2017年5月17日水曜日

オペラ:「ジークフリート」ハイライトコンサート ―邦人歌手による―

2017-05-17 @新国立劇場


オペラ:ワーグナー「ジークフリート」ハイライトコンサート全3幕
〈ドイツ語上演/字幕付〉

城谷正博:指揮
エレクトーン:西岡奈津子&小倉里恵
パーカッション:高野和彦&古谷はるみ

ジークフリート:今尾滋
ミーメ:青地英幸
さすらい人:大塚博章
アルベリヒ:友清崇
ファフナー:志村文彦
エルダ:石井藍
ブリュンヒルデ:橋爪ゆか
森の小鳥:三宅理恵


6月の本公演を前にした特別企画で、邦人歌手によるハイライト版。中劇場での公演。
オケピの中には指揮者のほかにエレクトーン2台、ティンパニ2組を含むパーカッション2人。ところがこの4人オケが素晴らしいのにまずはびっくり。

長らくエレクトーンの音を聴いていなかったが、楽器も進歩しているのだろうな。もちろん何より2人の奏者の腕前を褒めるべきだろう。編曲も素晴らしく、僅か4人でも大編成のオケと錯覚する音量と響きだ。ティンパニの2組も大活躍。

本篇は正味4時間位のところ、今回は上手に端折ってあって、ほとんど違和感ないまま正味2時間の短縮版だった。
舞台装置は簡素だったが不満はない。何しろ、ワーグナーの音楽がオケもそれらしく、歌もナマで聴けるのだから。

歌手のレベルは分からないが、既にオペラの舞台経験を積んだ人達で素人の耳には驚くばかりに上手だ。特にタイトルロールやブリュンヒルデなど歌いきるのも容易ではない難役のようだが見事だった。
6月、10月の本公演が楽しみだ。

♪2017-086/♪新国立劇場-5

2017年5月16日火曜日

都響定期B831回

2017-05-16 @東京オペラシティコンサートホール


マーティン・ブラビンズ:指揮
東京都交響楽団

バターワース:青柳の堤
ティペット:ピアノ協奏曲(1955)*
ヴォーン・ウィリアムズ:ロンドン交響曲(交響曲第2番)

いずれも英国人≪指揮(M・ブラビンズ)、Pf独奏(S・オズボーン)≫による20世紀英国人作曲家の作品集≪バターワース:青柳の堤、ティペット:Pf協奏曲⇒日本初演、V・ウィリアムズ:ロンドン交響曲≫だった。全て初聴きだが違和感無し


3曲とも調性を持ち英国民謡を基礎にしてどこか懐かしさも。
それにアンサンブルに安定感がある。巧いと思わせてくれる。
先日のN響の「わが祖国」の第1曲には落胆したが、都響ならもっときちんとした音楽になっていたのではないかと思ったよ。

今日のコンサートで、盲導犬を連れた人が近くに座った。
そのワンちゃん、2時間の間、ご主人の座席の下にしゃがみこんだまま微動だにせず一声も発しない。
音楽よりもむしろこのワンちゃんに感動したよ。
ネコは何の役にも立たないし絶対になつかないので可愛くないけど犬は本当に賢くて立派だワン!

♪2017-085/♪東京オペラシティコンサートホール-02

人形浄瑠璃文楽平成29年5月公演 第一部 豊竹英太夫改め六代豊竹呂太夫 襲名披露

2017-05-16 @国立劇場


●寿柱立万歳 (ことぶきはしらだてまんざい)
 竹本三輪太夫・竹本津國太夫・竹本南都太夫・竹本小住太夫・竹本文字栄太夫/
 鶴澤清馗・鶴澤清丈ほか

(人形役割)
太夫⇒桐竹紋臣
才三⇒吉田清五郎

●菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
 茶筅酒の段⇒豊竹芳穂太夫/鶴澤清友
 喧嘩の段⇒豊竹咲寿太夫/豊澤龍爾
 訴訟の段⇒豊竹靖太夫/野澤錦糸
 桜丸切腹の段⇒竹本文字久太夫/鶴澤藤蔵


(人形役割)
親白太夫⇒吉田玉也
百姓十作⇒吉田勘市
女房八重⇒吉田簑二郎
女房春⇒吉田一輔
女房千代⇒桐竹勘十郎
松王丸⇒吉田玉男
梅王丸⇒吉田幸助
桜丸⇒吉田簑助

豊竹英太夫改め 六代豊竹呂太夫
襲名披露 口上

 寺入りの段⇒豊竹呂勢太夫/鶴澤清治
襲名披露狂言
 寺子屋の段⇒前:豊竹英太夫改め豊竹呂太夫/鶴澤清介
       切:豊竹咲太夫/鶴澤燕三


(人形役割)
よだれくり⇒吉田玉翔
菅秀才⇒桐竹勘介
女房戸浪⇒桐竹勘壽
女房千代⇒桐竹勘十郎
一子小太郎⇒吉田簑太郎
下男三助⇒吉田玉彦
武部源蔵⇒吉田和生
春藤玄蕃⇒吉田分司
松王丸⇒吉田玉男
御台所⇒吉田簑紫郎
ほかに大ぜい

菅原伝授手習鑑は歌舞伎で観る機会が多いが、大抵「車曳き」か「寺子屋」の段と決まっているからイマイチ面白さが伝わって来なかったが、今月の興行は茶筅酒の段、喧嘩の段、訴訟の段、桜丸切腹の段、寺入りの段、寺子屋の段とたっぷり!

これで話が繋がって、成る程面白い。
3つ子で産まれた3人兄弟が菅公を取り巻き敵味方に分かれて育つ中で絡み合う悲劇。
寺子屋はそのクライマックスだが、前半に手習いに来ている小僧達が思いがけずに面白い。

落書きや墨を掛け合う等子供らしいリアルな悪戯に満場爆笑。
それだけに後段我が子を犠牲にする松王丸夫婦の悲哀が際立つ。

白装束の夫婦が息子の骸を墓に送る終盤の詞章が凝った作りで、いろは歌をなぞりながらこの悲劇に幕を降ろす。


♪2017-084/♪国立劇場-08

2017年5月14日日曜日

N響第1860回 定期公演 Aプログラム

2017-05-14 @NHKホール


ピンカス・スタインバーグ:指揮
NHK交響楽団

スメタナ:交響詩「わが祖国」(全曲)

12年ぶりにN響を振るピンカス・スタインバーグで「わが祖国」全6曲演奏会。
まず、第1曲がしっくり来ない。ハープ2台の前奏に木管・ホルンが重なるところがなんかたどたどしくて、スメタナって、オーケストレーションが下手だなと思ったよ。

その第一印象のせいで第2曲以外はどれを聴いても空疎な響き。第2曲モルダウのみが偏重されるのはやはり、全体の出来が良くないからではないか…などと素人が大胆な発言だが…。N響の演奏も第2曲以降は良くなってきたもののカタルシス得られず。

2017-083/♪NHKホール-04

2017年5月13日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第329回

2017-05-13 @みなとみらいホール


児玉宏:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ブルックナー:交響曲第8番(1887年第1稿ノヴァーク版) 

ブルックナー8番。見事だった。児玉+神奈フィルのコンビのブルックナーは前に4番を聴いたが、その時とは雲泥の差。
神奈フィルが8番を演奏するのは初めてだったそうだ。そのせいか、リハーサルもよほど念入りにやったのだろう。

指揮者と団員が音楽で同じ呼吸をしていた。縱横のアンサンブルが小気味よく、細部まで気合が入っているのを感じた。
ブルックナーはマーラーのような外連味に乏しいが、今日の神奈フィルはブルックナーの魅力を十分引き出してくれた。


♪2017-082/♪みなとみらいホール-19

2017年5月11日木曜日

團菊祭五月大歌舞伎 七世尾上梅幸二十三回忌 十七世市村羽左衛門十七回忌追善

2017-05-11 @歌舞伎座


初 代坂東楽善
九代目坂東彦三郎 襲名披露狂言
三代目坂東亀蔵
六代目坂東亀三郎 初舞台

一 壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん )
  〜劇中にて襲名口上申し上げ候
工藤祐経⇒菊五郎
曽我五郎⇒亀三郎改め彦三郎
近江小藤太⇒亀寿改め坂東亀蔵
八幡三郎⇒松也
化粧坂少将⇒梅枝
秦野四郎⇒竹松
鬼王家臣亀丸⇒初舞台亀三郎
梶原平次景高⇒橘太郎
鬼王新左衛門⇒権十郎
梶原平三景時⇒家橘
大磯の虎⇒萬次郎
曽我十郎⇒時蔵
小林朝比奈⇒彦三郎改め楽善
     
二 伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
〈御殿〉
乳人政岡⇒菊之助
八汐⇒歌六
沖の井⇒梅枝
松島⇒尾上右近
栄御前⇒魁春

〈床下〉
仁木弾正⇒海老蔵
荒獅子男之助⇒松緑

〈対決・刃傷〉
細川勝元⇒梅玉
山名宗全⇒友右衛門
大江鬼貫⇒右之助
黒沢官蔵⇒九團次
山中鹿之助⇒廣松
渡辺外記左衛門⇒市蔵
渡辺民部⇒右團次
仁木弾正⇒海老蔵
     
戸崎四郎 補綴
三 四変化 弥生の花浅草祭(やよいのはなあさくさまつり )

〈神功皇后と武内宿禰〉
〈三社祭〉
〈通人・野暮大尽〉
〈石橋〉

武内宿禰/悪玉/国侍/獅子の精⇒松緑
神功皇后/善玉/通人/獅子の精⇒亀寿改め坂東亀蔵

坂東家の襲名披露(楽善←彦三郎←亀三郎/亀蔵←亀寿/新・亀三郎初舞台)も兼ねていたせいか、どの演目も熱気があった。
特に「寿曽我対面」は初めてこの芝居の面白さが分かった気がする。血気にはやる五郎役の彦三郎の気合がいい。

十郎・五郎を彦三郎・亀蔵の実兄弟で演ずるのかと思い込んでいたが、十郎役は時蔵だった。菊五郎の祐経に対峙するには時蔵の貫禄が必要なのかも。

終盤に彦三郎(前亀三郎)の長男、新・亀三郎が登場し館内どよめく。まるで福助人形の如く可愛い。
基本的に、芸以前のちびっこには興味ないのだけど、この子に限っては、昼の部に強力ライバルの初お目見えもあって、ちょいと影が薄いが、ご本人はなかなか立派なお勤めぶり。その健気さに心打たれた。こういう子供達を応援するのも歌舞伎観客の勤めだものなあ。

「伽羅先代萩」。今回は「御殿〜刃傷」で見応えあり。
前半は政岡の菊之助、後半は勝元の梅玉と仁木弾正の海老蔵が見せる!
菊之助は、さあ、どうだったか。あまり情感が伝わってこなかったな。海老蔵は見る度に痩せてゆくような気がするが、目力は怖いほどだ。
最後、松緑と亀蔵で「石橋」の2人獅子が見事な美しさ。
<舞台写真は松竹のホームページから>


♪2017-81/♪歌舞伎座-03

2017年5月7日日曜日

ミューザ川崎ホリデーアフタヌーンコンサート2017前期 ≪輝けるテノール≫錦織健テノール・リサイタル

2017-05-07 @ミューザ川崎シンフォニーホール


錦織健:テノール
金井信:ピアノ

日本古謡:さくらさくら
大中寅二:椰子の実
服部良一:蘇州夜曲
山田耕筰:来るか来るか、この道、松島音頭、からたちの花
瀧廉太郎:荒城の月
小林秀雄:落葉松
菅野よう子:花は咲く
ドニゼッティ:私は家を建てたい
トスティ:マレキアーレ
ティリンデッリ:おお春よ
プッチーニ:誰も寝てはならぬ(トゥーランドット)
フロトー:夢のごとく(マルタ)
ドニゼッティ:人知れぬ涙(愛の妙薬)
クルティス:忘れな草
ショパン:別れの曲
ラカジェ:アマポーラ
ララ:グラナダ
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アンコール
〈ピアノ・ソロ〉
Shall we go?
哀愁のノクターン
〈テノール+ピアノ〉
カプア:オー・ソレ・ミオ
QUEEN:Love of my life、愛しのラヴァーボーイ
B.Andersson & B.Vlvaeus:thank you for the music

睡眠不足で出かけたが、前半日本歌曲その第一声「さくら」の<さ〜>で一瞬に完全覚醒した。なんという輝く声、そして大ホールに響き渡る豊かな声量。
これまでに「第九」等声楽付き管弦楽の独唱者としては何度も聴いていたがソロリサイタルは初めてでその実力、魅力を思い知った。

後半はイタリア歌曲とアリア集。日本歌曲の美しさにシミジミしていたが本領は後半だった。いずれも素晴らしくドミンゴも青くなりそうな「サンタルチア」など可笑しくて美しい。
曲間の軽妙なトーク。舞台後方席や側方席の観客にも心遣いのエンターティナーぶり。

伴奏ピアノは錦織に八王子のダ・ヴィンチと紹介された金井信。渾名のとおり才人で、演奏も見事だが作・編曲家であり東京藝大声楽科卒で歌も上々。本篇とアンコールでピアノを弾きながら錦織とのデュエットも素晴らしかった。最高に楽しいリサイタルだった。


♪2017-080/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-07