2021年3月26日金曜日

新日本フィル:#38ルビー<アフタヌーン コンサート・シリーズ>

2021-03-26 @すみだトリフォニーホール


鈴木秀美:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

バイオリン:崔文洙(弟)*
ピアノ:崔仁洙(兄)*
チェロ:長谷川彰子*


ベートーベン:バイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲ハ長 調 op. 56*
ベートーベン:交響曲第5番ハ短調 op. 67 「運命」
-----アンコール-----
ベートーベン:ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調「街の歌」から第2楽章*
ベートーベン:12のメヌエット WoO.7から第11番


オール・ベートーベン・プロ。

まずは、バイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲がとても良かった。

昨秋、都響が豪華な独奏陣で華やかに聴かせてくれたが、今日の新日フィルの独奏者はほぼ自前。
しかし、土台となる弦楽アンサンブルが美しいので、3人の独奏がとても引き立った。

三重協は、正直なところ退屈な曲だけど、今日は、音楽の見通しが良く、独奏陣の演奏が各人ともしっかり聴こえたこともあり、これ迄で一番好感を持って聴くことができた。

いつもはチェロの首席として弾いている長谷川嬢が舞台最前面で時折笑顔を見せながら表情豊かに演奏しているのは見ていても楽しい。


鈴木秀美の「運命」は14年に神奈川フィルで聴いた際に、驚速で疾走する「運命」に驚愕すると共に実に爽快であった(その半年後、Jノセダ+N響の全速力で疾走する「運命」も忘れられない。)。

果たして、今回も秀美流に更に磨きをかけた指揮ぶり。

オケもきっちり意を汲んで、速いだけではなく細かい部分まで正確なリズムを刻んだ。特に弦は透明で明瞭な響を聴かせ、3楽章の低弦がガリガリ弾き切るところは興奮の坩堝だ。

こいういう「運命」を聴いていると、「音楽はスポーツだ!」という気がしてくる。

速ければ良い訳ではないが、緻密に積み重ねた音楽の疾走は爽快ではある。

♪2021-028/♪すみだトリフォニーホール-03