2017年12月16日土曜日

東京都交響楽団 第845回 定期演奏会Bシリーズ

2017-12-16 @サントリーホール


ヤクブ・フルシャ:指揮
東京都交響楽団

マルティヌー:交響曲第1番 H.289
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68

月曜のA定期と同じマルティヌー&ブラームスの今日は2番。オケの編成も多分同じ。コンバス8本でブラームスっていいのかという疑問あり。あまり弦が多いと透明感が減少するリスクが増える。惜しい。
同日マチネで聴いたN響のメンデ3番もコンバス8本の大編成だったがパート毎に分離する音の明瞭さ。今日の都響も一歩及ばず。

とはいえ、A定期に比べると今日の方がずっと良いアンサンブルだった。弦がキンキンしなかったのはホールのせいだろうな。文化会館のA定期の席も悪くないのだけど、あのホールは残響が少ない分、原音:残響で言えば原音比率が高く、弦のピッチが甘いとそれがはっきりと聴こえてしまう。もう少し後ろで聴けばいいのかもしれないと思って、来季は3列後ろに移動することにしたが。

ところで、今回もフルシャの楽章間ポーズが長過ぎて緊張感に欠ける。楽章が終わる度に客席では咳払い狂騒曲が始まるのが耳障りだ。もっとテンポよくやってほしかった。

フルシャは今日で主席客演指揮者の座を降りる。
客席は大歓呼で送り出した。
人気もあるが、実力もあるのだろうな。その辺はどうもよく分からない。優れたオケとリハーサルを十分重ねたら、ハットするような音楽を聴かせてくれるのかもしれない。

♪2017-204/♪サントリーホール-05

NHK交響楽団2017横浜定期演奏会

2017-12-16 @みなとみらいホール


シャルル・デュトワ:指揮
NHK交響楽団
アンナ・プロハスカ:ソプラノ*

ハイドン:交響曲第85番変ロ長調 Hob.Ⅰ-85「女王」
細川俊夫:ソプラノとオーケストラのための「嘆き」−ゲオルク・トラークルの詩による(2013)
メンデルスゾーン:交響曲第3番イ長調 作品56

ハイドン85番冒頭の響でN響の実力を納得させた。
小規模編成ながら弦が豊かでクリアに響く。実力とみなとみらいホールの音響の良さが相俟っているのだろう。

細川の「〜嘆き」は聴くのが2回め。最初は東響で独唱がメゾ・ソプラノの藤村実穂子。その時は、『「嘆き」〜メゾ・ソプラノとオーケストラのための』というタイトルで、彼女のためにメゾ・ソプラノように編曲されたものだったが、今回の独唱はアンナ・プロハスカで原曲のソプラノ版だった。
と言っても、違いはよく分からない。当然、オケも含めて音程が何度か上げられているのだろう。ただ、声楽部分は意味も良く分からないし(プログラムに対訳があったが)、聴いていて面白いとも思わないけど、今回は、むしろ管・弦・打・合奏に魅力を感じた。
色々工夫がなされていて、アンサンブルが難しそうだが、これをきちんとハマるところに嵌めてこれも一興と感じた。

メンデルスゾーンの3番「スコットランド」も上出来。
特に終楽章、厚い弦に乗って4本のホルンの斉奏が実に美しい!
あまり愛想の良くないデュトワも満足気で、何度もカーテンコールに応じた。
N響とみなとみらいホールの相性の良さというか、ここでの演奏ではN響が真価を発揮するように思う。

♪2017-203/♪みなとみらいホール-49

2017年12月14日木曜日

平成29年度12月中席 三遊亭小円歌 改メ 二代立花家橘之助襲名披露公演

2017-12-14@国立演芸場

落語 三遊亭門朗⇒雑俳
落語 柳家花ごめ⇒からぬけ
落語   桂やまと⇒粗忽長屋
落語   五明樓玉の輔⇒宮戸川
曲芸   翁家社中(小楽、和助)
落語   三遊亭若圓歌⇒授業中
落語   三遊亭歌司⇒蜘蛛駕籠
      ―仲入り―
襲名披露口上
落語   金原亭駒三⇒権助芝居
落語   三遊亭金馬⇒禁酒番屋
浮世節   三遊亭小円歌改メ二代  立花家橘之助⇒たぬき〜道成寺〜

小円歌改め二代立花家橘之助…といっても粋なお姐さんだが…の襲名披露興行ということで、寄席にしては珍しく「浮世節」がトリに入った。いろいろな小唄、端唄などを集めて、ひとつの物語にしていくのが浮世節だそうな。
歌や三味線だけでは座が持てないからではあるまい。多芸なところを見せて、最後に踊りを披露して幕となった。
浮世節が、俗曲や粋曲などとどう違うのかサッパリ分からないが、これまで時々聴いている小菊姐さんよりずっと感じが良かったよ。

ま、珍しいものを聞かせてもらったし、落語以外で襲名披露というのも初めての経験だった。

しかし、その余の落語などはほとんど聴いていない。
何しろ、前夜4時間ほどしか睡眠を取れずに出かけたので、眠くて眠くて目を開けておれん。
翁家社中が、以前は父親と娘?のコンビだったのが、男同士のコンビになっていたのでアレと思ったが、ろくすっぽ見てなかったな。
本来ならトリを務める金馬の落語も途中で落伍してしまった。相済まぬ事だ。

かくして、2017年の演芸場通いが終わった。20回も通ったのか…。全興行が22〜23回のはずだから、ほぼ皆勤賞だな。

♪2017-202/♪国立演芸場-020

2017年12月13日水曜日

12月文楽鑑賞教室「日高川入相花王」ほか

2017-12-13 @国立劇場


●日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)
     渡し場の段


豊竹芳穂太夫
豊竹靖太夫
豊竹咲寿太夫
豊竹亘太夫
竹本碩太夫

鶴澤清丈
鶴澤友之助
鶴澤清公
野澤錦吾
鶴澤清允

<人形>
吉田簑紫郎
吉田文哉

●解説 文楽の魅力

豊竹希太夫
鶴澤寛太郎
吉田玉誉

●傾城恋飛脚(けいせいこいびきゃく)
     新口村の段

口 竹本小住太夫
  鶴澤清公
前 豊竹呂勢太夫
  鶴澤燕三

後 竹本千歳太夫
  豊澤富助

<人形>
吉田勘一
桐竹勘次郎
吉田勘彌
豊松清十郎
吉田玉男 ほか


文楽の「鑑賞教室」は初めてだった。
文楽鑑賞歴は短いものの熱心に足を運び、家でもビデオ鑑賞したりしてだいぶ勉強が行き届いてきたので、学生向けの解説は既に承知のことばかり…と思いきや色々と学ぶところは多かった。

文楽は、三味線・義太夫・人形遣いの3つの分野で成り立っているが、それぞれの分野から解説者が立った。歌舞伎の鑑賞教室だと歌舞伎役者の若手が説明に立つが、彼らは大舞台で喋るのが商売だからうまくて当たり前。それに比べると文楽の場合は太夫は声を使う仕事とは言え、喋るというより語るのだからだいぶ違う。ましてや三味線も人形遣いも一言も発さないのが本来であるから、舞台に立って解説をするというのは慣れない仕事だろう。それにしてはいずれもなかなか上手な説明だった。

配ってくれた解説のパンフレットも簡潔にまとめてあってこれからも重宝しそうだ。


「日高川入相花王〜渡し場の段」は安珍・清姫の物語だ。清姫が愛しい安珍とその婚約者を追って日高川の渡し場まで来るが、船頭は先に渡した安珍からお金をもらって清姫が来ても船に乗せないでくれと言われているので必死に頼む清姫の願いを拒絶する。

嫉妬に狂った清姫はついに大蛇になり日高川を泳いで安珍の後を追う…という場面だが、ここで、有名な「角出しのガブ」という頭が使われる。知識として走っていたが、ホンモノを見たのは初めてだ。きれいな娘の顔が一瞬にして口が裂け、目が充血して角膜が黄金色に変わり、頭からは角が出る。よくできているが、コワイ。


「傾城恋飛脚」は近松の「冥途の飛脚」を後年菅専助、若竹笛躬が改作したもので、2月に観た「冥途の飛脚」の最終段は「道行き相合かご」で、かごを帰した梅川と忠兵衛がこれから忠兵衛の故郷<新口村>の親に逢いにゆこうとするところで終わるが、「傾城恋飛脚」では、この段を「新口村の段」に改作して、雨の場を雪に変え、忠兵衛は父親に会えるのだが追手が近づいてきたということで終わる。この趣向がとても良いというので、「冥途の飛脚」の公演でも「新口村の段」を取り入れているものもあると聞くが観たことはない。

鑑賞教室ということで、2本とも1段(場)のみだったが、気軽な文楽鑑賞を楽しむことができた。

♪2017-201/♪国立劇場-20

2017年12月11日月曜日

東京都交響楽団 第844回 定期演奏会Aシリーズ

2017-12-11 @東京文化会館


ヤクブ・フルシャ:指揮
東京都交響楽団

ドボルザーク:序曲《オセロ》 op.93 B.174
マルティヌー:交響曲第2番 H.295
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調op.73

J.フルシャでマルティヌー2番、ブラームス2番他。
弦5部の編成は3曲とも同じだったような…。
大規模でコンバス8本。これでブラームス演る?
音圧は大きいが豊穣な響とは言えない。

この頃都響に満足できず欲求不満が続く。
次回のサントリーでも同指揮者・作曲家作品。さてどう響くか。

♪2017-200/♪東京文化会館-15

12月歌舞伎公演「今様三番三」、「通し狂言 隅田春妓女容性―御存梅の由兵衛―」

2017-12-11 @国立劇場


●今様三番三(いまようさんばそう)
   大薩摩連中
   長唄囃子連中

並木五瓶=作
国立劇場文芸研究会=補綴
●通し狂言 隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ) 三幕九場
 ―御存梅の由兵衛― (ごぞんじうめのよしべえ)
             国立劇場美術係=美術
序幕  柳島妙見堂の場
    同 橋本座敷の場
    同 入口塀外の場
二幕目 蔵前米屋店先の場
    同 塀外の場
    同 奥座敷の場
    本所大川端の場
大詰  梅堀由兵衛内の場
    同 仕返しの場

中村吉右衛門⇒梅の由兵衛
中村歌六⇒源兵衛堀の源兵衛
中村又五郎⇒土手のどび六実は十平次
尾上菊之助⇒由兵衛女房小梅/丁稚長吉
中村歌昇⇒佐々木小太郎行氏/延紙長五郎
中村種之助⇒結城三郎貞光/芸者小糸
中村米吉⇒米屋娘お君
中村吉之丞⇒医者三里久庵
嵐橘三郎⇒米屋佐次兵衛
大谷桂三⇒曽根伴五郎
中村錦之助⇒金谷金五郎
中村雀右衛門⇒曽我二の宮実は如月姫/額の小三
中村東蔵⇒信楽勘十郎
 ほか

連日の劇場通いで初見演目なのに予習なし。寝不足。折角2階花道寄り最前列を取ったのに集中できず。吉右衛門、雀右衛門、歌六、東蔵、又五郎、菊之助、米吉…みんな好きなのにゴメン!
でも、筋もイマイチだったかもな。39年ぶり上演(=永く上演機会がなかった)にはこういう理由もあるのかも。


♪2017-199/♪国立劇場-19

2017年12月10日日曜日

東京交響楽団 オペラ「ドン・ジョヴァンニ」(演奏会形式)

2017-12-10 @ミューザ川崎シンフォニーホール


モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K527
<全2幕 原語上演 日本語字幕付き ノーカット版>
第1幕…90分 休憩…25分 第2幕…80分

ジョナサン・ノット:指揮&ハンマー・フリューゲル
演出監修:原純

東京交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

ドン・ジョヴァンニ⇒マーク・ストーンBr*
レポレッロ:シェンヤンBs-Br
ドンナ・アンナ:ローラ・エイキンSp
ドン・オッターヴィオ⇒アンドリュー・ステープルズTn
騎士長⇒リアン・リBs
ドンナ・エルヴィーラ⇒ミヒャエラ・ゼーリンガーMs**
マゼット⇒クレシミル・ストラジャナッツBs-Br
ツェルリーナ⇒カロリーナ・ウルリヒSp

ミヒャエル・ナジの代役*
エンジェル・ブルーの代役**

このコンサートのチケットが売り出されたのは今年の3月だった(9月以上前のことだ。)。
同じミューザでほぼ同時期に行われるベルリン・フィル、コンセルトヘボウのコンサートと今日の東響「ドン・ジョヴァンニ」がセット券として発売された。この発売が最先行なので、良い席を確保する為にセット券を買った。
しかし、ベルリン・フィルとコンセルトヘボウのセットは、まあ分からないでもないが、東響もセットにするというミューザの商魂がたくましいというか、呆れてしまった。

セット券以外でも単券での発売はあった。セットで買えば良席確保と、少し割引しますということだったのだけど、購入時点から「売れない商品を抱き合わせで買わされた」感じが拭えないで今日に至ったのは不幸なことだった。

おまけに、本番前1週間位になってからだったか、タイトルロールのドン・ジョヴァンニ役やこちらも重要なドンナ・エルヴィーラ役が交代してしまった。オペラ歌手には明るくないけど、代役はいかにも軽量級の感じ(NETでもほとんど情報が得られない。)。

そんなこんなで、あまり前向きになれないまま今日の本番を迎えてしまった。
席は先行セット券購入のお陰で個人的には(特に演奏会形式とは言えオペラには)最高の場所だったが、あいにくと前の席の御仁がデカイ!その頭でせっかくの正面の(唯一セットらしい長椅子?が置いてある。)多くの部分が塞がれてしまうという悲劇。

…と、音楽と関係のない恨み節をダラダラ書いてしまったが、いざ始まってしまえば、だんだんとペースに乗せられてきた。
また、うれしいことに休憩後の第2幕からは前の席のデカイ頭がなくなって一挙に視野が開けてウレシイ(1幕だけで引き上げる予定だったとは思えない。2幕の開幕前に席に戻ってこれなくなって立ち見席で聴いていたのかも…)。

オケの編成はとても小ぶりで、ミューザの広い舞台の真ん中に小さくまとまっている(ついでに言えば、打・管はモーツァルト当時の(複製?)楽器らしかった。華やかさに欠けるが、これも一つの味わい。)。そのため、舞台の周辺部分が空いており、ここが芝居の舞台として活用されていた。
とは言え、舞台装置も衣裳も照明も簡素そのもの。せっかく、オケの周囲にスペースが空いていたのだからもう少し工夫できなかったろうか。
先日NHK音楽祭でもN響が「ドン・ジョヴァンニ」を演奏会形式で取り上げたが、こちらはもう少し舞台効果が取り入れられていた。同じくN響が文化会館でやった「神々の黄昏」でも演奏会形式をやや拡張して迫力があった。

特に、終盤、ドン・ジョヴァンニが地獄へ落ちる場面なんぞ、あまりにあっさりとして残念だった。

しかし、演奏会形式による物足らなさはあったものの、ピンチヒッターの主役たちもみんな上手に役をこなして大したものだ。
終演後のカーテンコールがいつになく盛り上がったのは、何と言っても歌手たちの熱唱への賛辞だ。オケが引き払っても拍手が続き歌手たちは舞台に呼び戻された。セット券で鑑賞したベルリン・フィル、コンセルトヘボウも熱狂的なカーテンコールではあったが、やはり、オーケストラという性格上指揮者以外に呼び出す相手がいないから、今日の「ドン・ジョヴァンニ」ほどではなかった。
セット券による3公演中、一番安価な東響が少なくともカーテンコールだけは一番盛り上がりを見せた。

♪2017-198/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-34