2023年1月13日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#12

2023-01-13 @すみだトリフォニーホール



高関健:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
ネルソン・ゲルナー:ピアノ*

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op. 83*
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 op. 90
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ブラームス:6つの小品 Op18-2 から間奏曲イ長調


学究の徒、高関センセ。外連なし、遊びなしの正統派真っ向勝負。
独逸音楽の粋、ブラームスを2曲という豪華版。

ピアノのネルソン・ゲルナーて人は17年に熱狂の日で聴いて以来だったが、高関氏と息が合って、本当に久しぶりに美しいピアノ協奏曲第2番。

ピアノの音がとても良い。

高域はカーンと抜け。コロコロと輝く。低域は銅線巻きの太い弦が震えている感じが伝わってくる。ピアノとは本来こういう音なのだ(なのに、三鳥のおもちゃのピアノのような悲しい響に、演奏家や関係者は気づいていないのだろうか。)。

交響曲3番も、はい、これがブラームスです!という心地良さ。

臍曲がり気味の僕も、とても素直にこの世界に浸りきった。
オケは弦14型で、昨日のガサツな16型とは比べ物にならない透明感。管弦楽とはこうでなくちゃ。

また、ゲルナーのアンコールが気が利いている。
ブラームスの間奏曲イ長調で、これはグレン・グールドのアルバムに名演(と思う)が収められていて大好物の一つ!

♪2023-006/♪すみだトリフォニーホール-01

2023年1月12日木曜日

東京都交響楽団 第962回 定期演奏会Bシリーズ

2023-01-12 @サントリーホール



小泉和裕:指揮
東京都交響楽団

シェーンベルク:浄められた夜 op.4
ブラームス(シェーンベルク編曲):ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 op.25(管弦楽版)


前半は途中から船を漕いだ。曲がつまらないからではなく(面白くもないが)、過去に聴いた他のオケ(東響・神フィル等)の演奏はシェーンベルクとも思えない作風で弦楽合奏としてのシンフォニックなEnsの美しさも記憶していたが、今日はダメ。
弦9部を16型でとなると…よほど名人が揃わないとうまくいかんでしょ…と眠気に任せた。

2曲目ブラームスの原曲は大好き。
ただ、こちらは過去色んなオケで何度も聴いているが、満足できた試しがない。根本的に原曲がいいので、オケ版に感情移入できない。また、ここでもやはり弦の編成が大きすぎるのではないか。

この曲を弦16型で演奏する必然性はあるのか。
プルトが1つ増えるとその度にリスクが増える。それを補って余りある大編成の魅力を発揮できたらいいのだけど(時に発揮するのは確か。多くはうまくゆかない。特に三鳥ではアラが目立つ。)。

今日は、キンキン、キャンキャンと高域のけたたましさ。

♪2023-005/♪サントリーホール-01

未来へつなぐ国立劇場プロジェクト 初代国立劇場さよなら公演 通し狂言「遠山桜天保日記」

2023-01-12 @国立劇場大劇場



竹柴其水=作
尾上菊五郎=監修
国立劇場文芸研究会=補綴
通し狂言「遠山桜天保日記」六幕十一場
    -歌舞伎の恩人・遠山の金さん-
      (とおやまざくらてんぽうにっき)
        国立劇場美術係=美術

序  幕 第一場  河原崎座楽屋の場
   第二場  花川戸須之崎政五郎内稽古所の場
   第三場  隅田川三囲堤の場
二幕目 安房国山中の場
三幕目 第一場  花川戸須之崎政五郎内の場
    第二場  山の宿尾花屋の場
    第三場  大川橋六地蔵河岸の場
四幕目 第一場  新潟行形亭座敷の場
    第二場  同    庭先の場
五幕目 北町奉行所白洲の場
大 詰 河原崎座初芝居の場

羅漢尊者⇒市川左團次
笛方六郷新三郎/旅の一座の座頭⇒市村橘太郎
捕手頭 佐藤清介⇒市村竹松
楽屋番紋助⇒市村光
行形亭女将お滋⇒市村萬次郎
待乳山のおえん⇒尾上右近*
尾花屋丁稚辰吉⇒尾上丑之助*
遠山金四郎⇒尾上菊五郎
尾花屋小三郎後ニ羅漢小僧小吉⇒尾上菊之助*
八州廻り宮森源八⇒尾上左近*
生田角太夫⇒尾上松緑*
尾花屋番頭 清六⇒片岡亀蔵
座元河原崎権之助/須之崎の政五郎⇒河原崎権十郎
角太夫女房おもと⇒中村時蔵*
政五郎養女おわか⇒中村梅枝*
若太夫河原崎権三郎/八州廻り咲島千介⇒中村萬太郎*
遠山家用人河原崎権三郎/与力大里忠平⇒坂東亀蔵*
佐島天学/⇒坂東彦三郎*
遠山家家老簑浦甚兵衛⇒坂東楽善
        ほか
小川大晴**
寺嶋眞秀**
坂東亀三郎**
*は大詰めの河原崎座役者を兼務*又はそれのみの出演**










毎年、国立の正月公演は菊五郎劇団と決まっている。
いつもは見た目重視の派手な出し物が多いが、今年は初代国立の最後の正月公演なのに地味な世話物?

しかし正月らしい目配りが効いた芝居で大いに満足。

所謂遠山の金さんの話だが、裁きより人情噺に重点。

菊之助の長男、丑之助君を前回見たのは昨年10月だったが、今回は芝居も長く科白も多く、それを見事にこなしている。才能あるものが打ち込んでいるとこんなに早く成長するんだと、近年退化の一途を辿る身としては、驚くとともに反省頻り。
菊五郎も菊之助も同じ舞台に立って喜びこの上なしだろ。

遠山の金さんという人は、天保の改革で取り潰されそうになっている芝居三座を浅草猿若町への所替えで救ったそうで、謂わば歌舞伎の恩人でもある。
そこで今日の芝居では、一件落着後の終幕に主要な役者が、<歌舞伎役者>として登場し、桜尽くしの中、総出で踊って華やかに幕を閉じた。

ここで、本編には登場しなかった、
小川大晴(ひろはる=中村梅枝の長男 7歳)
寺嶋眞秀(まほろ=寺島しのぶの長男 10歳)
坂東亀三郎(かめさぶろう=坂東彦三郎の長男 9歳)が
尾上丑之助(うしのすけ=菊之助の長男 9歳)と共に揃いの衣装で登場した。まあ、可愛らしいこと。
揃って、セリフを先走ったので舞台上も客席も大笑い。
めでたし。

♪2023-004/♪国立劇場-01

2023年1月9日月曜日

神奈川フィル フレッシュ・コンサート Vol.17 未来を奏でる神奈川の新星たち

2023-01-09 @県立音楽堂



坂入健司郎:指揮
神奈川フィルハーモニー交響楽団
福田麻子:バイオリン*

イベール:モーツァルトへのオマージュ
サン=サーンス:バイオリン協奏曲第3番ロ短調 op. 61*
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K551「ジュピター」




神奈川縁の新星と神奈川フィルの共演。
このシリーズ、過去には、小林美樹、大江薫、阪田知樹、尾城杏奈等が登場。
今回は、指揮の坂入健司郎とVnの福田麻子だった。

2人は全くの新人でもなく、既に多くのプロオケと指揮・共演しているようだ。福田嬢は東京音大オケのコンミス経験者だというから、音大フェスなどで、ソロではないが聴いたことがあるのかも。

最初のイベール「モーツァルトへのオマージュ」は過去に神奈川フィル@音楽堂で一度聴いたきりという珍しい作品だが、実に闊達な演奏で、初め良ければ〜で良いスタートを切ったが、実際全体がワクワクさせる好印象の演奏会だった。

指揮者も”フレッシュ”組だということはすっかり忘れて聴き入った。

サン=サーンスのバイオリン協奏曲第3番もなかなか聴く機会がなく、14年以降では今日で3回目だ。ところが、演奏が始まるとなぜか音楽には馴染んでいるのはどうしてか?と思いながら聴いていたが、思い出した。この曲は、バイオリンの技を披露するにはふさわしい曲らしく、コンクール自由曲で人気がある。みなとみらいホールで開催される全国学生音楽コンクールには、嘗ては毎年のように通っていたからそこで1日に何回も1楽章や3楽章を聴いていたのを思い出した。

これを弾いた福田嬢。もう、最初からゴリゴリと力強く、2楽章〜3楽章とだんだん良く鳴って素晴らしかった。

普段は、アンコールは無い方がいいと思っているが、今日は無伴奏を聴きたかったな。

後半、メインの「ジュピター」がこれもテンポ良く溌剌として、改めてこりゃ名曲だと実感。
弦編成は10型。2楽章は弱音器付き弦と木管とHrだが、その美しい響は音楽堂ならではのものだった。

そうそう、このところ、出番の多い、日フィルの千葉清加嬢が「第九」に続いて今日のコンマス(正しくはミコンサートミストレス)だった。一昨日の音楽堂定期でも佐久間聡一が客演コンマスだった。﨑谷の後任がまだ決まらないらしい。

千葉ちゃんがやってくれたらいいのにな。

♪2023-003/♪神奈川県立音楽堂-02

2023年1月7日土曜日

音楽堂シリーズ「モーツァルト+(プラス)」第25回

2023-01-07 @県立音楽堂



川口成彦:ピアノと弾き振り
神奈川フィルハーモニー交響楽団
レ・ヴァン・ロマンティーク・トウキョウ
 オーボエ:三宮正満
 クラリネット:満江菜穂子
 ファゴット:村上由紀子
 ホルン:福川伸陽

●F.X.モーツァルト:アンダンティーノ イ長調
●F.X.モーツァルト:ドン・ジョヴァンニのメヌエットの主題による変奏曲Op.2(FP独奏)
使用楽器:1814年製のJ.ブロードウッド&サンズのスクエアピアノ(オリジナル楽器) ピッチ415Hz

●W.A.モーツァルト:ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調K.452  
使用楽器:1795年頃製のA.ヴァルター(復元楽器) 管楽器はピリオド楽器を使用 ピッチ432Hz

●L.モーツァルト:ディヴェルティメント第3番(弦楽)ピッチ440Hz
●W.A.モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467 
使用楽器:スタインウェイ製のモダンピアノ ピッチ440H


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●F.X.モーツァルト:憂鬱なポロネーズイ短調Op22-2
●L.モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調から第2楽章メヌエット(トリオ部分はW.A.モーツァルトによる)













神フィルの音楽堂シリーズは意欲的なプロが続いている。
今回は、川口成彦ワンマンショーの如し。
彼を聴くのは2回目だが、今回はMCを兼ねて(指揮も)いたので人柄も音楽もよく分かって良かった。
彼の円満な人柄は周りを幸福にさせる。オケも客席も笑顔に包まれた。

とても興味深い内容だった。
WAモーツァルトのパパ、本人、4男坊(FX=フランツ・クサヴァー)の作品が取り上げられ、
鍵盤楽器はスクエアピアノ415Hz、復元フォルテピアノ432Hz、モダンピアノ440Hzが使用され、ピアノと管楽の為の五重奏曲では管楽器も全てピリオド楽器。
演奏ピッチも各ピアノに合わせて異なった。

フォルテピアノ独奏2曲、管とフォルテピアノのアンサンブル、バイオリン3人ずつ2組+チェロ2人の弦楽アンサンブル(神フィルのメンバー)、最後にモダンピアノと神フィル(弦編成は6-6-5-4-3)という編成の面でも多種多様。
全てが音楽堂にふさわしい編成だ。

あの手この手の組み合わせで聴いたので、消化不足だが興味が尽きなかった。何より川口の人柄がアンサンブルの幸福感を引き出した。

♪2023-002/♪神奈川県立音楽堂-01

2023年1月3日火曜日

バレエ「くるみ割り人形」

2023-01-03 @新国立劇場



【指揮】アレクセイ・バクラン
【振付】ウエイン・イーグリング
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【美術】川口直次
【衣裳】前田文子
【照明】沢田祐二
【芸術監督】吉田都

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【合唱】東京少年少女合唱隊

【クララ/金平糖の精】小野絢子
【ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子】福岡雄大

バレエ「くるみ割り人形」
全2幕

予定上演時間:約2時間15分
第Ⅰ幕 55分
  休憩30分
第Ⅱ幕 50分



1月3日が僕の事初め。
昨年に続いて「くるみ」を観に行く。今日が千穐楽。

なぜ、この日にゆくか、といえば、マチネでバレエを、ソワレでNHKホールのニューイヤーオペラコンサートに行こうという段取りだけど、後者は昨年から抽選制になり2年続けて落ちた。全く、抽選なんてやめてケロ。

主要スタッフ・キャストは昨年と同じ。
クララ⇒小野絢子、王子⇒福岡雄大。
バレエの技術は分からん。
が、2人とも呼吸が合ってとても安定感がある。

オケによる全曲演奏はバレエ無しでつまらない。
チャイコ自身の手になる組曲は何故か2幕に偏重。
やはり、バレエ音楽はバレエで楽しむに限る。

1幕の最後、24人の群舞による雪の精の踊りは実に美しいし、後半流れる児童合唱(2F舞台際の左右のバルコニーで歌った。)のボカリーズは天から降り注ぐかのように感動的で、2幕の花のワルツよりも好きだ。

2幕は耳タコ名曲の釣部撃ち。
その後にバレエ最大の見せ場かな。グラン・パ・ド・ドゥは鍛えられた身体が優雅の極致を見せて見事。

♪2023-001/♪新国立劇場-01

2022年12月28日水曜日

「第九」2022-⓬ 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団「第九」特別演奏会2022

2022-12-28 @東京文化会館



飯守泰次郎:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京シティ・フィル・コーア

ソプラノ:田崎尚美
メゾ・ソプラノ:金子美香
テノール:与儀巧
バリトン:加耒徹

ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125



例年は12月27日のN響@サントリーで聴き納めするけど、今年は1日延ばした。
飯守泰次郎の「第九」を聴きたかったから。
果たして、なんと幸福感に満ちた演奏会。
N響にはガッカリだったが、これを最後に入れておいて大正解だった。
会場が文化会館というのも良かった。

オケは弦14型!驚く事に今年12回目にして初めてこの編成で聴く。
因みにこれまで聴いた編成は10型-1、16型-2、12型-8。
そして今日の14型だ。

この編成はベートーベンが「第九」を初演した時の編成だと聞く。
この位でちょうどいいのだと思うよ。

さらに嬉しいことに、独唱者が舞台の前方に陣取った。これがコロナ前の標準形だ。

よくぞやった飯守「第九」!
このスタイルを、東京で一番好きな文化会館で聴けるとは!
なんだか、古き良き時代を思い起こさせる。

テンポはどの楽章もゆっくり目。4楽章の入りは4秒しか置かなかった。
それでも全曲72分37秒と昨日最長を更新した井上+N響を更新して12オケ中の最長だった。

しかし、モタモタしていた訳ではないのだ。
すべて自然に流れて、全く外連のない、妙な独自性も発揮しない、もう枯れて出来上がって、寸分変わらない鉄壁の「第九」だった。もちろん暗譜で。

オケもよく期待に応えて、スムーズに流れた。リスクポイントも難なく(完璧!とは言わないが)クリア。

独唱も、舞台前方に立っているのでP席や舞台最後部から聴こえてくるものとは異なって生々しい!

アマ合唱団はMaskで歌ったので発音不明瞭な部分もあったが、行進曲前のソプラノの絶叫も許容範囲。

心配は、飯守御大の足腰がだいぶ弱ってこられたことだ。入退場は戸澤氏ほかが腕を支えた。
2楽章途中からは座ったきりだった。

そういう姿を見て、N響とブロムシュテット翁の印象が重なった。
師弟愛というか、指揮者とオケの間は信頼と敬愛で結ばれている。
きっとそれが、良い演奏をもたらし、心温まる演奏会にしたのだろう。久しぶりに至福の時を過ごした。

演奏好感度★98点

♪2022-207/♪東京文化会館-15