2014-01-13 @みなとみらいホール
ピアノ:小山実稚恵
ロッセン・ゲルゴフ指揮:東京交響楽団
●モーツァルト:「フィガロの結婚」 序曲 K492
●ベートーベン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 Op73 「皇帝」
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●ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op18
アンコール
●ラフマニノフ:前奏曲Op32-5
いつもぎりぎりに駆けつけるけど、今日はゆとりを持って出かけたら、1階ロビーは満員の盛況で行列入場中。
昨日のコンサートもチケット完売と書いてあったが、今日も完売の看板が。
ピアノの小山実稚恵さんは生では初めて聴くが、放送では何度か聴いている。特に「名曲探偵アマデウス」では演奏者・解説者としてよく登場していたので、その人柄に好感を持っていた。
コンサートでも愛想の良い腰の低い人でますます好感度UP。
腕前の方は、ショパン・コンクールとチャイコフスキー・コンクールの両方に入賞している日本人唯一のピアニストという折り紙つき。
1曲めのフィガロは一昨日も日フィルで聴いたばかりだが、気のせいか、日フィルよりよく鳴っていたなあ。
その後小山さん登場。
ピアノ協奏曲が2曲。
最初に「皇帝」。休憩をはさみお色直しもして次はラフマニノフ。
2番はラフマニノフの4つのピアノ協奏曲の中で一番ポピュラーで、映画でもよく使われている。
特に、デヴィッド・リーンの名作「逢びき」はこの音楽が終始鳴り続け、切なさを大いに煽られてしまう。
映画「七年目の浮気」でも使われているがこちらはコメディだ。
昨年の6月にも同じ場所で中村紘子の演奏を聴いている。
その時はショパンの1番の協奏曲との組合せで、やはりラフマニノフがトリだった。
「皇帝」の方が華麗で堂々とした大曲なのにどうしてこちらを先に持ってきたのかな?と疑問に思ったが、ラフマニノフの2番を聴いて「見る」と納得した。
耳からだけではなかなかその難曲ぶりが分からないが、演奏ぶりを見ていると、これは相当大変なのだろう。
帰宅後調べたら冒頭の和音は1小節目を除いて一度に9つの音を弾かなければならず、左手は4つの音を含む10度の間隔(例えば、ドとそのオクターブ上のミの間に2個の音が入っている。右手はオクターブの間隔で5本の指全部)を要求される。
その後もものすごく早い分散和音など、超絶技巧が必要なんだ。
ベートーベンが易しいという訳でもないだろうが、まずは技術的にはこちらが大曲なんだね。
それに、「皇帝」は、ラストがピアノの強奏では終わらない。
ピアニストとしてはコンサートの最後を両方の手でガツンと叩き終えたいだろう。そういうこともラフマニノフをトリにした理由ではないか、と思った。
観客のオベーション(ovation)は強烈で、素晴らしいひとときを過ごさせてもらったという感謝の気持が満席の大ホールにみなぎった。
♪2014-05/♪みなとみらいホール大ホール-03