2015-08-29 @みなとみらいホール
小山実稚恵:ピアノ
●シューベルト:
即興曲 変ト長調 op.90-3
ヘ短調 op.142-1
変イ長調 op.90-4
変ホ長調 op.90-2
●J.S.バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
●リスト:愛の夢 第3番
「エステ荘の噴水」(巡礼の年第3年より第4曲)
●ショパン:ノクターン 変ホ長調 op.9-2
ポロネーズ第6番「英雄」 変イ長調
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズop.53
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アンコール
●グラナドス:「スペイン風舞曲」より第5番「アンダルーサ」
●アルベニス:入江のざわめき/パヴァーヌ・カプリッオ
小山実稚恵は現在活躍中の日本人ピアニストの中では、個人的には一番親しみやすい、好感度ナンバーワンのピアニストだ。
生演奏ではオーケストラとの共演で協奏曲を聴くことが多く、ピアノ単独のリサイタルは初めてだった。
2千人以上入るみなとみらいホールの大ホールでのリサイタルは、会場が大きすぎるのではないか、と危惧していたが、はりこんだS席の場所もベストで、最初のシューベルトの即興曲のピアニシモ?が揺らめくように始まった途端、気持ちは吸い込まれてしまった。こういう経験はめったにない。
彼女の指先(センターよりやや左で白鍵が見える席を選んだ。)がまるで音符に生命を吹き込んでいるように思えた。
即興曲では作品90の4曲のうち1番だけが演奏されず、代わりというわけではないだろうけど作品142の1番が演奏された。個人的には90-1が特に好きなのでこれを聴きたかったけどなあ。
バッハのシャコンヌはいろんな楽器にアレンジされているが、どんなアレンジを聴いても、やはり、原曲(無伴奏バイオリン)には敵わないと思っていたが、このピアノ編曲はよく出来ているというのか、全然違和感がないばかりか、これもオリジナルかのような錯覚に陥った。
エステ荘の噴水も過去いろんな人の演奏を聴いているけど、今回、初めて冒頭の水のきらめきを実感できた。リストの才能を深く感じたよ。
ショパンの2曲も言うことなし。
また、アンコールが良かった。
独墺、東欧と続いて、アンコールはスペイン音楽だ。
それぞれのピアノ音楽の粋を垣間見せてくれた。
小山実稚恵という人は表現力の確かな人だと思う。
時々音が外れることもあるが、大した問題では無いね。
ますますファンになった。
♪2015-81/♪みなとみらいホール-23