2015-01-22 @みなとみらいホール
原田靖子:オルガン
メンデルスゾーン:「夏の夜の夢」から『結婚行進曲』
サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」から『水族館』
モリコーネ(原田靖子編曲):ニュー・シネマ・パラダイスから"ニュー・シネマ・パラダイス~初恋~愛のテーマ"
J.S.バッハ:装いせよ、わが魂よ BWV654
J.S.バッハ:パッサカリア ハ短調 BWV582
最初の3曲は有名な管弦楽曲をオルガン用に編曲したもの。
華やかな「結婚行進曲」で幕開け。
サン=サーンスの「動物の謝肉祭」から「水族館」は前回のこのシリーズでも聴いた。「ひとりオーケストラ」が可能なパイプオルガンならではの多彩な音色(クラシックコンサートには珍しくカラフルな照明も。)が可能なのでオルガン版「水族館」も面白い。
「ニュー・シネマ・パラダイス」メドレーはオルガニストの原田さん自らの編曲だそうだ。
ここまでは馴染みの曲だけど、あいにくとバッハの2曲は覚えがなかった。「装いせよ~」は元の曲は他の作曲家による賛美歌をバッハがオルガン・ソロにしたとプログラムに書いてあったが、それでは「編曲」なのだろうか、と思って帰宅後調べたが、その点はどうもはっきりしなかった。「様々な手法による18のライプツィヒ・コラール(BWV651-668)」の1曲らしい。4声の作品で、楽譜も見ることができたが、足鍵盤も付いているオルガンだからこそ1人で演奏できるんだろう。
こんな機会でなくては聴くことができない音楽だ。
でも、最後の大曲「パッサカリア(とフーガ)ハ短調」って、かなり有名な曲で、クラシック音楽ファンとしては承知しておかなければ恥ずかしいような曲らしい。
そんな有名な曲ならタイトルは知らなくとも少し聴けば思い出すかも、と思っていたが、なかなかどうしてサッパリ思い出せない。
やはり、初めて聴くのだろうか、と焦りもしたが、音楽自体はなかなか壮大で、パッサカリアが低音部のメロディを反復しながら上声部が変化してゆくものであることは知っているので、曲の構造は分かりやすい、とは言えるけども実際はなかなか耳が追いつかない。
まずは低音部だけで主題が8小節が演奏され、次に文字どおりこれをベースにした変奏が21回繰り返される。徐々に変奏が複雑になり、最初は数えていた変奏回数も中程で分からなくなる。
<パッサカリア ハ短調 BWV582の主題と第1変奏>
そのうち、一呼吸置いて最後のフーガが始まるが、これが派手だし、その畳み掛けるような形式からフーガであることは一聴瞭然。
最後の最後は主和音で終わるべきだから当然にハ短調…かと思ったけど、楽譜を見ると最後の数小節はハ長調に一時的に転調しているようで、最終音はハ長調の七重和音(Cmajor)が長く怒涛のごとく大ホールに轟いて、これは怖いくらいの音響体験だった。
繰り返し単純で覚えやすい低音主題を聴いたので、もう二度と「パッサカリア ハ短調」を忘れることはないだろうと思った。
<パッサカリア ハ短調 のフーガ最終部>
ところが、帰宅後調べてみたら13年の暮に、レスピーギが管弦楽に編曲したこの曲を同じみなとみらいホールで聴いているんだ。いやはや何を聴いていたんだろうと思う。
因みにレオポルド・ストコフスキー、アンドリュー・デイヴィスほかも管弦楽編曲を残している。また数人の作曲家がピアノ1台用や2台用に編曲しているようだ。
♪2015-9/♪みなとみらいホール-03