2016-03-12 @ミューザ川崎シンフォニーホール
ゴットホルト・シュヴァルツ:指揮
聖トーマス教会合唱団
ゲヴァントハウス管弦楽団
ソプラノ:シビッラ・ルーベンス
アルト:マリー=クロード・シャピュイ
テノール:マルティン・ペッツォルト[福音史家とテノール]
バス:クラウス・ヘーガー[キリスト]
バス:フローリアン・ベッシュ
J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244
これほど正真正銘のマタイはあるまい。
バッハがカントールを務めた教会合唱団とメンデルスゾーンが約100年ぶりに「マタイ受難曲」の復活上演を行ったゲヴァントハウス管弦楽団による演奏だ。
大曲であるからオーケストラの定期演奏会では取り上げられないので、生演奏を聴けるのは平均すれば数年に一度だ。と言っても、たまたま昨年は「熱狂の日」でバッハ・コレギウム・ジャパンのマタイを聴いたが、2年連続して聴くのは珍しい。アマチュアコーラスの演奏会を探せば機会は増えるだろうけど。
バッハ・コレギウム・ジャパンの時は基本的に古楽のアプローチで、アルトは男性(カウンターテナー)だった。これがつまらなかったと、その時の鑑賞ノートに書いている。
ゲヴァントハウスはモダン楽器中心で、一部に古楽器を用いていた。聖トーマス教会合唱団は少年合唱団だ。声楽の独唱は成人の男声、女声なので、カウンターテナーは存在しない。
この方が自然だと思う。
オーケストラは左右に2組が一対をなして対置している。
これは確か、バッハの時代に教会に祭壇が2つあって、それぞれに合唱団と伴奏楽器が位置したことに始まったと、本で読んだ記憶がある。声楽のソロも左右に分かれて歌う。
過去のマタイ観賞では問題意識も知識もなかったので、そういうふうにオケやソリストが並んでいたかどうかは記憶に無いが、今回は舞台上の楽器配置もよく見えて、なるほどこういう形で歌われるべきものなのか、と得心した。
音楽については何も言うことはない。
素晴らしい音楽をこれ以上は望めないような演奏家たちによって、それもミューザの特等席で聴くのは誠に至福の3時間であった。
♪2016-027/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-05