2015-08-21 @サントリーホール
ヨーン・ストルゴーズ:指揮
アリス=紗良・オット:ピアノ*
NHK交響楽団
ベートーベン:「エグモント」序曲
ベートーベン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 作品37*
ベートーベン:交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」
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アンコール
シューマン:3つのロマンス 作品28から第2曲 嬰ヘ長調*
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ(弦楽合奏とティンパニーのための)
N響夏の特別演奏会の一つ。
最近のN響の演奏会が2回連続してイマイチ乗れなかったので、期待と不安が混じった思いで出かけたが、そういうマイナーな感情を一掃してくれた。
音楽はもちろんいずれも傑作揃い。
ピアノソリストのアリス=紗良・オットもナマは初めてで、期待していたが期待どおり。
アンコールにシューマンのロマンス第2番を弾くなんて渋いなあ。
エグモント序曲というのは、ティンパニー以外の全楽器がフォルテの付点全音符から始まるので出鼻の失敗率が極めて低い。アマチュアが演奏してもそれなりに聴こえる曲だ。
しかし、さすがに日本を代表するオーケストラだ。
管と弦が交じり合った最初の響からして実に美しい。
これはどうしたことか。
サントリーホールだから?
まあ、席もこれ以上はないという個人的には理想的なロケーションではあったけど、いやいや、これほどまでにホールや席の位置で音響が変わるはずがない。
多分、全2回のがっくり感が尾を引いていてその落差が今回の響を際立たせたのだろう。
あるいは、N響が渾身の力を出した?いつも手を抜く?
そんなこともあるまい。手を抜くって、むしろ難しいものなあ。
この会場では東響、読響、日フィルの定期演奏会をたまに(普段は横浜みなとみらいホール、ミューザ川崎シンフォニーホールで)聴いているけど、この日のN響管弦の混ざり合ったシンフォニックサウンドほど美しいと思ったことはなかったなあ。
とにかく事情はよく分からなかったけど、一皮むけたような音がつくりだす音楽の美しさは特筆モノだった。
一度こういう経験をするとこれが物差しになってしまうので、困ったことになるのではあるのだけどなあ。
♪2015-79/♪サントリーホール-04