2015年8月29日土曜日

小山実稚恵の世界 デビュー30周年記念ピアノ・リサイタル

2015-08-29 @みなとみらいホール


小山実稚恵:ピアノ

●シューベルト:
 即興曲 変ト長調 op.90-3
 ヘ短調 op.142-1
 変イ長調 op.90-4
 変ホ長調 op.90-2
●J.S.バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
●リスト:愛の夢 第3番
 「エステ荘の噴水」(巡礼の年第3年より第4曲)
●ショパン:ノクターン 変ホ長調 op.9-2
 ポロネーズ第6番「英雄」 変イ長調 
 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズop.53
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アンコール
●グラナドス:「スペイン風舞曲」より第5番「アンダルーサ」
●アルベニス:入江のざわめき/パヴァーヌ・カプリッオ



小山実稚恵は現在活躍中の日本人ピアニストの中では、個人的には一番親しみやすい、好感度ナンバーワンのピアニストだ。

生演奏ではオーケストラとの共演で協奏曲を聴くことが多く、ピアノ単独のリサイタルは初めてだった。

2千人以上入るみなとみらいホールの大ホールでのリサイタルは、会場が大きすぎるのではないか、と危惧していたが、はりこんだS席の場所もベストで、最初のシューベルトの即興曲のピアニシモ?が揺らめくように始まった途端、気持ちは吸い込まれてしまった。こういう経験はめったにない。

彼女の指先(センターよりやや左で白鍵が見える席を選んだ。)がまるで音符に生命を吹き込んでいるように思えた。
即興曲では作品90の4曲のうち1番だけが演奏されず、代わりというわけではないだろうけど作品142の1番が演奏された。個人的には90-1が特に好きなのでこれを聴きたかったけどなあ。

バッハのシャコンヌはいろんな楽器にアレンジされているが、どんなアレンジを聴いても、やはり、原曲(無伴奏バイオリン)には敵わないと思っていたが、このピアノ編曲はよく出来ているというのか、全然違和感がないばかりか、これもオリジナルかのような錯覚に陥った。

エステ荘の噴水も過去いろんな人の演奏を聴いているけど、今回、初めて冒頭の水のきらめきを実感できた。リストの才能を深く感じたよ。

ショパンの2曲も言うことなし。


また、アンコールが良かった。
独墺、東欧と続いて、アンコールはスペイン音楽だ。
それぞれのピアノ音楽の粋を垣間見せてくれた。

小山実稚恵という人は表現力の確かな人だと思う。
時々音が外れることもあるが、大した問題では無いね。
ますますファンになった。


♪2015-81/♪みなとみらいホール-23