ダニエル・ビャルナソン:指揮
神尾真由子:バイオリン*
東京交響楽団
ビャルナソン:ブロウ・ブライト
ショスタコーヴィチ:バイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77*
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
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アンコール
パガニーニ:「24のカプリース」から第24曲*
ショスタコーヴィチのバイオリン協奏曲はあまり好きな作品ではないけど、演奏家はこの作品を好むのか、このところ毎年2回は聴いている勘定だ。今年について言えば、ほんの1週間前にもボリス・ベルキン+日フィルで聴いたばかり。
でも、段々と耳に馴染んできて抵抗感はだいぶ和らいできた。
いつの日かチェロ協奏曲第1番のように僕を夢中にさせるだろうか…いや、それはなさそうだ。
神尾真由子の方は今年1月にブラームスの協奏曲を日フィルとの共演で聴いて以来だ。その時はやや不満が残ったが、今回は、曲自体は好きになれないけど、彼女の演奏は迫力を感じた。ブラームスより、ショスタコのほうが彼女には向いているのではないか。
真っ赤な生地に胸と背中に金筋の入った派手なドレスが、やや太めの体型にピッチリ食い込んでいる感じで凹凸感も見どころだったかな。
アンコールのパガニーニは前回も同じだった。こういう作品を聴いていると技巧も達者なものだと思う。さすがはチャイコフスキーコンクールの覇者か。
冒頭に本日の指揮者、ダニエル・ビャルナソンの作品が演奏された。1979年生まれというからまだ38歳か。無調ではないのだろうけど、調性は怪しい。何より、リズムが主体で管弦はそのリズムに色合いを付けるだけだ。旋律らしきものはない。面白い訳がない。
この作品は日本初演だった。因みにビャルナソン自身も指揮者として今日が日本デビューだったそうだ。
メインの「シェエラザード」は冒頭のバス・テューバの見事に大きく美しい音色にまずは引き込まれた。木管・金管の他にバイオリン、チェロもソロが入ってそれぞれが見事に上手。アンサンブルもいい。音の混ざり具合といい響き具合といい文句なし。
今日は、ミューザの美点が十分に発揮され、東響も腕前を発揮し、管弦楽の魅力が堪能できた。
♪2017-168/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-28