2014-04-27 @みなとみらいホール
アレクサンドラ・スム:Vn
小林研一郎:指揮
読売日本交響楽団
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲 ニ長調作品35
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調作品74「悲愴」
------
アンコール
バッハ:無伴奏バイオリンソナタ第2番からアンダンテ
炎のコバケンだ。人気のある指揮者だから、いつもより席の埋まり方が違う。完全に満席という訳ではないけど9割位は入っていたのではないか。楽しみにしている人が多いのだ。
僕は、逆にこの人だと不安を覚える。
記録されない生演奏ならではのサービスだろうけど緩急や強弱が誇張され気味で、よく言えばメリハリの付いた音楽なのだけど、度が過ぎれば嫌味だ。
果たして…。
ところどころに貯めを効かせてリリースする開放感を演出していたけど、今回は嫌味を感ずるほど大げさでもなく、まあ感情表現の範囲かなあと思った。
最初のバイオリン協奏曲では、アレクサンドラ・スムという美形の弾き出す音がとてもしっかりして明瞭で良かった。
生演奏では往々にしてバイオリンの音が管弦楽に埋没してしまう時がある。
使っている楽器も相当良いものらしいが、もちろん、腕も良いのだ。
最後の最後の決めるところで、指揮者の高揚感とソリストの高揚感に僅かなズレが出たようで、ぴったり感に欠けたのは残念だけど、まあ、誤差の範囲か。
「悲愴」は今でも大好きだけど、中学時代にクラシック開眼して以来、まずは惹きつけられた作品の一つで、当時はLPを夜遅くまで回して針音だけでも聴きたくてレコードプレイヤーにかじりついていた。その頃はヘッドフォンなんて無かったものなあ。
今日のコバケンは、「悲愴」ではもう泣きまくっていたなあ。
第1楽章も第4楽章も、これ以上に悲しいことが人生にあるだろうか!てな顔をして気合を入れていた。先に書いたように今日はあまりコバケン節も出なかったので違和感なく気持ちを音楽に乗せることができた。
この4月から新しいシーズンが始まり、席替えをして、読響も(神奈川フィルと同じく)P席にしたので、指揮者の表情を通して音楽を<見る>のが楽しみだ。
読響は、弦もいいけど金管が実に達者だ。ホルンの最弱音なんてだれでも難しいと思うけど、見事にポワっという感じが出るのが嬉しい。とりわけ、「悲愴」はブラスが咆哮する曲なので、バリバリやってくれて大いに楽しかった。
♪2014-36/♪みなとみらいホール18