2014-12-01 @みなとみらいホール
現田茂夫(名誉指揮者):指揮
大江馨【ヴァイオリン】(2013年日本音楽コンクール1位入賞)
阪田知樹【ピアノ】(2013年ヴァン・クライバーン国際コンクール入賞)
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」序曲
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
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パガニーニ:「24のカプリース」より第24番(Vnソロ)
ラフマニノフ/坂田知樹編曲:歌曲「ここは素晴らしい所」作品21-7(Pfソロ)
「フレッシュコンサート」というのは、神奈川フィルが神奈川県に縁のある若き俊英をソリストに迎えて演奏の機会を提供し、応援しようという企画だ。
主に20歳代前半(今回のバイオリンの大江くんは94年、ピアノの阪田くんは93年生まれ。)で、著名なコンクールの優勝・上位入賞者が招かれている。
今回も、バイオリンの大江くんは63回全日本学生音楽コンクール(⇒学音)優勝者であり、82回(昨年)日本音楽コンクール(⇒日音)第1位というから、素直にすごい。
ピアノの阪田くんも61回学音2位、昨年のヴァン・クライバーン国際コンクールその他いろいろ入賞というからこちらもなかなかのスグレモノなのだろう。
今日(12/06)、たまたまNHKTVが今年の日音の最終審査の様子をドキュメンタリーとして放映したのを興味深く見た。
熾烈な競争というより、結局は自分との闘いを制した者が勝利するのではないかと思いながら見ていたけど、このレベルになると技術や音楽性の違いなど僕に分かるはずもない。
少なくとも、練習を積んできた挑戦曲に関しては、もう出来上がっているのではないかと思えるような演奏ぶりだった。
さて、「フレッシュコンサート」の2人が披露した曲は、いろんなコンクールでも弾いた曲だったのかもしれない。すると、今、2千人のお客様の前であらためて「演奏家」として演奏することに大きな興奮や感慨があっただろうなあ。
2曲とも叙情性たっぷりの曲なのでベタベタになりやすい気もするけど、そこは若いとはいえど磨き上げた感性がケレン味を抑えていたのではないか。心地よく楽しめた。
横浜在住など、横浜と縁のある2人なので、今後も聴く機会があるだろう。若い才能がすくすく育って再会できた時に果たして僕の感覚はボケていないだろうか心配だが。
余談:
先月末に第68回学音の横浜市民賞選定員としてバイオリン部門を聴きに行った際に、一般的にはその作品が知られていないヴィエニャフスキの作品を弾く子が多くて、どうしてかなあ、と思っていたら、この作曲家はバイオリンの名手で、その名を冠した国際コンクールがおよそ5年に1回開催されていることを知り、前回の「フレッシュコンサート」(今年3月)に登場したバイオリンの小林美樹さんが直近(2011年)の同コンクールで2位だったことを記録を手繰って知った。
因みに、今をときめく神尾真由子(07年チャイコフスキー・コンクール優勝)もヴィエニャフスキ~の2001年の第4位だというのだから、このコンクールは相当ハイレベルなのだろう。
という事情からもこの「フレッシュコンサート」に登場する新人たちがかなりの腕利きだということが分かる。
♪2014-112/♪みなとみらいホール大ホール-48