2017年2月11日土曜日

読響第93回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2017-02-11 @みなとみらいホール

小林研一郎:指揮
読売日本交響楽団

宮田大:チェロ*
長井浩美:オルガン#

ドビュッシー:小組曲
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番*
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」#
---------------
アンコール
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番から前奏曲*

炎のコバケンが今日は遊びを封じて大真面目に実力発揮。
宮田大のチェロはまずもって音が惚れ惚れする。

メインの「オルガン付」は文字どおりパイプオルガンが怖い程の重低音。
終演後客席を向いたオルガニストの可憐な美しさに癒されたよ。

♪2017-021/♪みなとみらいホール-06

2017年2月10日金曜日

国立劇場開場50周年記念 近松名作集<第三部> 冥途の飛脚(めいどのひきゃく)

2017-02-07 @国立劇場





























近松門左衛門=作
 梅川忠兵衛
   冥途の飛脚(めいどのひきゃく)
    淡路町の段
    封印切の段
    道行相合かご

(主な出演者)
 豊竹咲甫太夫
 鶴澤清友
 豊竹呂勢太夫
 鶴澤清治
 竹本千歳太夫
 豊澤富助
 竹本文字久太夫
 竹澤團七
 豊竹睦太夫
 竹澤團吾
 豊竹希太夫
 鶴澤清丈
 竹本小住太夫
 豊澤龍璽
 竹本文字栄太夫
 野澤錦吾
 吉田玉男

 豊松清十郎
   ほか

遊女梅川に夢中になってしまった飛脚問屋の跡継忠兵衛が、預り金に手を付けて身請けしたものの、それまでに築き上げてきた財産も信用もなくした上に法を犯して追われる身となり、二人して「生きられるだけ生きよう」と必死の道行。

雪の舞う中一枚の羽織を「お前が」、「忠兵衛さんが」と互いに着せ合うのが美しくも哀しい。

自分で自分を冥土に運ぶ飛脚になってしまった忠兵衛は二十四歳。梅川も二十歳前後だろう。
若気の至りだけでは片づけられないからこそ共感を呼ぶ。

♪2017-020/♪国立劇場-05

2017年2月9日木曜日

国立劇場開場50周年記念 平成28年度2月上席

2017-02-09 @国立演芸場



講談 神田みのり⇒山本源東次
落語 柳亭明楽⇒犬の目
漫才 マグナム小林
落語 三遊亭遊史郎⇒紙入れ
奇術 山上兄弟
落語 柳亭楽輔⇒錦の袈裟
   ―  仲入り  ―
講談 神田陽子⇒鼓ヶ滝
落語 春風亭柳橋⇒代り目
ギダレレ漫談 ぴろき
落語 三遊亭小遊三⇒置泥

前座に講談は珍しかったが、仲入り後にも神田陽子の「鼓ヶ滝」で講談2本。口演時間に制約があるのでコレカラ…というところで切られてしまうのが残念。

今日は満員御礼だったが落語が不作。
こんな程度で笑うか、というような芸や観客に多々興醒め。

2017-019/♪国立演芸場-02

2017年2月7日火曜日

国立劇場開場50周年記念 文楽公演 近松名作集<第二部> お初徳兵衛 曾根崎心中(そねざきしんじゅう)

2017-02-07 @国立劇場


近松門左衛門=作
 お初徳兵衛
   曾根崎心中(そねざきしんじゅう)
    生玉社前の段
    天満屋の段
    天神森の段

(主な出演者)
 竹本文字久太夫
 竹澤宗助
 豊竹咲太夫
 鶴澤燕三
 竹本津駒太夫
 豊竹咲甫太夫
 豊竹芳穂太夫
 豊竹亘太夫
 鶴澤寛治
 鶴澤清志郎
 鶴澤寛太郎
 鶴澤清公
 吉田玉男
 桐竹勘十郎
 吉田玉輝
 吉田文哉
  ほか


近松名作集全3作のうちでは一番有名な作品かな。
文楽で観るのは初めて。

歌舞伎では2014年4月に〜坂田藤十郎一世一代にてお初相勤め申し候〜という藤十郎がこれで最後のお初を演ずるという公演を観て、特に「天満屋の場」の床下に隠れた徳兵衛(鴈治郎=当時は翫雀)との件が非常に強い印象となって残っていたのが、良かったか、悪かったか。

とは言え、もともと文楽の方がオリジナル。
お初が足の先で徳兵衛に心中の決意を伝えるところなど、人形で演じた方が抵抗は少ない。生身の人間が演ると、やはり印象が強烈になる。

徳兵衛の甲斐性のなさにはじれったいが、この時お初19歳、徳兵衛25歳(数え年)。互いの愛を死を以て貫いたのは哀れかな。

〜未来成仏疑ひなき恋の手本となりにけり〜

♪2017-018/♪国立劇場-05

国立劇場開場50周年記念 文楽公演 近松名作集<第一部> 平家女護島(へいけにょごのしま)

2017-02-07 @国立劇場


近松門左衛門=作
 平家女護島(へいけにょごのしま)
    六波羅の段
    鬼界が島の段
    舟路の道行より敷名の浦の段

(主な出演者)
 豊竹靖太夫 野澤錦糸
 豊竹英太夫 鶴澤清介
 豊竹咲甫太夫 鶴澤藤蔵
 竹本三輪太夫 野澤喜一朗
 竹本南都太夫 鶴澤燕二郎
 
 吉田一輔
 桐竹亀次
 吉田玊佳
 吉田玉翔
 吉田幸助
 吉田玉勢
 吉田和生
 吉田勘彌
 吉田簑助
 吉田簑紫郎
 ほか

暮の「仮名手本忠臣蔵」2部に分けての全段通しの次の国立劇場文楽公演は「近松名作集」だ。
今回は3作を1日で3部に分けての公演だ。
11時から20時まで頑張れなくもないけど、最近の体力不足が心配で、今回は1部と2部は同日に続けて、3部は別の日に鑑賞することにした。

「平家女護島」は本来の形はもっと長いもの(全5段11場)らしいが、今回は最も有名な「鬼界が島の段」(なぜ「女護の島の段」と言わないのか不思議だけど。)を真ん中に据えて、前段に俊寛の妻の六波羅での横死を描き、後段で清盛入道の極悪非道ぶりを描く。
原作の2段目と5段目が省略されているが、それでも話が通るようにできている。

今日の中段が歌舞伎でも有名な鬼界が島での顛末だ。
鹿ヶ谷の陰謀が露見して配流されて3年。そこに訪れた赦免船の使者から申し渡された俊寛の恩赦の喜びも束の間、妻が自害して果てたことを知り、絶望のあまり、自分は鬼界が島にとどまるので、島の海女である千鳥を代わりに船に乗せて都に連れて行ってやってほしいと頼む。
色々とあった後、それが叶ったものの、俊寛は海辺の大きな岩に聳える松の木に縋って、赦免の船を見送るのだが、そこで、独りになってしまった寂しさに心が折れて気持ちが崩れてしまう。
かつて都で権勢を誇った俊寛僧都でも、島に取り残された時、思いもしなかった寂寥感に襲われて身悶えする。そこが、人間俊寛の魅力でもあリ、この物語の見どころだ。

鬼界が島の段で俊寛が自分の代わりに船に乗せてやる女・千鳥が海女という設定が、敷名の浦の段の活劇で生きてくるのは巧い作劇だ。

♪2017-017/♪国立劇場-04

2017年2月4日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホールシリーズ 第11回

2017-02-04 @県民ホール


小泉和裕:特別客演指揮者
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」序曲
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」よりモルダウ
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より第3幕への前奏曲
サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」よりバッカナール
ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」
ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」より間奏曲
チャイコフスキー:イタリア奇想曲Op.45
---------------
アンコール
チャイコフスキー:歌劇「エフゲニ・オネーギン」からポロネーズ

小泉和裕御大が神奈川フィルの特別客演指揮者に就任したのが14年の夏で、それ以来この組合せで5回目だが、今回のプログラムは全9曲がいずれも序曲、間奏曲、前奏曲の類で、ちょっと重めのアンコールピースのような作品ばかりだ。確かにキャッチコピーにあるように「名曲」コンサートではある。

そのせいか、県民ホール定期にしては大勢の観客が入っていた。
県民ホールはキャパが首都圏のコンサートホールとしてはNHKホールについで大きい(2,500人。因みにNHKホールは3,600人、東京文化会館が2,300人だ。)。これだけの席を神奈川フィルの定期会員だけでは到底埋められない。それで、県民ホール定期では時として空席が目立つことしばしばである。
しかし、この日は空席もあることはあったが探さなくちゃいけないほどの少なさだった。それだけお客が入ったのも、この「名曲」ラインナップのせいだろう。また、1回券のチケット料金が年間定期会員券よりも安価に設定してあるではないか!ま、たくさん入るに越したことはないからいいけど。

オーケストラの編成は全曲ほぼ一定で、管楽器が多少出入りした程度で弦5部は固定していたのではないか。コンバス7本大勢は最初からずっと変わらなかったように思う。
つまり、コンバスが7本並ぶということは弦全体の数もそれなりの大きさで70人位いたのかもしれない。

そういう大規模管弦楽で、いずれも耳によく馴染んだ名曲が次から次へと繰り出されるのは実に心地の良いものであった。

初めてナマで聴く音楽は一つもなかったが、どの曲も面白いものばかりだ。
セビリアの音楽も良いが、リストのガンがリー狂詩曲は弦の中低域がとても力強くて美しい。
ローエングリンの前奏曲もファンファーレが見事。
「サムソンとデリラ」の音楽は異国情緒たっぷり。
「中央アジアの高原」もエキゾチックで美しい。日本人好みだ。
「マドンナの宝石」もきれいだ。

たまには、こういう肩の凝らない「名曲」集もいいものだ。

♪2017-016/♪県民ホール-01

2017年2月3日金曜日

チェコ国立室内管弦楽団パルドビツェ 演奏会

2017-02-03 @みなとみらいホール


武藤英明:指揮
ホルンソロ
P・ヴォイタ(ケルン放送響首席)
M・バラノウスキー(フランクフルト放送響ソロ)
K・ヤブルコヴァ(チェコフィル次席ソロ)
Z・ヴァシナ(チェコフィル)

チェコ国立室内管弦楽団パルドビツェ

新垣隆:弦楽オーケストラとフルートのためのFNM(世界初演)
シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック 作品86
ベートーベン:交響曲第7番イ長調作品92
------------
アンコール
ドボルザーク:スラブ舞曲 作品72 第2番(作品46と通し番号で第10番)
ヨーゼフ・シュトラウス&J.シュトラウスⅡ:ピチカート・ポルカ


「チェコ国立室内管弦楽団パルドビツェ」なんて知らなかった。
チェコで名の通ったオケと言えば、何と言ってもチェコ・フィルだろう。次いでプラハ室内管弦楽団かな…。いずれにせよナマで聴いたことはないが。
「パルドビツェ」はプラハの近くの町の名前で人口9万足らずの田舎町?らしい。そこを本拠にしているオケという訳だが、そんな都市の存在も知らなかった。
指揮の武藤英明という人のことも知らない。チェコで活躍している人だそうだ。

安っぽいプログラムにはオケのことも指揮者のこともなんにも説明がないのには驚く。

まったくもって有名ではない指揮者とオケだが、ホール主催のシリーズ物の一コマではなく、単体の演奏会だ。お仕着せのプログラムではなく、自分の好みでチケットを買ったのだ。
なぜか。

室内管弦楽団で、ベートーベンの7番を聴いてみたい、という興味があった。それにわざわざチェコからやってくるのだし、それも国立のオケなのだから下手な訳はないだろうという希望的観測があったから。

パーヴォ・ヤルヴィ率いるドイツ・カンマー・フィルが52人前後だったが、このオケはそれよりさらに少なくて4人のホルン奏者とオケ36人、計40人くらいだったと思う。この規模だと音楽のスケルトンが目で見えるような感じさえする。

で、実際の演奏を聴いてみたら、なかなかいい。
新垣隆氏の世界初演という作品はタイトルの意味も分からないしあまり面白い音楽ではなかったけど弦楽合奏が美しいので、これはかなりの実力者集団だろうと思った。

次のシューマンは珍しい作品でCDは持っているが、ナマで聴くのは初めて。4本のホルンのけたたましいファンファーレから始まって、ホルン奏者にとっては面白くも相当な難曲のようだ。
全3楽章が続けて(アタッカで)演奏される。
これを聴いて管楽器のレベルの高さが分かる。


そして最後のベートーベン。
第7番は初演時に80人を超える規模で(弦5部で69人)演奏されたそうで、今も普通のオーケストラの演奏ではだいたいその程度の規模だと思うが、初演当時としては驚くような大編成だったのだろう。
それが、半分程度の室内楽オケなので音楽の響は軽量級なのだけど、先に書いたように音楽的構造が分かりやすくて面白い。
深刻ではなく、重厚ではなく、お友達のようなベートーベン。これも一興であった。

楽団員が楽しそうに演奏しているのも良かった。
アンコールでは、母国チェコの作品、スラブ舞曲全16曲の中でも最もメランコリックな第10番を取り上げた。なかなか心に沁みる演奏だった。
ラストのピチカート・ポルカではひょうきんな演出もあって、観客も大笑いしながら聴いた。

♪2017-015/♪みなとみらいホール-05