碗」。
真っ正直に生きている者ばかりが登場する実におかしくて清々しい噺だ。

正蔵は感動必至の物語を敢えて、抑えて、淡々とした語り口で笑いを取る。

うっかり入れ込んでき聴いていると、涙腺崩壊しそうになるなので、努めて気分を外して聴くのだけど、やっぱり最後はやられてしまう。


二ツ目の林家つる子は1年ぶりに聴いたが相変わらず器用なもので、実力は真打並みだが、今回も「やかん」だった。もっと持ちネタはあるのだろうが、巡り合わせが悪かったようだ。

圓太郎の「親子酒」もおかしい。こんな妙な味のある噺家とは思っていなかった。何回も聴かないと分からない魅力ってあるものだ。


♪2019-041/♪国立演芸場-05

2019年4月3日水曜日

東京・春・音楽祭-2019-ブラームスの室内楽Ⅵ〜小山実稚恵を迎えて〜

2019-04-03 @東京文化会館


バイオリン:竹澤恭子、小川響子
ビオラ:川本嘉子
チェロ:向山佳絵子
ピアノ:小山実稚恵

ブラームス:
 ピアノ三重奏曲第1番ロ長調 作品8
 バイオリン・ソナタ 《F. A. E.》から スケルツォ
 ピアノ五重奏曲へ短調 作品34

ブラームス全曲シリーズ。
今年は小山実稚恵を迎えてのピアノ三重奏は、バイオリンパートを川本嘉子がビオラでやったのが凄い。
5度低いから高い音を演奏するのは難しいはず。
その代わり弦が太く長いのでバイオリンとは別味で迫力がある。そういえば、17年のブラームス:バイオリン・ソナタ第2番でもこれを川本はビオラで弾いていた。

トリはピアノ五重奏曲。
これはもっと凄かった。
先日のベルリン・フィルメンバーによるブラームス:ピアノ四重奏のアンビリーバブルな音楽に肉薄する出来栄え。

中でも竹澤恭子の入魂ぶりに圧倒された。
この様にして音楽は生まれるのだ…と噛み締めながら、手に汗握りながら、立ちのぼる胸の上気を体感。

最前列で至福の時を過ごした。
滅多に経験できることではない。

♪2019-40/♪東京文化会館-03