2015-01-12 @ミューザ川崎シンフォニーホール
秋山和慶:指揮
中村紘子:ピアノ
東京交響楽団
J.シュトラウスⅡ:ワルツ 「春の声」
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番
ドボルザーク:交響曲 第9番 「新世界から」
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アンコール(ピアノ)
ショパン:練習曲 ハ短調「革命」 作品10-12
ショパン:ポロネーズ第1番 嬰ハ短調 作品26-1
ラフマニノフ:前奏曲 作品32-12
J.シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲(管弦楽)
東京交響楽団の、ニューイヤーコンサート…と銘打ってはいなかったけど、シュトラウスⅡの「春の声」(管弦楽版)で始まり、アンコールにシュトラウスⅠの「ラデツキー行進曲」で終わったので、ニューイヤーコンサートの定番をなぞっている。
「名曲全集」の前回(12/27)も、指揮が秋山和慶、コンマスが大谷康子と東響の顔が揃ったが、年初も同じ顔ぶれに加えて、ピアノ協奏曲のソリストとして中村紘子が登場して、なかなか華やかなニューイヤーの出発だった。
この人が登場すると、コンサートはまるで中村紘子リサイタルの様相を帯びてくる。
人気は絶大なものがあるし、客あしらいやオケあしらいも上手で、自然とホール全体が彼女に沸き立つようになる。
サービスも怠りなく、堂々とチャイコを弾き終えた後、何度かのカーテンコールを経てアンコールに弾いたのはショパンの「革命」だった。前にみなとみらいホールで聴いた時もアンコールに「革命」を弾いたけど出だしに失敗して再度弾き直したが、そういう場面でも堂々としているので感心したことを思い出した。
今日は、一発で決めて、また何度かのカーテンコールがあり、やがて再度ピアノの椅子に腰掛けた時は場内が大きな拍手でどっと湧いた。今度はポロネーズだった。その後またカーテンコールが何度かあって、さすがにもう袖に引っ込むだろうと思っていたら、なんとビッグ・サプライズの3曲目を弾いてくれた。館内割れんばかりの拍手。もちろん、こういうサービスは大歓迎だけど、オーケストラが完全に霞んでしまった。
休憩後は「新世界から」(以下「新世界」)だ。
10日の日フィルのニューイヤーコンサートでもシュトラウスⅡのワルツと「新世界」の組合わせだった。シュトラウスはお正月に付きものだけど、「新世界」はそういう定番的な意味は無いはず。同じ組合わせというのは偶然だろうけど、前回の日フィルの「新世界」(というより、コバケンの「新世界」)に大いにがっかりしていたので、今回の東響の「新世界」で<耳直し>したい僕としては期待値が高かった。
一方で、この指揮者とオケの組合わせの年末の「第九」はいまいち気分が乗れなかったので今回はどうだろうという不安もあり。
しかし、今日の「新世界」は完璧に良かった。
何か、自分の中に既に出来上がっている「新世界」があるのだけど、それとほとんどシンクロするような演奏だった。
ケレン味がなく、端正だ。ドボルザークはこういう音楽を書いたのだと納得させる演奏だ。ま、僕の好みに合っていたといった方が正しいか。
第三楽章が終わり、終楽章が始まる「間」。
ここは大切で、「第九」と同じようにあまり間を空けては面白くない。その微妙な間が、期待値とピタッと合って快感だ。
♪2015-4/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-01